こんにちは。株式会社Make CareのCEOであり、訪問看護ステーションくるみでマーケティングを担当している石森寛隆です。
XではHEROと名乗っていますので、もしよろしければフォローください。
さて、今朝方、こんなツイートを見かけた。
神経難病の患者さん。
ひと月の訪問看護で80万円超。
難病の医療費助成あり自己負担は1万円だが、こんなにサービスは受けていない、これはおかしいとホスピスホームを退去。指示書でオーダーしたリハビリは行われず、代わりに不穏時の投薬をリクエストされる。
こんな「訪問看護」あっていいのか。 pic.twitter.com/oq3HlwidOW— 佐々木 淳 @医療法人社団悠翔会 理事長・診療部長 (@junsasakimdt) May 6, 2025
公費を使った医療・介護の経営において、今だけの儲けに走るやり方は予算を枯らす。“焼き畑”のようなモデルは、いずれ報酬改定で絞られる。
今だけ取れればいい、稼げるうちに稼ぐ、という発想で公費を使えば、いずれ制度自体が破綻する。
SDGsという言葉は正直あまり好きじゃない。
でも、“持続可能性”や“事業継続性”は、公費に依存するビジネスモデルだからこそ最も重要な倫理観だと、僕は思っている。
そんな思いから、今日は「焼き畑ビジネスではなく、次の世代に耕された土を残す責任」というテーマで、自分の考えを書き留めておこうと思う。
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
SDGsという言葉への違和感
「SDGsって、なんか好きになれないんだよね」
そんな話をすると、「意識低い経営者」と思われることがある。でも本当にそうだろうか?
僕は、あのカラフルなアイコンと標語が並ぶSDGsという言葉に、ずっと微かな違和感を持ってきた。
理由はいくつかある。
それが“目的”ではなく“免罪符”として使われている光景を何度も見たからだ。
バズワード化し、プレゼン資料に組み込まれ、名刺に印字され、いわば“着ぐるみ”として利用されている。
それが本当に「持続可能性」を高めているのか、見えないことが多すぎる。
でも――だからと言って、持続可能性そのものを否定しているわけでは決してない。
むしろ、僕はずっと、誰よりもその価値を信じている。
事業とは「続けること」に意味があり、思想とは「引き継がれること」に価値がある。
そして何より、“志”とは継続されて初めて社会に根を下ろす。
事業継続性は理念ではなく、実務だ
訪問看護という世界に身を置く僕にとって、「事業継続性(Continuity)」は理念ではなく実務だ。
制度改正、スタッフの入れ替わり、地域資源の変化――そのどれもが、継続の妨げになり得る。
でも、だからこそ「続けられる仕組みをつくる」という意識が、経営のど真ん中にある。
売上を上げることよりも、まず現場が壊れないこと。
制度に乗ることよりも、スタッフが疲弊しないこと。
理念を語るよりも、関係性を保ち続けられること。
それらがすべて、“耕された土”であり、持続可能性の根っこなのだと思う。
焼き畑ビジネスという誘惑
今の時代、“焼き畑ビジネス”は簡単に成立する。
流行に乗り、補助金を取って、シェアを奪って、短期間でスケールして、イグジットする。
資本の論理でいえば、それも正しい選択肢のひとつかもしれない。
でもその過程で、多くの“土”が失われていることに気づいている人は、どれだけいるだろう?
スタッフは疲弊し、文化は根付かず、地域の信頼は失われ、そして「また新しい何か」に置き換えられる。
事業は終わっても、責任は終わらない。
僕は、それをやりたくない。
耕された土を残すという責任
焼き畑ではなく、土を耕したい。
たとえすぐに収穫が得られなくても、次の誰かが種をまける場所を残したい。
その想いこそが、僕が経営を通じて果たしたい責任の核心にある。
そしてそれは、「SDGs」とラベルを貼らなくても、十分に“持続可能”な営みだと、僕は思っている。
“評価されたいからやる”のではなく、“続けたいからやる”
企業や団体が、こぞってSDGsに取り組むようになった。
それは一見、良いことのようにも思えるし、実際に効果を生んでいる場面もあるだろう。
だけど、僕はこう思う。
「続けたいから、やっている」ことと、
「評価されたいから、やっている」ことは、似て非なるものだ。
僕は、後者にはあまり興味がない。
派手な施策や斬新な取り組みをするつもりもない。
むしろ、地味でも、泥臭くても、「続けられる」ことをひとつひとつ積み上げたい。
未来に残すのは、成果ではなく、土
僕が信じているのは、“誰かの次”につながる経営だ。
自分の引退とともに終わるような仕組みではなく、
誰かがあとを引き継ぎたくなるような文化を残したい。
それはつまり、“耕された土”を残すことだ。
今すぐ花は咲かなくていい。
立派な成果が出なくても構わない。
でも、僕らが離れていく頃、そこに「耕された跡」がちゃんと残っていたら、
それだけで、十分だと思っている。
終わりに|それでも土を耕し続ける
医療や福祉は、“誰かの命”や“生きづらさ”と向き合う営みだ。
その現場に関わる人間が、「今だけ」「儲かるうちに」「制度が変わる前に」といったマインドで動いてしまえば、現場も、制度も、未来も壊れてしまう。
派手なSDGsのバナーを掲げることよりも、日々の実務の中で、続く仕組みを作ること。
地味でも、泥臭くても、“この土なら誰かがまた種をまける”と思える現場を残すこと。
それが、今の僕が考える「持続可能性」の本質だ。
社会保障制度は、未来からの前借りだ。
だからこそ、今を預かる者として、未来に耕された土を返していきたいと思っている。
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