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【社長エッセイ】Vol.75 他者を下げて成り立つ評価に、なんの意味があるのだろう

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第75弾!

 

春は気圧の変動もあり、体調を崩しやすい季節ですよね。
頭痛がしたり、なんとなくしんどくて気分が落ち込んだり。

そんな自分を「ダメだな」と思いがちですが、そんなことはありません。

体を温めたり、少しゆっくりする時間を取ったり、自分なりの対処法を見つけていきましょう。

さて、精神科で看護をしていると、言葉や態度が人に与える影響の大きさを日々実感します。
目に見える処置以上に、関わり方ひとつでその人の状態が揺らぐことも少なくありません。

だからこそ、現場でふと感じる「違和感」があります。

 

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

 

他者を下げることで生まれる「違和感」

その違和感とは、誰かを蔑み、その人の未熟さや欠点を強調することで、自分の評価を上げようとする言動です。

「あの人はわかっていない」
「自分のほうができている」

そういった言葉は、時に“正しさ”を帯びて聞こえるかもしれません。
けれど、精神科看護の視点に立ったとき、その関わりは本当に倫理的だろうかと考えます。

 

尊厳と関係性がつくるケアの質

精神科看護は、人の尊厳や背景、そして見えにくい痛みに触れる仕事です。
だからこそ私たちは「どう見るか」ではなく、「どう関わるか」を問われ続けています。

他者を蔑むという行為は、相手の尊厳を削ります。
自分にそのつもりがなくても、相手がそう感じたのであれば、その影響は無視できません。

これが利用者さんであれば明確に不適切とされる関わりでも、相手がスタッフに変わった途端に当たり前のように行われているとしたら……そこに矛盾はないでしょうか。

対象が誰であっても、尊厳を守る姿勢は変わらないはずです。
また、精神科の現場では「評価される・されない」という感覚に敏感な方も多くいらっしゃいます。
上下や優劣を強調する空気は、知らず知らずのうちに利用者さんにも伝わります。

チームの関係性や言葉の質は、そのままケアの質に反映されるものだと思っています。

 

評価に頼らないための視点と問い

何気ない一言が、実は組織の内部事情や他スタッフのプライベートに触れていることもあります。
「これぐらい大丈夫」と思っていることが、実は大きな影響を与えているかもしれません。

だからこそ、一度立ち止まって、自分のコミュニケーションの癖を振り返ってみてほしいのです。

ここで、自分自身にも問いを向けたいと思います。
私たちは結局、「他者から評価されること」を強く望んでいるのではないか。

評価されたいという欲求そのものは否定されるものではありません。
けれど、そのために無意識に誰かを下げていないか。自分の言葉や態度がどんな影響を与えているのか。
そこまでメタ認知できているでしょうか。

自分の行動の目的は、本来自分が一番よくわかっているはずです。
その目的を自分で確認し、達成度も自分で評価する。

これができていれば、他者からの評価に頼りきりになることは少なくなると思います。
専門職として問われるのは「自分が正しいか」ではなく、その関わりが倫理に沿っているかどうかです。

正しさは大切です。
しかし、その使い方を誤れば、他者を追い詰める刃にもなり得ます。

 

さいごに

誰かを下げなくても、自分の価値は示すことができます。
むしろ、他者の尊厳を守れる人のほうが、長く信頼されるのではないでしょうか。

他者を下げて成り立つ評価に、なんの意味があるのだろう。

そう問いながら、少しずつでもいい。
変化が見えなくてもいい。

まずは目の前の人を大切にする関わりを、選び続けていきたいですね。
さて、次は何を書こうかな。

この記事を書いた人

中野誠子

株式会社Make Care 代表取締役社長

中野 誠子

看護師 / (元)重症心身障害児者認定看護師

精神科病棟勤務・看護学校教員として経験を積み、「こころに寄り添う看護」を志す。石森・濱𦚰とともに株式会社Make Careを創業。現在は訪問看護ステーションくるみの代表として現場に立ちつつ、メディアにも積極的に登場し、地域精神医療の啓蒙とアップデートに挑む。

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