クルミのアトリエ クルミのアトリエ TOPへもどる
  1. トップページ
  2. コラム
  3. 【専務エッセ ...

【専務エッセイ】Vol.68 ⼼の中にもう⼀⼈の冷静な⾃分を飼うということ

くるみの社長エッセイハムさんシリーズ精神科訪問看護とは

【専務エッセイ】Vol.68 ⼼の中にもう⼀⼈の冷静な⾃分を飼うということ

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、濱脇直行が綴る『専務エッセイ』第68弾!

 

みなさま、あけましておめでとうございます。

2026年が幕を開けてから最初のコラムになります。

今年もまたごゆるりと読んでいただければと思います。

 

寒さが厳しくなり、巷ではインフルエンザが⼤流⾏していますね。

体調にはくれぐれも気をつけてお過ごしください。

では、今年一発⽬のテーマは『⼼の中にもう⼀⼈の冷静な⾃分を飼うということ』。

少し堅い言葉になりますが、「メタ認知」という考え方も交えながら話していこうと思います。

 

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

 

◆メタ認知って、なに?

みなさんは『メタ認知』という⾔葉を聞いたことはありますでしょうか?

⼼理学⽤語なのですが、最近ではビジネスや教育の現場などでもよく⽿にするようになってきました。

簡単に言うと『考えている自分を、もう一人の自分が客観的に見ている状態』のことです。

昔、「ゆ〜たいりだつ〜〜〜!」なんてやっていた芸⼈さんもいましたよね。

まさにイメージはあんな感じです(笑)。

幽体離脱をして⾃分を観察しているような、自分を後ろからドローンで撮影しているような感覚ですかね。

この能⼒って実は、仕事や⽇常⽣活で感じるストレスを乗り越えるための最強の武器となり得ると⾔われています。

 

◆26年目の看護師として、いま感じていること

少し、私自身の話をさせてください。

私は47歳の男性看護師で、今年で看護師歴26年⽬に突⼊いたしました。

家族構成は、妻と⼆⼈の⼦どもの4⼈家族です。

 

キャリアの前半、約20年は⼿術室看護師として働いていました。

1分1秒を争う緊張感の中で、執⼑医の動きを先読みし、的確に器械を渡したり、術中患者様のサポートを⾏ってきました。

そこには、的確な『正解』というものがあって、技術・正確さ・スピードが求められる世界でした。

その後、病院を⾶び出し、地域に出て訪問看護を2件渡り歩き、現在は訪問看護ステーションくるみで現場責任者として奮闘をしています。

正直、精神科訪問看護には⾃信がなく、これまでとはまったく違う種類の壁にぶつかっているような気がしています。

 

手術室では、バイタルサインやモニターなど、数字や目に見える情報から判断できることが多くありました。

一方、今の現場で向き合っているのは、圧倒的に数値化できない『⼈のこころ』です。

昨⽇まで笑顔で迎えてくれていた利⽤者さんが、今日は突然、扉も開けてくれない、話をしてくれない。

「帰ってください」と言われることもあります。

最初の頃は「なんでうまくいかへんのかなぁ〜〜〜」と、焦りみたいなものもあったんですよね。

 

◆メタ認知がないと、どうなるのか

ここで、もしメタ認知が働いていなかったとしたら、どうなるでしょう。

利⽤者さんの拒絶を『⾃分への攻撃』と捉えてしまい、頭に⾎が登って強く⾔い返してしまうなんてことが起こるかもしれません。

あるいは「⾃分はもうだめだ」と過度に落ち込んでしまって、そのイライラを家に持ち帰り、家族に当たったりしてしまう……なんてことも起こっちゃうんですよね。

 

そんなときに登場するのが『心の中にいる、もう⼀⼈の冷静な⾃分』です。

(マイジュニア、とでも呼びましょうか。笑)

この“マイジュニア”が、心の中で実況中継を始めたら、それはメタ認知のスイッチがONになったサインということです。

 

メタ認知OFFの状態では、「なんやねん、その態度……。せっかく来たのに……」と、怒りと感情が⼀体化してしまいます。

一方、メタ認知ONの状態では、「あー、今俺結構腹⽴ってるなあ」「否定されたように感じて傷ついてしまったんやろうなあ」と、⾃分の感情を言葉にして眺めることができます。

要は“怒っている⾃分、傷ついている⾃分”というものを客観的に認めることで、怒りの感情や悲観的な感情に飲み込まれないようにした、ということなんです。

 

さらに一歩進むと、視点を相⼿に向けることができるようになります。

「俺が憎いから怒ってるわけではないのかな」

「病状の波で不安が⾼まってしまったんだろうなあ」

「どうしていいかわからんからああいうふうにいうしかなかったんやろうなあ」

なんて考えることができれば「今⽇は無理せずに静かに寄り添おう」という判断や⾏動のコントロールが可能になってきます。

 

これは、家に帰ったときも同じです。

仕事モードのまま家庭に突⼊してしまって、役割のスイッチを切り替えられない。

これも、実はメタ認知がうまく働いていない状態なんですよね。

意識的に切り替えるというのは、それだけ⾼度なメタ認知が必要だ、ということでもあります。

 

◆特別な人だけの話ではない

ここまで、私自身をモデルにして話してきましたが、これって別に特別な話ではないんですよね。

私も含め多くの人が、ミスをしたり悩んだりしたときに、ついつい視野が狭くなって、感情の渦にのまれがちです。

そんなときこそ、深呼吸をしてみてください。

空からドローンで⾃分を⾒つめるような感覚で。

良い・悪いのジャッジはしなくていいです。

ただ、「今の⾃分に気づく」ということが⼤切なんです。

それだけで、状況をコントロールできるかもしれない場所に、すでに⽴っています。

 

難しいことではありません。

心の中に、もう⼀⼈の冷静な⾃分を飼い慣らして、変化の激しい毎⽇を、少しでもしなやかにして⽣きてみてください。

きっと新たな⾃分に出会えるはずです。

では、今⽇はここまで。

この記事を書いた人

濱𦚰直行

株式会社Make Care 専務取締役COO

濱𦚰 直行

看護師

オペ看護師としての豊富な経験を活かし、精神科訪問看護の現場へ。地域密着型のケアと現場主義を貫く実践派。石森・中野とともに株式会社Make Careを創業し、現在は訪問看護ステーションくるみの統括責任者として、現場支援と組織運営の両立に挑んでいる。

訪問看護師募集中