こんにちは。株式会社Make CareのCEOであり、訪問看護ステーションくるみでマーケティングを担当している石森寛隆です。
XではHEROと名乗っていますので、もしよろしければフォローください。
このコラムでは、前回公開した『ベーシック・ライフライン構想』の続編として、「じゃあ、それをどう支えるのか?」という話──つまり、税と社会保障の仕組みをどう再設計するか、について僕なりの考えを書いてみたいと思います。
あらためて、ベーシック・ライフラインという構想は、「生きるために必要なインフラ──住まい、水道光熱、通信、最低限の食料──を、現金支給に頼らず、現物または自治体経由の契約支給で保障する」という提案です。誰かに“生活を委ねる”のではなく、“生活が保障されたうえで、その人が再び動き出せるようにする”という仕組み。
これは僕自身の体験──自己破産し、生活保護を受けながら、そこから再起して、今の仕事に至るまでの実感がベースになっています。制度があったから助かった。でも、それを“制度としてどう持続させていくか”は、ずっと課題意識としてありました。
僕は、ベーシック・ライフラインを本気で実現するなら、今の「社会保険料と税がバラバラになってる仕組み」をやめて、負担も給付もすべて一体化させるべきだと思っています。そして、スマート課税──つまり、マイナンバーとキャッシュレスを活用して、所得や資産、支出に応じた負担を“自動で”設定・還付するような仕組みに変える必要があると思ってる。
簡単に言えば、「払える人が、ちゃんと負担して」「困ってる人には、必要な形で届く」そんな当たり前を、ちゃんと制度でやるということです。
夢物語のような、創造と破壊が伴う大改革だけど、今と未来を見据えるならば、きっと、マイナスよりもプラスの方が大きいと確信しています。
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
いまの制度は、誰にとってもわかりにくく、不公平だ
まず前提として、いまの税と社会保険料の仕組みは、本当に“歪んでる”と感じている。
たとえば、サラリーマンは社会保険料を毎月の給与から天引きされていて、会社と折半ですが、可処分所得に対してかなりの割合が引かれる。一方、自営業者やフリーランスには国民健康保険や国民年金の負担がのしかかる。しかも収入に関係なく定額の部分も多くて、年収200万〜300万の人にとっては正直しんどい。
さらに、所得税は累進課税で「稼げば稼ぐほど税率が上がる」建付けになってるけど、実際には、富裕層の多くは金融所得(株や不動産の売却益など)で稼いでいて、それは一律約20%の分離課税。給与所得者よりも税率が低くなるケースだってある。
加えて、消費税は一律10%。逆進性のある税制度の代表。生活必需品にかかる消費税は、年収200万円の人にとっては大打撃だけど、年収2,000万円の人にとっては誤差でしかない。
つまり、全体で見れば「ちゃんと稼いでる人が多く負担している」というよりも、「取りやすい人から取って、取りにくい人は優遇されてる」ような構図になってる。しかも、その“複雑さ”がブラックボックスになっていて、納得感がない。僕はこれをもっとフラットに、もっと透明に、もっと合理的にしたい、と言うのが発想の原点なのだ。
スマート課税構想──逆進性を超えて、公平を設計する
「逆進性があるから、消費税はダメ」──これは一理ある。でも、僕は「逆進性があるからこそ、制度として公平に設計し直すべき」と思っている。
そもそも、消費税の逆進性って「誰が何を買っても同じ税率」だから起きる。だったら、その“税率”や“還付”を、人によって調整できればいい。
これを可能にするのが、スマート課税。
マイナンバーとキャッシュレス決済を前提にすれば、個人ごとの年収、資産、支出履歴に応じて、
消費税の還付を自動で適用したり、
高所得者には一定の追加課税を加えたり、
年収の低い世帯には軽減措置を設けたり、
といった“個別最適化”ができるようになる。
たとえば、年収200万円の人が日用品を買ったときの10%の消費税は、あとから全部還付。
年収2,000万円の人は還付なし、もしくは支出額に応じて累積課税が発生する。
結果として、「一律の消費税」なのに、「実効税率は人によって違う」状態をつくれる。
だから僕は、「高福祉・高負担」の社会を目指すとき、税源は消費税に“寄せて”いいと思ってる。
ただし、そのまま一律でやるんじゃなくて、「スマート課税」で逆進性を制御できるようにするのが前提。これなら、再分配を前提とした社会設計において、財源としての“筋が通る”と思う。
完全キャッシュレス化を実現することで、消費税の複雑なやり取りをシステムによって一元管理でき、納付側も受け取る側も事務コストも大幅に削減出来る。
税と社会保障を、一体で設計しなおす
税と社会保障がバラバラに運営されていることが、制度のわかりにくさ、不公平さ、不効率さの最大の原因だと僕は思う。
「税」は国税と地方税、「社会保険」は厚生年金、健康保険、介護保険、雇用保険…と、ぜんぶ別々に徴収され、ルールも違う、窓口も違う、払ってる人は“なんのためにいくら払ってるのか”が見えにくい。そのくせ、取り立ては厳しいし、支援は届きにくい。
だったら、ぜんぶ一体化して、税方式に統合してしまえばいい。
僕は、「最低限の社会保障」は、もはや社会保険料ではなく、税でまかなうべきだと思っている。
保険料方式には「払った人が受け取れる」「世代内の自助共助」っていう建前があるけど、今の日本の人口構成や非正規雇用の広がり、少子化を考えれば、それはもう成立しない。
だったら、ベーシックな部分は税方式で、上乗せや積立は任意、自己責任でやってもらう。これが一番シンプルで、納得感も得やすい設計だと考える。
そうすれば、社会保険料という“見えにくい負担”が消えて、負担の総額と中身が明確になるし、キャッシュレス・マイナンバーと組み合わせることで、自動的に「いくら払って」「どれくらいの保障があるか」が可視化されるようになる。
税と社会保障を分けて考える時代は、もう終わりにしよう。これからは、“入り口(税)”と“出口(給付)”をセットで設計する時代に変える。その設計図を、僕らで描いていこうと思っている。
ベーシック・ライフラインとの整合性──“再分配の出口”としての設計
ここまで書いてきた「スマート課税」と「税と社会保障の一体設計」は、言ってみれば“財源側”の話。
じゃあ、そのお金で何をするのか──それが、前回のコラムで提案した「ベーシック・ライフライン構想」。
この構想の肝は、「生きていくために必要なインフラは、現金じゃなくてサービスそのもので保障する」ってこと。家賃、水道光熱、通信費、交通──これらを自治体が一括契約して、現物や電子クーポンで支給する。医療も介護も、最低限の部分は無料で受けられる。そのうえで、自由に使えるお金だけを、制限付きのキャッシュレスで支給する。
この仕組みは、単に「困ってる人を助ける」ものじゃない。これは“国民全員のための社会インフラ”であって、生活の最低ラインを「現物」で担保するっていう、国家としての約束なんだ。
で、この仕組みがちゃんと機能するためには、“誰にどれだけ届けるか”が正確に測れる必要があるし、“それをどう支えるか”という財源構造も透明でなきゃいけない。その前提になるのが、マイナンバーとスマート課税。
マイナンバーで個人情報を一元化し、電子決済の履歴で支出傾向を把握し、必要に応じた支援を自動で届ける。こうすれば、「困ってる人を探して、個別に審査して、申請してもらって…」という従来型の社会保障の“コスト”を、全部スキップできる。支援が早く、正確に、効率よく届く。
だから僕は、ベーシック・ライフライン構想は、スマート課税・税と社会保障の一体改革と“セット”で語られなきゃいけないと思っている。
「どうやって集めるか」だけじゃなく、「どうやって使うか」までを設計して、やっと一つの国家戦略になる。これは、“お金の流れをつくりかえる”っていう話だと思う。
安心を前提に、再起できる社会をつくろう
僕は、税金っていうのは「再起のチケット」だと思っている。
誰でも、人生でつまずくことはある。僕もそうだった。自己破産もしたし、生活保護も受けた。どん底まで落ちた時、「社会の仕組みが自分を見捨てなかった」っていう感覚が、次に進むための力になった。
だから僕は、仕組みを変えたい。単に“支援する”んじゃなくて、「何度でもやり直せる社会」をちゃんとつくる。それが、これからの日本に一番必要なことだと思ってる。
ベーシック・ライフラインは、単なる社会保障の話じゃない。
これは、「この国で生きていていい」と、誰もが思える社会の“骨格”。
ちゃんと集めて、ちゃんと使う。
そして、それを透明に設計し直す。
僕たちの世代が、それをやらなきゃいけないと思っている。
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