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【CEOコラム】Vol.37 自己破産と生活保護を経て〜挑戦と休息のバランスが教えてくれた「自分を大切にする」ということ〜

2025.08.20 HEROさんシリーズくるみの社長エッセイ

こんにちは。株式会社Make Careの代表取締役CEOであり、訪問看護ステーションくるみでマーケティングを担当している石森寛隆です。XではHEROと名乗っていますので、もしよろしければフォローください。

先日、誠子さんが社長エッセイで 「自分を大切にするということ」 を綴っていました(こちら)。
また、ハムさんも同じテーマでエッセイを書いています(こちら)。

二人の文章を読んで、僕自身も自然と自分に問いかけていました。
「自己破産や生活保護を経験した自分にとって、“自分を大切にする”って何だろう?」

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

自己破産という挫折と、そこからの挑戦

僕は20代で会社を立ち上げましたが、経営に失敗して倒産。
最終的には自己破産という大きな挫折を経験しました。

正直、そのときは「僕の人生はもう終わった」くらいに思いました。

でも、心の奥底で「まだ挑戦は終わっていない」という声が残ってた。

ただその声はかすかで、自分を支えるには弱すぎた。。。

自己破産で一番つらかったこと

自己破産で一番つらかったのは、借金や倒産そのものよりも、「自分が自分を認められなくなる」感覚でした。

挑戦する前の僕は「自分ならできる」と信じて疑わなかった。
でも結果として失敗し、すべてを失ったとき、残ったのは「自分は思っていたほど強くなかった」という現実でした。
その事実を直視するのが、何より怖かったんです。

他人にどう思われるかよりも、自分の中で「これが自分の限界なんじゃないか」と感じてしまうこと。
それが、自己破産の本当の苦しみだったのだと思います。

生活保護という「休む」選択

そんな中で僕が選んだのが「生活保護」でした。
正直、最初は強い抵抗がありました。
「自分の責任は自分で取るべきだ」とずっと思っていたし、生活保護に頼ることは“自分を完全に否定すること”のように感じたからです。

でも、そのとき妻が「今は休むことが必要なんだよ」と背中を押してくれました。
その言葉に支えられて、僕はようやく「休む」という選択を受け入れることができたんです。

生活保護に身を委ねた時間は、社会的には“後退”のように見えるかもしれません。
けれど僕にとっては、自分を追い詰めるのをやめ、少しずつ自分を認め直すための余白になりました。
「生きるための最低限が保証されている」という安心感の中で、少しずつ「もう一度やってみよう」という気持ちが芽生えていったんです。

上場企業勤務でのリスタート

そして次のステップとして選んだのが、東証一部上場企業での勤務でした。
社長室という現場で、経営を一から学び直す日々。
自己破産という挫折で失った「自分を信じる力」を、ここで少しずつ取り戻していきました。

日々の業務は大変でしたが、経営の現場で再び学ぶことで、「もう一度挑戦できる」という確信が積み上がっていったのです。

訪問看護との出会い、そして仲間に声をかける力

やがて訪問看護という新しいフィールドに出会いました。
医療や介護の領域で「地域に根ざして人を支える」という仕事に触れ、これこそ自分がやるべき道かもしれないと感じたんです。

そして、誠子さんやハムさんに「一緒にやろう」と声をかけたのは僕自身でした。
もし生活保護で休む時間がなかったら、訪問看護に出会うこと自体はあったかもしれない。
でも「仲間に声をかける力」までは、きっと取り戻せなかったと思います。

休息が未来の挑戦を生む

休息は、単なる怠けではありません。
温泉で心を整えることも、映画を観て泣くことも、本を読んで感情を揺さぶられることも、すべて「休む」ことの一部です。

僕の場合は「生活保護」という制度に支えられながら休む時間を持ちました。
そしてその休息があったからこそ、再び挑戦できたのです。

春風木漏れ日 さくら舞い散る道
いくつもの出会いと別れ 握りしめて歩こう
未だ夢は消えず でも掴んでもいない
一度は枯れた花でも また芽を出せるはず

ウカスカジーの「春の歌」の歌詞が、まさにその感覚を代弁しています。
一度は枯れても、また芽を出せる。
それを信じて歩み続けることが、僕にとっての「自分を大切にする」ということなんです。

おわりに──自己破産や生活保護の経験から伝えたいこと

「自己破産」も「生活保護」も、多くの人にとっては避けたい言葉かもしれません。
でも実際に経験した僕から言えるのは、それは“終わり”ではなく、“休息と再挑戦のきっかけ”だということです。

挑戦は未来をつくり、休息は未来を支えます。
その両方のバランスをとることこそが、自分を大切にするということなんだと思います。

そして、妻や仲間という存在が支えてくれるからこそ、僕はこれからも挑戦し、必要なときには休むことができます。
もし、いま自己破産や生活保護に不安を感じている方がいるなら、この言葉を届けたいです。

「大丈夫。立ち止まっても、また歩き出せます。枯れた花は、必ず芽を出せるはずです。」

この記事を書いた人

石森寛隆

株式会社 Make Care 代表取締役 CEO

石森 寛隆

Web プロデューサー / Web ディレクター / 起業家

ソフト・オン・デマンドでWeb事業責任者を務めた後、Web制作・アプリ開発会社を起業し10年経営。廃業・自己破産・生活保護を経験し、ザッパラス社長室で事業推進に携わる。その後、中野・濱𦚰とともに精神科訪問看護の事業に参画。2025年7月より株式会社Make CareのCEOとして訪問看護×テクノロジー×マーケティングの挑戦を続けている。

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