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【専務エッセイ】Vol.69 令和8年診療報酬改定短冊(改訂案)を読んでみての率直な感想

くるみの社長エッセイハムさんシリーズ精神科訪問看護とは

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、濱脇直行が綴る『専務エッセイ』第69弾!

 

最近は寒い日が続き、
大阪でもパラパラと雪が降る日が出てくる季節になってきましたね。

コロナやインフルエンザが猛威を振るっていますが、
皆さまいかがお過ごしでしょうか。

どうか無理をせず、日常を大切にお過ごしください。

そんな寒い中でも、いつもと変わらない日常を送っている専務の濱脇です。

さて、今日のテーマは、
弊社代表の石森もコラムで触れていましたが「令和8年度診療報酬改定短冊」について
私なりの視点で書いてみたいと思います。

 

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

 

■「令和8年度診療報酬改定短冊」を読んでみて

令和8年度診療報酬改定に向けた改訂案、
いわゆる「短冊」を読んでみて、
ポイントを簡単にまとめると、以下のような内容だと感じました。

* 診療報酬改定の全体的な方向性として、在宅医療・訪問看護は
「機能分化・連携」と「質の確保」を重視
* 訪問看護の評価体制の見直しと明確化
(運営基準の新設等の検討)
* 適正な訪問看護提供の評価
* 連携・機能の評価強化
* 在宅医療の質の評価(不適切な在宅医療の是正)
* 医療従事者の負担軽減・働き方改革、人材確保
(処遇改善やDXによる効率化)

正直に言うと「まあ、そりゃそうだよね。この方向に行くよね」というのが率直な感想です。

病院の中だけで完結する医療は終わりを迎え、
これからは在宅医療と連動しながら「暮らしの中で治し、支える医療」を
より強固に組み立てていく流れなのだと思います。

柱の中にも、在宅医療・訪問看護の質をどう確保していくのかが、はっきりと明記されています。

 

■くるみとして、どう受け止めるか

では、これを「訪問看護ステーションくるみ」としてどう読み取るのか。

代表の石森のコラムにも書いていたとおり、
結論としては、くるみとしてやることは基本的に変わらないと思っています。

医療的な管理が必要な方が増え、
生活や家族関係、社会的孤立まで含めて関わらなければ支えきれないケースは、今では珍しくありません。
こうした時代に訪問看護に求められるのは
「その人の人生を一緒に考えられる人材」ではないでしょうか。

 

■くるみのミッション・ビジョンに込めていること

訪問看護ステーションくるみのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)で
ミッションとして掲げているのは
「こころのかたちに気づけるケアを」 です。

症状や診断名だけを見るのではなく、
その人が何を大切にして生きているのか、
どこでつまずいているのか、
何に不安を感じているのか。
そこに目を向けられるかどうかで、その後の関わりは大きく変わります。

ビジョンは
「回復をゴールにするのではなく、活躍がスタートになる精神看護」

良くなったら終わり、ではありません。
そこから人生は動き出します。
そのスタートにしっかり伴走することが、くるみの看護の中心です。

 

■「質」を問われる時代は、チャンスでもある

今回の改訂議論で私がとても大切だと感じたのは、
国が在宅医療・訪問看護を
「増やす」だけではなく、「適正に、質高く提供できていますか?」というところまで踏み込もうとしている点です。

提供時間の記録、一定時間に満たない訪問の扱い、短時間訪問が連続する場合の考え方など
「提供の仕方そのもののルール」を明確にしようとする動きがあります。

これを「厳しくなる」とだけ捉えてしまうと、現場は苦しくなるかもしれません。
でも、くるみにとってはこれはチャンスだと私は思っています。

訪問看護の価値が、回数や形式ではなく
「その人の生活を支える実質」に近づけば近づくほど、
くるみが大切にしている看護と噛み合っていくからです。
今回の短冊では、
重症の方やさまざまな背景を持つ方への訪問看護をどう評価するか、という視点も示されています。

これはつまり、難しいケースを地域で担うこと自体をきちんと位置づけましょうという流れなのだと思います。
現場感覚としてこれはとても重要なことです。

断らない、つないでいく、家族も含めて考え支えていく。
こうした負担の高い実践がきちんと報われる仕組みがなければ、地域医療は回りません。

 

■「Pace Maker」であり続けるために

くるみのバリューは、
「Pace Maker であれ」

これは利用者さんに対してだけの言葉ではありません。
スタッフ同士にも、まったく同じことが言えます。

人にはそれぞれ成長のスピードがあります。
無理に引っ張れば折れてしまうし、放っておいても育つわけではありません。
相手のペースを考えながら、その少し先を照らす。
そんな役割を、お互いが担える組織でありたいと思っています。

正直に言えば、現場はいつも余裕があるわけではありません。
人手不足でやることが増えている感覚もあります。
でも、「忙しいから育てない」を続けている組織は、必ず弱ります。
人が育たなければ質は落ち、質が落ちれば理念は守れなくなる。

 

■変わらないために、問い直す

この短冊を読んだ結果、
くるみとしての進み方や在り方は基本的に変わらないと感じました。

ただしこれは、単なる点数の見直しではありません。
自分たちがどんな組織でありたいのか、
地域でどんな存在でありたいのか、
どんな看護師を育てたいのか

を改めて問い直すきっかけになるものだと思います。

この短冊に書かれている言葉や考え方を
現場での「言い訳」にはしたくありません。

理念を軸に、人とチーム、組織を育て続けることで、
地域に本当に必要とされる訪問看護ステーションの未来がある。
そう信じて、今日も仕事をしています。

今日はここまで。
では、また。

この記事を書いた人

濱𦚰直行

株式会社Make Care 専務取締役COO

濱𦚰 直行

看護師

オペ看護師としての豊富な経験を活かし、精神科訪問看護の現場へ。地域密着型のケアと現場主義を貫く実践派。石森・中野とともに株式会社Make Careを創業し、現在は訪問看護ステーションくるみの統括責任者として、現場支援と組織運営の両立に挑んでいる。

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