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【専務エッセイ】Vol.67 くるみは小児重心児の受け入れも始めましたよ|訪問看護ステーションの今とそう遠くないだろう未来

くるみの社長エッセイハムさんシリーズ精神科訪問看護とは

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、濱脇直行が綴る『専務エッセイ』第67弾!

 

どうもこんにちは。

気温もすっかり冬本番な感じになってきましたが、皆さま体調はいかがでしょうか。

急に体調を崩しやすい時期ですので、どうぞご自愛くださいね。

ちなみに私はというと、体調が悪くても食欲だけは落ちないタイプで、結果的に調子良く過ごしています。

そんな専務の濱脇です。

 

今回は、訪問看護ステーションの今と今後のお話(そう遠くない未来)についてお話ししたいと思います。

文字だけでは伝わりにくい部分もあるので、各セクションごとにポイントを整理しながら書いています。

どうぞお付き合いください。

 

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

 

◆総合的な訪問看護ステーションを目指す必要がある

近年、在宅医療・在宅看護の重要性はますます高まっていることは他のコラムでも話してきました。

当然のように訪問看護ステーションに求められる役割も急速に拡大していると感じています。

そのような背景もあり、くるみでは小児重症心身障害児(以下、小児重心児)の受け入れを今年から積極的に始めました。

今、くるみが目指しているかたちというのは、

①精神疾患を抱える方への精神訪問看護

②医療的ケアを必要とする小児重症心身障害児(以下、重心児)の支援

であり、どちらの領域も専門性と継続性の両立が不可欠な分野です。

これは、総合的な訪問看護ステーションを目指して動き出した、身体・精神・生活・福祉・家族支援を分断せず、一体的に支える拠点でありたい、地域全体を支える「在宅支援の中核」となる存在になる、というくるみの強い意思表示の一つだと思っています。

 

◆精神訪問看護における役割と意義って?

精神訪問看護では、病状の観察や服薬管理に加えて、日常生活の支援、対人関係の調整、再発予防、社会参加への支援など、生活全体を見据えた関わりが行われます。

定期的(通常、週に1~3回の範囲)に訪問し、継続的に話を聴き、安心・信頼していただける関係性を築くことは、症状の安定だけでなく、生きる意欲の回復にも大きく影響を与える役割を持っています。

また、当人だけでなく、家族への支援も重要であり、介護負担や精神的な葛藤に寄り添いながら、長期的に伴走する支援が求められています。

 

◆小児重心支援における訪問看護の重要性って?

小児重心児の分野では、人工呼吸器管理や胃ろう、痰吸引などの高度な医療的ケアに加えて、成長発達を見守りながらの支援が必要不可欠です。

ご家族はというと、24時間体制で医療と介護を担っており、身体的・精神的負担は非常に大きなものとなっていることは容易に想像がつきます。

訪問看護は、お子さんの命と生活を守ると同時に、ご家族が安心して在宅生活を継続できるよう支える重要な支柱となります。

「医療」と「生活」を同時に支えること。

そこに訪問看護の大きな価値があると考えています。

 

◆多職種連携と地域ネットワークの役割と重要性について

精神分野と小児重心分野の両立には、訪問看護だけでは限界があります。

精神科医、小児科医、かかりつけ医、相談支援専門員、行政、学校、福祉機関などとの多職種連携が必要不可欠です。

総合的な訪問看護ステーションを目指しているくるみは、それぞれの専門職を「つなぐ調整役」としての機能も果たしつつ、地域全体で利用者と家族を支える体制づくりを担っていく存在となっていく姿を近い未来に見据えています。

ここにこそ、総合型としての最大の価値があるのではないかと思っています。

 

◆そんな現在の現場が抱える懸念点と課題について(一般的なもの)

一方で、精神訪問看護と小児重心支援の現場には、多くの課題も存在していると認識しています。

人材や専門教育の不足、24時間対応による負担、緊急時対応への不安などなど……。

現場の負担は年々増大しているのではないかと考えています。

くるみは、比較的役割を分担しようとしているのですが、今後もより良いかたちを模索し続けることは必要だと思います。

一般的には、家族の高齢化、ひとり親家庭の増加、社会的孤立の深刻化も相まって、在宅生活の継続そのものが難しくなるケースも増加するのではないかということは容易に予測がつく状況です。

 

◆今後求められる改善点と取り組みについて

これらの課題への改善策はどんなふうに考えて動いていくべきなんでしょうか。

ここを改善するには、やはり専門人材の育成と教育体制の強化が最優先事項となるのではないかと考えています。

精神分野や小児重心に対応できる看護師の育成であったり、継続的な専門研修の開催、定期的な事例検討会やカンファレンスの充実などが欠かせないものとなってくると思います。

また、長く働き続けられる職場環境づくりも重要なポイントとなってくると思います。

 

◆総合的な訪問看護ステーションが必要となるそう遠くないと思われる未来展望

精神障がいを抱える方々も、重い障がいを抱えている子どもたちも、そしてそのご家族の方々も、住み慣れた地域で安心して暮らし続ける権利を持っています。

総合的な訪問看護ステーションの存在は、その権利を現実のものとする最前線となりうるものではないかと思っています。

医療の専門性と人としての温かさを合わせ持って、地域と人をつなぎ、子どもから大人まで、その人らしい人生に寄り添い続けること。

それこそが、精神訪問看護特化+小児重心を含む総合的な訪問看護ステーションの使命でもあるとも考えており、これからの在宅医療を支える大きな力となっていく存在なんだろうと思っています。

 

くるみはまだまだ小~中規模のステーションです。

今、全国では訪問看護ステーションの数はどんどん増え続けており、小規模ステーションが乱立している状況も否めません。

この間、訪問看護や介護分野等の経営者等が集まる会があったのですが、そこでも「もしかしたらもう訪問看護の業界は飽和状態になってきているのではないか」「今後のステーションの形というものを考えていかないといけないよね」という会話をしていました。

うまく住み分けできればと思いますが、そんなうまくいくはずもないので、今後の訪問看護業界の未来の形というものを模索しながら歩んでいかないといけないんだろうなと思います。

地域から選ばれる、地域の中核となる訪問看護ステーションへと発展をしていくことで、地域貢献につながると思っておりますので、訪問看護ステーションくるみは前を向いて進み続けます。

この記事を書いた人

濱𦚰直行

株式会社Make Care 専務取締役COO

濱𦚰 直行

看護師

オペ看護師としての豊富な経験を活かし、精神科訪問看護の現場へ。地域密着型のケアと現場主義を貫く実践派。石森・中野とともに株式会社Make Careを創業し、現在は訪問看護ステーションくるみの統括責任者として、現場支援と組織運営の両立に挑んでいる。

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