アルコール依存症に悩む方は国内に数多くいます。
中には、本人の暴言や暴力などに悩まされている家族もいるかもしれません。
アルコール依存症の方や家族に対する支援の1つに「家族会」があります。
家族会に参加すると、同じような悩みを抱えている家族と交流を持ったり、アルコール依存症について学んだりすることが可能です。
この記事では、アルコール依存症の家族会の内容や開催場所について解説します。
アルコール依存症の家族会とは?
アルコール依存症の家族会とは、本人とその家族が、病気に対しての悩みや問題を解決することを目的として開催される会を指します。
家族会では、同じくアルコール依存症に悩んでいるほかの家族と交流を持ったり、医療従事者からアドバイスを受けたりできます。
アルコール依存症は、克服するまでに長い時間が必要になるケースもあり、その間苦しい思いをする方も少なくありません。
また、アルコール依存症への理解を深めることにも役立つでしょう。
参照:厚生労働省 e-ヘルスネット/家族会
アルコール依存症の家族会で受けられる支援
この章では、アルコール依存症の家族会に参加することで得られるメリットや具体的な支援内容について解説します。
悩みやつらさを打ち明けられる
家族会には多くの人が参加し、アルコール依存症における悩みや苦しさを話し合います。
両親や友達には話せないつらさ・苦しさも、同じような境遇を持っている人や専門家であれば、打ち明けやすいでしょう。
悩みや不安を自分一人で抱え込み続けると、精神的負担が大きくなってしまうため、相談先をつくっておくと気が楽になるかもしれません。
アルコール依存症について学べる
家族会では、アルコール依存症についての講義が開かれる場合もあります。
アルコール依存症の症状や治療方法、本人への接し方など、知識のない方でもわかりやすいように解説してもらえるでしょう。
専門家から話を聞くことで、アルコール依存症の自覚がない方も治療を始めるきっかけになる可能性もあります。
可能であれば、本人を連れて家族で参加してみるのも選択肢の1つです。
同じ悩みを持つ家族と交流できる
家族会では、アルコール依存症に悩むさまざまな方と交流を持つことが可能です。
ほかの家族と交流すると、悩んでいるのは自分たちだけではないという「安心感」を得られるでしょう。
同じ境遇の方のほうが、共感しやすくなるはずです。
体験談を聞ける
体験談を聞くことは、アルコール依存症を乗り越える方法や苦しさを乗り越えるためのヒントになります。
アルコール依存症を克服した話や改善するための具体的な取り組みを聞くことで、今抱えている悩みや問題を解決できるかもしれません。
実践できそうな方法から、ぜひ自分たちの生活に取り入れてみましょう。
アルコール依存症の家族会が開催される場所
アルコール依存症の家族会は、さまざまな機関や団体が開催しています。
この章では、家族会に参加できる場所を紹介します。
自助グループ
自助グループでの家族会は、アルコール依存症に悩む家族や、過去に依存症を経験した方が主体となり開催している会です。
医療機関や専門家は関与せず、当事者やその家族が自主的に集まり情報交換や交流を図っている点が特徴です。
当事者同士の経験や悩みを共有することが目的の方は、自助グループへの参加を検討してみましょう。
保健所や精神保健福祉センター
保健所や精神保健福祉センターでも、アルコール依存症の家族会を開催しています。
これらの機関には、保健師や精神保健福祉士が在籍しており、専門的なアドバイスやサポートを受けることが可能です。
定期的に開催されるため、まずは住んでいる地域の保健所や精神保健福祉センターに日時や場所を問い合わせてみましょう。
医療機関
アルコール依存症の専門病院や精神科などでも、家族会を開催している場合があります。
医学的な知識に基づいたアドバイスが受けられたり、医療従事者に相談できたりするのがメリットです。
ほかの家族と交流するだけでなく、医学的な根拠に基づいた知識や治療方法を学びたい方は、医療機関が主催する家族会に参加してみましょう。
限界を迎える前に家族会に参加してアルコール依存症を乗り越えよう
アルコール依存症の家族会は、病気に対する理解を深め、悩みやつらさを和らげる場として利用できます。
同じ境遇の方と悩みを共有し、問題解決のためのヒントを得ることで、アルコール依存症を乗り越えるきっかけにもなるでしょう。
家族会よりも個別性の高いケアが必要な場合、訪問看護の利用も手段の1つです。
各家庭の状況に対し、看護師から的確なアドバイスを受けられるため、アルコール依存症の改善に大きな効果が期待できます。
訪問看護の利用を検討している方は、お気軽に『訪問看護ステーションくるみ』へご相談ください。