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【専務エッセイ】Vol.62 精神面と神社仏閣

2025.09.19 くるみの社長エッセイハムさんシリーズ精神科訪問看護とは

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、濱脇直行が綴る『専務エッセイ』第62弾!

 

少し朝晩が涼しくなりましたね。

とはいえ、まだ残暑は厳しい日々ですが、秋の⾜⾳が聞こえてきている感じがします。

暑いのは苦⼿ですが、寒いのも苦⼿なので、「はやくちょうどいい季節にならないかな」と思っている専務の濱脇です。

さて、今回は「精神面と神社仏閣」の関連性についてお話ししてみようと思います。

というのも、実は私、神社仏閣を訪れるのが⾮常に好きでして。

最近はなかなか⾏けていないのですが、いろんなところの神社仏閣に訪れては、⼼が浄化されるように感じています。

今回はこんなお話です。

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

◆情報にあふれる社会で心の拠り所を探す

現代社会は、情報が常にあふれ、目に見えない圧力も混ざっています。

仕事や家庭、人間関係の中で、「⼼を休める場所」を⾒失ってしまう人も多いのではないでしょうか。

もちろん、カフェに行ったり、⾳楽を聴いたり、本を読んだりするのもいい⽅法ですが、もう一歩深堀すると、精神を整える空間として、神社仏閣ほど象徴的な場所はないと思うんです。

 

◆神社仏閣がもたらす非日常感

⿃居をくぐる瞬間、多くの人が空気の流れの変化を感じて、無意識に背筋を伸ばしたり、頭を深く下げたりします。

参道に差し込む光、砂利や落ち葉なんかを踏む⾜⾳が、⾮⽇常的な雰囲気を醸し出しているように思います。

流れる空気や空間の匂いに意識を集中すると、五感がいつもより研ぎ澄まされ、自然と⾃分の「内側」と向き合えるような気がして。

神社仏閣は単なる宗教施設という枠組みではなく、⼼の状態を静かに映す“鏡”のような存在だと私は思っています。

神社仏閣の空間がもたらす独特な雰囲気には、安⼼感さえ覚えることがあります。

おそらく、これは建築様式であったり、⽊材の温もりや匂い、⾃然との調和がそう感じさせているのかもしれませんね。

 

◆祈りという「型」が導いてくれる

文献を読んでみると、こうした行為は人間の心理に安定をもたらす、と心理学的にも指摘されているようです。

私自身もこれまでいろんな神社仏閣に訪れてきましたが、「やっぱりそうなんだ」と実感する場面が多々ありました。

あとは、祈りや合掌といった「型」ですよね。

参拝されている方々を見ていると、皆さん自然と手を合わせたり、鐘を鳴らしたりされているのを⾒るんですよね。

「ちゃんとお祈りしないと」という⼼理的なものが働いてるんでしょうね、きっと。

⼈は不安定なときこそ「何をすればいいかわからない」という状態に陥りやすいものです。

そんなときでも、⼿を合わせる、鐘を鳴らす、経を唱える、感謝や願いを口にする……といった⾏為は、きっと迷いを減らして、⼼を⼀本の線に導いてくれる作業なんじゃないかなって思うんです。

そう考えると、ちょっと神社仏閣に⾏ってみたくなりませんか?

 

◆神社仏閣が教えてくれる「時間」

私が特に好きな理由は、神社仏閣が「時間」を意識させてくれる空間だからです。

大木が年を経て色を変えるように、境内は季節ごとに違う顔を見せます。その変化を目にすると、自分の悩みも「大きな時間の流れの中では一瞬なんだ」と実感できるのです。

その変化を目にすると、自分の悩みも「大きな時間の流れの中では一瞬なんだ」と実感できるんです。

自分の存在がものすごく⼩さく感じるんですけど、でもこれって決して否定的なことではないですよね。

むしろ「肩の⼒を抜いて⽣きてもいいんじゃない?」と⾔われている気がして、⼼がホッと落ち着き、軽くなります。

 

◆願いを外に出すということ

神社仏閣は願いを託す場所でもあります。

恋愛成就、学業成就、無病息災、そして「宝くじ当たりますように」や「〜のライブ成功祈ってます」といったものまで。

それってなんか、本当に⼤切にしているものを再確認する場にもなっているのでは? なんて思ったり。

願いを言葉にして外に出すことは、心が軽くなり、次の一歩を踏み出す力が湧いてくるものです。

 

◆心に余白を与える空間

もちろん、神社仏閣を訪れることが直接的に悩みを解決してくれるわけではありません。

ですが、⼼を整理するための「間(ま)」を確保できることは、⼤きいな意味をもつことではないかなと思うんです。

たくさんの⼈が抱えるストレスの根底には、考えや感情を整理する余⽩が不⾜しているんだと思います。

⼼理療法で注目される「マインドフルネス」とも通じる要素、呼吸への集中・五感での気づき・雑念を手放す……という要素が神社仏閣には含まれているのではないでしょうか。

昔から続く儀式や所作は、現代の真理ケアの合理性につながっているのかもしれませんね。

 

私が伝えたいのは、神社仏閣は決して「心の逃げ場」ではなく、訪れるたびに心をリセットし、再び社会や仕事に向き合うための「心の再出発点」ということ。

もし疲れや不安に押しつぶされそうになったときは、ぜひ静かに神社仏閣を訪れてみてください。

境内で感じる空気や光に身を置けば、言葉にできない安心感が心を包み込んでくれるはずです。

精神を整えるとは「心に余白を与えること」。

その余白を自然に与えてくれるのが、神社仏閣なのだと私は思います。

これを機に訪れてみてはいかがでしょうか。

では、本⽇はこの辺で。

この記事を書いた人

濱𦚰直行

株式会社Make Care 専務取締役COO

濱𦚰 直行

看護師

オペ看護師としての豊富な経験を活かし、精神科訪問看護の現場へ。地域密着型のケアと現場主義を貫く実践派。石森・中野とともに株式会社Make Careを創業し、現在は訪問看護ステーションくるみの統括責任者として、現場支援と組織運営の両立に挑んでいる。

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