統合失調症になると、ぼーっとする様子が見られる場合があります。
集中力の続かない様子や何もしない様子から、日常生活や仕事への影響を心配している方もいるでしょう。
この記事では、統合失調症の人がぼーっとする理由を詳しく解説します。
原因に対する対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
統合失調症の人がぼーっとする理由
統合失調症の人がぼーっとするのは「陰性症状が影響している」「抗精神病薬の副作用が出現している」「正しく服薬できていない」などの理由が挙げられます。
理由について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
陰性症状が影響しているから
統合失調症の特徴的な症状として「陰性症状」があり、陰性症状が強く現れている方はぼーっとする様子が見られます。
以下のような状態が見られる場合、陰性症状が現れているサインです。
・物事への意欲が無い
・集中力が低下している
・感情を表に出さない
・人との付き合いを避ける
陰性症状が現れると、人や物に対する関心が低くなります。
意欲や集中力が続かず、何もしない時間が増えるために、周囲から見て「ぼーっとしている」というイメージを持つ場合もあります。
また、思考がまとまりにくくなり会話や作業のレスポンスが遅くなることも、ぼーっとすると感じる要因の1つです。
参照:厚生労働省/統合失調症|こころの病気について知る
参照:厚生労働省/精神障害(精神疾患)の特性(代表例)
抗精神病薬の副作用が出現しているから
統合失調症の薬の副作用から、ぼーっとするケースもあります。
抗精神病薬には、服用すると強い眠気を伴うものもあり、日中の集中力が低下する場合もあるためです。
また、落ち着きがなくなったり、身体の自由が効かなくなったりする副作用から、ぼーっとすると感じる場合もあります。
服薬しているにも関わらず、いつもと違う様子が見られる場合は、抗精神病薬の副作用も疑いましょう。
薬を正しく服用できていないから
抗精神病薬をうまく服用できず、ぼーっとしてしまうケースもあります。
医師は患者さまの症状に合わせて、薬の種類や量を調節しています。
過剰に摂取したり、服薬を忘れたりしてしまうと、陰性症状や副作用をコントロールできず、ぼーっとしてしまいます。
また、病識がなく、服薬そのものを拒否してしまうために、症状を抑えられなくなる方もいます。
医師の指示を守り、正しく服薬を行うのがポイントです。
統合失調症の人が服薬を自己管理できないケースがあるのはなぜ?
統合失調症の方が服薬を自己管理できなくなる理由は、以下のようなものです。
・服薬のタイミングと生活リズムが合わない
・外出時に持っていくのを忘れてしまう
・抗精神病薬の服用に抵抗がある
・症状が安定したために服薬を中止してしまう
統合失調症の治療は薬物療法が主体であるため、医師に処方された薬を正しく服用するのがポイントです。
治療が長引いたり症状が悪化したりする場合もあるため、服薬管理を徹底しましょう。
統合失調症でぼーっとする場合の対処法
この章では、統合失調症でぼーっとする際の対処法を解説します。
服薬方法を工夫する
服薬管理を工夫し、陰性症状や薬の副作用を抑えるのが効果的です。
たとえば、服薬する時間にアラームを設定する、外出用のバッグに常備するなどの工夫をすると、飲み忘れを予防できます。
自己管理が苦手な場合は、家族が服薬を促すのも手段の1つです。
可能な限り工夫し、日中にぼーっとするのを防ぎましょう。
医師に相談する
陰性症状が目立つ場合や、薬が体に合っていないと感じる場合は、担当医師へ相談しましょう。
統合失調症の薬はいくつか種類があり、中には自分の体質に合わないものもあります。
主治医に相談し、内服する薬の種類や量の調整を検討してもらい、陰性症状や副作用を抑えましょう。自己判断での断薬は精神状態の悪化を招く可能性があるため避けてください。
専門家のサポートを受ける
症状や服薬の管理が苦手な場合、専門家のサポートを受けるのも手段の1つです。
たとえば、薬剤師に服薬方法について相談すると、適切に陰性症状や副作用をコントロールしやすくなります。
より直接的なサポートが必要な場合は、訪問看護を利用するのもよいでしょう。
訪問看護では、看護師が個別に自宅へ訪問し、統合失調症の管理や生活の支援、服薬の管理などを受けられます。
本人や家族だけで対処するのが難しい場合は、訪問看護の利用も検討してみてください。
統合失調症でぼーっとするときは原因を明らかにして対処しよう
統合失調症では、陰性症状や治療薬の副作用が原因でぼーっとする場合があります。
日中に集中力が低下すると日常生活や仕事に支障が出てしまうため、医師や専門家のサポートを受けて予防しましょう。
『訪問看護ステーションくるみ』では、統合失調症の症状や服薬管理をサポートします。
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