ADHD、アスペルガー症候群など、発達障害にはさまざまな種類があります。
言葉は知っているものの、それぞれの特徴や違いを詳しく理解している方は少ないかもしれません。
この記事では、ADHDやアスペルガー症候群、自閉症など、発達障害の違いと特徴を解説します。
大人の発達障害の特徴やそれぞれの診断テストも紹介しますので、ぜひご覧ください。
自閉症と発達障害の違いとは?
自閉症は、社会性やコミュニケーション能力に問題が生じる、発達障害の一種です。
自閉症の方は「こだわりの強さ」や「人の気持ちを理解する能力の低さ」などの症状により、良好な人間関係を構築するのに苦労するケースがあります。
過去には「アスペルガー症候群」などの別名でも呼ばれていましたが、現在では自閉スペクトラム症(ASD)とまとめて表現されるようになりました。
自閉症以外の代表的な発達障害にはADHD(注意欠如・多動症)があります。
発達障害があると、社会に出てから「生きづらさ」を感じる場合があるため、必要に応じて支援やケアを受けることが大切です。
ADHDとアスペルガー症候群の違い
ADHDとASD(自閉症・アスペルガー症候群)では、同じ発達障害でも症状が全く異なります。
以下の表で、ADHDとASDの違いを見ていきましょう。
ADHD(注意欠如・多動症)の症状 | ASD(自閉症・アスペルガー症候群) |
・忘れ物が多い
・失くし物が多い ・順番待ちが苦手 ・注意力が持続しない ・つい喋り続けてしまう ・いつも体を動かしている ・思いつきで行動してしまう ・静かに座っているのが苦手 ・1つの作業を続けられない など |
・決断力が低い
・興味の幅が狭い ・こだわりや執着が強い ・予定が狂うと不安になる ・人の気持ちが理解できない ・相手の目を見て話すのが苦手 ・物事の全体を捉えるのが苦手 ・計画的に物事を進めるのが苦手 ・一度に複数の作業をするのが苦手 など |
ADHDの場合、学校生活や仕事などで、不注意やミスをしやすくなります。
ほかにも、後先を考えない行動で周囲を巻き込み、人間関係を壊してしまうケースもあるでしょう。
ASDの場合、こだわりの強さや、臨機応変に対応する力の弱さが社会性に影響するケースが考えられます。
さらに、言葉の意図を理解できなかったり相手を傷つける言葉を使ってしまったりといった、コミュニケーション能力の低さも特徴の1つです。
大人のADHD・アスペルガー症候群診断テスト
この章では、大人のADHDやASDの診断テストを紹介します。
社会に出てから症状に気づき、悩むあまり精神疾患になってしまう方もいます。
自分が発達障害か気になる方は、早めに対処するためにも、自己診断を実施してみましょう。
それぞれのテストで複数の項目に当てはまる場合は、医師や専門家に相談してみてください。
ADHDの診断テスト
大人のADHDの診断項目は以下です。
・仕事や約束への遅刻が多い
・会社に頻繁に忘れ物をする
・同じミスを何度も繰り返してしまう
・時間内に仕事が終わらない場合が多い
・相手の話を遮り注意されることがある
上記に当てはまり、仕事や交友関係で悩んだことがある方は、ADHD気質を持っている可能性があります。
不注意やミスが続くと、同僚や先輩、友人などから信用を失ってしまうケースもあるでしょう。
アスペルガー症候群の診断テスト
大人のASDの診断項目は以下です。
・予定外の仕事に対応できない
・自由度の高い仕事が苦手である
・悪気はないのに相手を傷つけてしまう
・集中しすぎて時間を忘れることがある
・コミュニケーションが苦手で友人ができない
仕事で効率の悪さを指摘されたり周囲の人とうまくコミュニケーションが取れなかったりする方は、ASDの検査を受けることも検討しましょう。
ADHDやアスペルガー症候群の相談先
ADHDやASDは、精神科や心療内科などの医療機関で検査できます。
医師から診断が下れば、国や自治体から支援を受けられるようになるため、悩んでいる場合はまず医療機関に相談しましょう。
また、全国に設置されている「発達障害者支援センター」へ相談することで、生活に対するさまざまなアドバイスを受けられます。
さらに個別性の高いケアやアドバイスが必要な方は、精神科訪問看護を利用することも手段の1つです。
コミュニケーションに自信がない方や自宅でケアを受けたい方は、訪問看護の利用も検討しましょう。
ADHD・アスペルガー症候群の違いを理解し自分の特性を見極めよう
ADHDとアスペルガー症候群・自閉症では、同じ発達障害でも、症状や社会における困難の種類が異なります。
自分が発達障害かもしれないと感じた場合は早めに診断を受け、医師・専門家からケアやアドバイスを受けることが大切です。
『訪問看護ステーションくるみ』では、発達障害に対する専門的なケアを提供しています。
コミュニケーションが苦手な方や、自宅など落ち着いた環境でケアや支援を受けたい方は、ぜひこちらからご相談ください。