大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、濱脇直行が綴る『専務エッセイ』第66弾!
こんにちは。
とても寒くなりましたね。
気がつけば11⽉も終盤。いよいよ師⾛に突⼊します。
さて、今回はちょっと真⾯⽬に「精神訪問看護の未来」について考えてみたいと思います。
真⾯⽬な内容になるので、興味なければスルーしてくださいね(笑)。
では、本日もごゆるりとお楽しみください。
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
平日・土曜・祝日 9:00〜18:00
【日曜・お盆・年末年始休み】
※訪問は20時まで
対応させていただいております。
◆精神訪問看護が求められる理由
精神訪問看護は、一般的な訪問看護に⽐べると、ゆっくりと静かに広がってきたサービスです。
しかし近年、その重要性はより⼀層注⽬されるようになりました。
精神疾患を抱えながら地域で⽣活する⽅が増えて、家族構成の変化や⽣活スタイルの多様化も進むなかで「自宅という生活の場で医療を支える存在」として精神訪問看護の必要性は高まり続けています。
背景には、精神科病床数の縮小や、地域医療へ役割を移⾏しようという国の⽅針があります。
⼊院⽇数はどんどん短くなり、医療は「入院中心」から「地域で支える」時代へと大きく舵を切っています。
そんななか、
服薬の継続
崩れた生活リズムの調整
家族関係のサポート
などなど、生活の中で生まれる課題を早い段階で見つけ、伴走できることこそ精神訪問看護の大きな強みだと感じています。
◆これから求められる支援と生活全体を支える視点
発展を遂げてきている精神訪問看護の業界ですが、今後は、医療的なサポートだけではなくて、⽣活そのものを⽀えるといった視点がきっと今よりも求められる時代になってくるのではないかと思っています。
例えば、
金銭管理
家事や生活の維持
就労の継続
家族・親戚との関係調整
行政・介護・福祉サービスとの連携
など、支援の幅はさらに広がり、“生活そのもの”に寄り添う支援が今まで以上に重要になっていくはずです。
ここで重要となるのが、利⽤者さんの⽣活全体を見渡し、寄り添いながら歩く「伴奏者(ペースメーカー)」としての役割です。
◆オンライン時代でも変わらない「会いにいく価値」
また、精神訪問看護において避けて通れないのが“孤立”というテーマです。
⾼齢者の独居、若い世代の孤⽴、家族関係の希薄化……
さまざまな要因が重なって、ひとりで悩みを抱えざるを得ない⼈は確実に増えています。
孤⽴は再発リスクや体調悪化のリスクが⾼かったりもします。
だからこそ、定期的に訪問し、話を聴き、顔を合わせる、その積み重ねがきっとこころの安定につながるんだろうと思います。
コロナ禍以降、オンライン⽀援がどんどん広がり続ける時代ですが、だからこそ「実際に会いにいく価値」はむしろ高まっているのではないでしょうか。
◆訪問看護×テクノロジーがもたらす未来
そしてもうひとつ、未来を語るうえで欠かせないのがテクノロジーの進化です。
精神訪問看護だけでなく、訪問看護全体の未来を⼤きく変化させる可能性があると思っています。
⽀援に役⽴つツールは年々増えており、適切に活用することで、より質の高いサポートにつながるはずです。
もちろん、利⽤者さんの思いや表情の細かな変化などを感じとる「⼈ならではの⼒」が中⼼であることは変わりません。
ですが、テクノロジーが後押しすることで、支援はもっと豊かになっていくと信じています。
◆精神訪問看護師自身のケアも必要
あと、忘れてはならないのが、精神訪問看護に携わる私たち⾃⾝の⽀援です。
精神科領域は感情労働の負担が大きく、⽀援が複雑化するにつれて考えることや⾏動することも増えていきます。
だからこそ、
チームでの振り返り
相談しやすい環境づくり
学び続けられる仕組み
心理的安全性のある職場
こうした体制が整ってこそ、看護師のモチベーションが維持でき、よりよい支援が続けられる原動力になると思っています。
精神訪問看護が抱える課題は決して少なくありません。
しかし、その⼀⽅でこの領域には⼤きな可能性があります。
⼈がその⼈らしく地域で暮らし続けるために寄り添い、⽀え続ける。
この根本的な価値は、時代がどれだけ変わっても失われることはありません。
一つひとつの訪問が利⽤者さんの⽣活を⽀え、安⼼を積み重ねる。
その地道な⽀援こそが、これからの精神医療の未来をつくっていくと考えています。
訪問看護ステーションくるみも、これからも地域に寄り添い、進化し続け、暮らしを⽀える⼤切な存在でありたいと思っています。
今⽇は真⾯⽬なお話でした。
ではまた次回に。