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統合失調症の人が暴力をふるう理由とは?適切な対応方法を解説

2025.06.16 精神科訪問看護とは

統合失調症の方の中には、症状から暴力をふるってしまう方もいます。
身内に統合失調症の方がいる場合は、暴れてしまったときや万が一の事態における適切な対応を理解しておきましょう。

この記事では、統合失調症の方が暴力をふるう理由や、万が一の事態における対処法を解説します。


統合失調症の方が暴力をふるう理由とは?

統合失調症の方が暴力をふるう理由を解説します。


統合失調症の症状が強く現れているから

統合失調症の人が暴力を振るう場合は、症状が強く出現している可能性があります。
統合失調症で生じる「妄想」や「幻覚」などの症状は、暴力や攻撃的な言動に結びつくケースもあるためです。

特に、幻覚症状の1つである「幻聴」が聞こえている場合、耳元で悪口を言われ続けていると感じたり、人を傷つけるよう命令されていると錯覚したりするため、暴力的になりやすいです。

また、統合失調症で生じる認知機能の低下から、暴力をふるってしまう場合もあります。
認知機能が低下すると、自分で感情をコントロールするのが難しくなり、怒りっぽくなって暴力をふるう場合もあるのです。

統合失調症の症状が強く出現している時期は暴力をふるう可能性があるのを覚えておき、兆候が見られたら事前に対策しましょう。

参照:MSDマニュアル/統合失調症


ストレスのかかる環境にいるから

統合失調症の方は、ストレスのかかる環境にいるために暴力をふるってしまう場合もあります。
金銭面や人間関係の不安、家庭や職場でのショックな出来事など、環境から受けたストレスが原因で、統合失調症が悪化するケースもあるためです。


服薬がうまく行えていないから

服薬がうまく行えていない場合、暴力を振るう原因となります。
統合失調症の治療薬は、医師の処方通りに服用できないと効果を発揮できず、症状を抑えられなくなるケースがあるためです。

また、服薬に抵抗がある、症状が緩和しているなどの理由から自己判断で服薬を中止し、症状が再発して暴力をふるってしまう方もいます。


統合失調症の人が暴力をふるう場合の対処法

統合失調症の方が暴力をふるいそうな場合や、暴力行動が起こってしまった場合は、適切に対処するのが大切です。
この章では、統合失調症における暴力への対処法を解説します。

薬の服用を促す

統合失調症の症状が悪化し暴力をふるう可能性があると感じた場合、本人に頓服の服用を促すとよいでしょう。
一時的に症状を抑えることで、暴れ出すのを防げる可能性があります。
大声で命令したり、批判したりすると暴れ出す可能性があるため、刺激を与えないようやわらかい口調で服薬を促しましょう。

ただし本格的に暴れ始めてしまった場合、無理に薬を飲ませようとするのは危険です。
その場合は、なるべく早めに自分と周囲の人の安全を確保するよう動きましょう。

本人から距離をとる

暴力をふるい始めた場合は、早めに本人から距離をとりましょう。

身内の方が暴れている場合、何とかしようと暴力に耐えたり、落ち着かせようと反撃したりする方もいますが、大ケガを負ってしまう可能性もあります。

自分たちがほかの部屋に移動して本人を隔離するか、危害を加えられない距離まで逃げましょう。

専門家に助けを求める

家族や周囲の方だけでは手に負えないと判断した場合、専門家に助けを求めるのも手段の1つです。

訪問看護やケアマネージャーなど本人の症状を理解している方に電話し、状況を伝えてアドバイスを受けましょう。

特に、訪問看護ステーションでは、24時間体制で電話を受け付けるサービスを提供している場合があります。
夜遅い時間に暴れ出し、警察に連絡するか悩んだ場合は、担当の訪問看護師へ連絡してみるのもよいでしょう。

統合失調症症の人が暴れるときは警察へ連絡するケースもある

統合失調症の方の暴力がなかなか落ち着かない場合は、警察へ連絡する必要があるケースもあります。

警察には精神疾患が原因で暴れている方と、その周囲の方を保護する職務があり、必要に応じて入院措置などの手続きも行える場合があります。

周囲の人だけでは対応するのが難しいと判断した場合や、他人に危害が加わりそうな場合は、警察に連絡しましょう。

関連記事:統合失調症で警察への通報が必要なケースとは?緊急時の相談先も紹介

統合失調症で暴力行為が見られたら専門家や警察を頼ろう

統合失調症の方が暴力をふるう場合、一般人では対応が難しいケースがあります。
その場にいる方だけで対応するのが難しい場合は、専門家や警察に相談して対応してもらいましょう。

『訪問看護ステーションくるみ』では、統合失調症の方が暴れたり症状が悪化したりしないように、症状が悪化する徴候の早期発見や、日常生活を送る上でのサポートをします。

お困りの方は『こちら』から、気軽にご相談ください。