大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第61弾!
最近は日差しが強く、どんなに日焼け止めを塗っても焼けてしまう気がしてなりません。
「若いときからもっと紫外線対策をしていれば、今こんなに困らなかったのに……」と後悔することも。
未来の自分が困らないように、今からでもしっかりケアを頑張っていきたいと思います。
さて、今回も濱脇と同じテーマで書いてみよう企画、第3弾。
テーマは「仕事をするにあたっての自分との向き合い方」です。
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今回はどうでしょう。
同じかな? 違うかな? 楽しみながらご覧ください。
◆人と関わることが苦手だった子ども時代
これまでのエッセイで何度も書いてきたのでご存じの方も多いと思いますが、私は「人との関わり」がずっと苦手です。
「看護師になりたい」と思ったときも、看護師になった今も。
「そんな人が看護師をしていて大丈夫?」と思いますよね。
そりゃそうだと思います。
私は幼少期から、人前ではニコニコできるけれど、家に帰るとひとりで黙々とリカちゃん人形と遊んでいる子どもでした。
人前では「ニコニコしていないと相手が嫌な気持ちになるかも」と、いつもニコニコ。
でも、それがしんどくなってきて。
だからといってその気持ちをどうすることもできず、結局は「我慢」。
そんな「我慢」を繰り返すうちに、だんだん人と一緒にいること自体が苦手になっていきました。
それでも、そんな自分が当たり前になってしまっていたので、特に問題だと思うこともなく……。
時は流れ、看護学校に進んだときに、初めて「このままじゃまずいかも」と気づくことになるのですが、そのときはそのときで勉強に追われて深く向き合う余裕はありませんでした。
◆精神科で出会った言葉が転機に
看護師になり、精神科に入職したときのこと。
患者さんからはよく「あなた、人が苦手でしょ」と言われました。
「なんでわかるんだろう」と図星で、苦笑いするしかありません。
そんななか、以前エッセイにも書いた”ある患者さん”と出会います。
その患者さんに、「実はしんどい」と思っていることを見抜かれ、それでも「あんたならいい看護師になれる」と言ってもらいました。
そんな言葉をかけてもらえると思ってもいませんでしたが、そう言っていただけたことで、自分が仕事をするうえでの姿勢をもっと整えていかなければと思うようになったのです。
◆「看護師・中野誠子」というスイッチ
そこから、自分と向き合うようになりました。
苦手なことを書き出し、どう対処しているかを分析。
すると「大勢の中にいることが苦手」「人に興味を向けるのが得意ではない」ということがわかってきました。
これまでなんとなくやってうまくいっていると思っていましたが、患者さんに指摘されてしまった以上はどうにかしたい。
そこで、私の「こだわりが強い」部分と「決めたら守る」という部分を生かせるのではないかと考えた対策が――
『仕事着を着たら“看護師・中野誠子”になる』 ということです。
ありのままの自分では自信が持てない。
だからこそ「看護師としてこうありたい姿」を常に描きながら白衣に袖を通すことにしました。
最初はうまくいきませんでしたが、振り返りを重ねるうちに少しずつ定着。
今では自然と仕事とプライベートを切り替えられるようになり、それがリフレッシュにつながっています。
人と関わる苦手意識は、看護師としての経験を積むなかで少しずつ和らいでいきました。
◆理想の看護師像を持ち続けること
私にとって看護師という仕事は、とても尊いものです。
だからこそきちんと向き合いたい。
どんな看護師になりたいのか目標を決めて、キャリアの軸にしてきました。
「なりたい自分の看護師像」が挫けそうな自分を立ち直らせてくれています。
小学生のときに読んだナイチンゲールの伝記。
そして、看護学校の戴帽式で誓ったナイチンゲール誓詞。
そのときの思いを胸に今も「看護師・中野誠子」として、毎日の振り返りを欠かさず働いています。
もっといい支援をするために、自分に何ができるかを考え、できたことは素直に褒め、できなかったことは受け止めて次へ。
そうやって自分を立て直しながら前へ進んでいます。
「自分は看護師に向いているのかな……」と迷っている方もいるかもしれません。
でも、看護師になりたいという気持ちがあれば大丈夫。
学びながら少しずつ成長できます。
その気持ちを大切に、頑張ってください。
臨床で待っています。
さあ、次は何を書こうかな。
