自閉症の方との関わり方がうまくつかめず、悩んでいる看護師さんもいるかもしれません。
中には、自閉症への理解を深め、適切な看護につなげたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、自閉症の特性に応じた看護について解説します。
患者さまとの接し方だけでなく、家族の方との連携やサポートについても触れているため、ぜひ参考にしてください。
自閉症の方を看護する前に知っておきたいこと
自閉症の方に適切な看護を提供するには、それぞれの特性を理解することが大切です。
自閉症は発達障害の1つです。
生まれつき持っている脳の特性が原因と考えられています。
自閉症の方の行動や言動は、社会生活を送る上で支障をきたす可能性があります。
具体的には、以下3つの特性が見られます。
・人とうまくコミュニケーションが取れない
・興味や関心が偏り、ほかのことが見えなくなる
・五感に対する感じ方が敏感もしくは鈍感である
自閉症の特性を理解すれば、個別性の高い看護ケアを検討できるでしょう。
【特性別】自閉症の方に向けた看護や関わり方
自閉症の特性がわかったところで、それぞれの特性に応じた対応や看護ケアをご紹介します。
状況に応じた関わり方がわかれば、各患者さまの悩みや問題に応じた、適切なケアや解決法の提案が可能となるでしょう。
関連記事:発達障害のある利用者さんへの看護とは?関わり方やポイントを解説!
コミュニケーションが難しい場合
まずは、コミュニケーションが難しい場合です。
自閉症の方は、その場の空気を理解するのが苦手です。
意図せず不適切な発言をし、相手を怒らせたり困らせたりしてしまうおそれがあります。
また、自分の思っている内容をうまく伝えられず、誤解されてしまう場合もあるでしょう。中には急な変化に対応できず、仕事などでミスが続いてしまう場面も。
そのような方には、他人とのコミュニケーションの方法や問題に合わせた解決方法を提案する必要があります。
苦手な部分をカバーし、どのように伝えれば気持ちを理解してもらえるのかなど、伝え方を練習してみるのも有効です。
コミュニケーションを取る上で苦手な分野は何かを一緒に考え、アドバイスしましょう。
こだわりが強い場合
次は、こだわりが強い場合です。
こだわりの強さは、プラスとマイナスの両面が考えられます。
プラス面は、興味があるものは徹底的に調べ、その知識が非常に豊富な点です。
看護の際はこだわりの対象への共感や理解を示し、信頼関係を築くとよいでしょう。
対してマイナス面は、こだわりの強さが生活に影響を与えることです。
関心ごとに集中するあまり、ほかのことに目が向かなくなるおそれがあります。
たとえば食生活にこだわりがあると、食事のバランスが取れなくなり十分な栄養を摂取できなくなる場合も。
ほかにも、1つのことに集中するあまり、規則正しい生活が送れなくなるおそれもあります。
興味の対象がほかに向くよう、サポートしましょう。
参照:厚生労働省/発達障害の理解
感覚が過敏もしくは鈍感な場合
最後は、感覚についてです。
過敏な感覚としては「大きな音が苦手である」「洋服のタグなど肌に触れるものが非常に気になる」といった症状が挙げられます。
音が気になるようであれば、耳栓の使用をすすめるとよいかもしれません。
一方で感覚に対して鈍い反応を持つ方もいます。
「痛みに気づきにくい」「温度変化が気にならない」などがあり、怪我をしても気づかず悪化してしまうケースもあるでしょう。
過敏に対しては辛さを回避する方法を、感覚の鈍さに関しては危険を遠ざける環境作りを提案することが大切です。
自閉症の看護には家族との連携やサポートも重要
自閉症の看護は、家族との関わり方も重要な要素です。
自閉症の方の中には、人とうまくコミュニケーションが上手く取れず、学校や会社に行けなくなってしまった方もいるでしょう。
周囲とのトラブルが続き悩みや不安を抱えるあまり、家から出られなくなってしまった方がいるかもしれません。
一緒に暮らしている家族は、その状態を間近で見ている存在です。
「対応法がわからず不安」「サポートの方法を知りたい」と思っている方は、支援センターの利用も効果的です。
家族へのケアや支援は、間接的に患者さまへよい影響を与える可能性があります。
自閉症の方への看護において、必要不可欠といえるでしょう。
関連記事:家族看護は看護師に重要なスキル!訪問看護師に必要な家族看護の考え方
自閉症の看護に悩むときは先輩看護師に相談しよう
自閉症の方にはいくつかの特性があり、患者さまに合わせた関わりや看護が必要です。
患者さまとの関わり方で悩んだときは、精神疾患の看護経験が豊富な先輩看護師を頼ることも大切です。
精神科に特化した訪問看護ステーションは、自閉症の方をはじめ、多様な精神疾患のケアに携わっています。
精神分野での看護に携わりたいとお考えの方は、ぜひ『訪問看護ステーションくるみ』で一緒に働きましょう!
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