衝撃的な場面や出来事に出会い、その際に大きなストレス反応を感じると、フラッシュバックが起こったり、悪夢をみたりすることがあります。そのような状態が続くと、社会生活への影響が出てしまうこともあるでしょう。
この記事では、PTSDの症状と、治し方について、PTSD治療の前に自分でできることについてご紹介します。
PTSDとは
PTSDとは、「心的外傷後ストレス」のことで、生死に関わるような強い衝撃を受けた経験や体験が自分の意思と関係なく突然思い出されたり、悪夢に出てきたりすることが続く状態です。
外傷的な出来事に遭遇した場合、多くの人は否定的な感情や思考を抱えます。多くは時間の経過とともに症状が改善していきますが、症状がなかなか消えず、日常生活に支障をきたす場合、PTSDを発症している可能性があります。
参照:こころの情報サイト「PTSD」
参照:厚生労働省「eヘルスネット|PTSD」
PTSDの症状
PTSDでよくみられる症状は以下のとおりです。
・突然つらい記憶が思い出される
・つらい出来事を再び体験しているような感覚に陥る
・つらい記憶の一部が思い出せない
・つらい出来事について話したり考えたりしたくない
・つらい出来事に関連する記憶や感情、人、物、場所を避ける
・以前は楽しんでいた活動に参加しない、もしくは興味がない
・感覚が麻痺する
・以前なら集中できていた作業ができなくなる
このような症状が続く場合は、受診をおすすめします。
参照:こころの情報サイト「PTSD」
参照:厚生労働省「eヘルスネット|PTSD」
PTSDの治し方はどのようなものがある?
PTSDの治し方はどのような方法があるのでしょうか。代表的な治療法は心理療法と薬物療法です。
心理療法
PTSDの治療で最も有効とされているのが、認知行動療法です。下記の3つの種類が認知行動療法には挙げられます。
・持続エクスポージャー療法(PE)
・認知処理療法(CPT)
・眼球運動脱感作療法(EMDR)
認知行動療法は専門的な治療ですので、方法によってはすべての医療機関で対応していない可能性があります。しかし、信頼関係のある医療者に話をよく聞いてもらうだけでも症状が改善する可能性があるでしょう。
PTSDはトラウマというデリケートな問題を取り扱うため、治療法よりも医療者との信頼関係や相性に左右される部分もあります。そのため、まずは自分が信頼でき、安心して話を聞いてくれる医師や心理士などの医療者を見つけることが大切です。
薬物療法
心理療法と並行して、もしくは心理療法だけで効果がみられない場合などは、薬物療法も行います。
PTSDには抗うつ薬の使用が有効と言われています。
PTSDはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)等の抗うつ薬の使用も有効です。うつ病や不安症などを併発している場合、薬剤を使用すると症状が軽減することがありますが、薬でPTSD自体を治療しているわけではありません。また、抗うつ薬は長期的な治療には効果がないため、注意が必要です。
参照:こころの情報サイト「PTSD」
参照:日本女性心身医学会「心的外傷後ストレス PTSD」
参照:MSDマニュアル「PTSD」
参照:北海道HP「保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課 精神保健医療係|PTSDについて」
PTSD治療の前に自分でできること
PTSDの治療を受ける前に、できるだけ自分でできることがあればしたいと考える人もいるでしょう。
まずは以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。
・しっかりと休息をとる
・気分転換できる方法をみつける
・リラックスできる方法を試す
PTSDを治すには早期治療が大切
PTSDを治すには、できるだけはやく治療を始めることがとても大切です。早期に治療が始められると早く症状が改善する可能性があります。
PTSDは、犯罪や地震などの天災、虐待などさまざまな原因があり、精神保健福祉センターや心療内科、精神科などPTSDの知識がある専門医やカウンセラーのいる施設で相談することができます。
大人の場合は、専門医のいる精神科の受診がいいでしょう。子どもの場合、精神科を受診することに抵抗があるときは、家庭福祉相談所やスクールカウンセラーなどに相談することもできます。まずは子どもが安心して話ができる人に相談し、治療を進められるようにしましょう。
治療のサポートが必要な場合は精神科訪問看護も検討してみて
精神科を受診し、治療が進む中で自宅での治療や薬の管理などサポートが必要なこともあるでしょう。
精神科医が必要と判断した場合、精神科訪問看護が利用できます。看護師が自宅に訪問し治療のサポートをします。家族の相談に乗ることもできるため、自宅での治療やサポートに不安がある方は検討してみてはいかがでしょうか。
「訪問看護ステーションくるみ」は、精神科に特化した訪問看護ステーションです。地域の福祉施設や行政と連携を図り、利用者さまとその家族に寄り添ったサポートを提供いたします。
「自宅での生活が不安」「気軽に相談できる人が欲しい」などとお考えの方は、精神科訪問看護利用を検討してみましょう。
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