愛着障害とADHDを抱えていると、人間関係や社会性に問題が生じ「生きづらさ」を感じる場合があります。
愛着障害とADHDは併発する可能性もあるほか、特徴が似ている部分もあるため、違いや見分け方を理解しておくのが重要です。
この記事では、愛着障害とADHDの併発や、それぞれの特徴と違い、見分け方を解説します。 大阪市、寝屋川市、守口市、 平日・土曜・祝日 9:00〜18:00
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愛着障害とADHDが併発するケースもある
愛着障害とADHDは併発する場合があり、社会生活や日常生活に支障を来たす場合があります。
愛着障害が「幼少期の環境が原因となる後天的な障害」であるのに対し、ADHDは「脳の発達の問題で起こる先天性の障害」です。
もともとADHDの気質を持っていた方が、幼少期の生活環境をきっかけに愛着障害となり、どちらも抱えて生活している場合もあります。
いずれも他人との距離感や接し方に苦労する場合があるため、併発している方はより強く「生きづらさ」を感じてしまうでしょう。
また、どちらかに気づけないままでいると、支援や治療を受けても悩みが解決しない場合があるため、適切に見分けて対処することが重要です。
参照:日本総研「厚生労働省 令和4年度子ども・子育て支援推進調査研究事業一時保護所職員に対して効果的な研修を行うための調査研究|愛着(アタッチメント)」
※厚生労働省の内示を受けて作成された資料です
愛着障害とADHDの特徴
愛着障害とADHDを見分けるには、まずそれぞれの特徴を理解するのが重要です。
この章では、それぞれの特徴や、社会生活で困る出来事を見ていきましょう。
愛着障害
愛着障害は、幼少期に養育者との良好な関係性を構築できなかったため、社会性や人間関係に問題を抱えている状態です。
愛着障害には以下の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
愛着障害の種類 | 特徴 |
反応性愛着障害 | ・他人を警戒する
・警戒心や恐怖心が強い ・自己肯定感が低い ・感情の起伏が少ない ・他人の言葉に傷つきやすい |
脱抑制型愛着障害 | ・他人になれなれしい態度をとる
・周りの注意を引こうとする ・落ち着きがない ・わがままな言動が見られる ・誰に対しても態度が変わらない |
愛着障害がある方は他人との関わり方や距離感に苦労しやすく、良好な人間関係を維持するのに苦労する場合があります。
子どものうちは交友関係に悩んだり、グループで活動する場面で苦労したりするでしょう。
また、大人になっても愛着障害の影響が残っている場合、職場の人間関係に支障が出たり、パートナーとの関係に苦労したりする方も珍しくありません。
なかには、コミュニケーションの難しさに悩み、情緒不安定になってしまう方もいます。
参照:日本総研「厚生労働省 令和4年度子ども・子育て支援推進調査研究事業一時保護所職員に対して効果的な研修を行うための調査研究|愛着(アタッチメント)」
※厚生労働省の内示を受けて作成された資料です
関連記事:愛着障害とは?診断基準や4分類の愛着スタイルを解説!
ADHD
ADHDは正式には「注意欠如・多動症」と呼ばれる発達障害の一種です。
ADHDを持つ方には、以下の特徴がみられる場合があります。
・忘れっぽい
・なくしものが多い
・1つの仕事を終わらせるのに時間がかかる
・じっとしていられない
・喋りすぎてしまう
・順番を待てない
・思いついたらすぐ行動してしまう
これらの特徴があるために、人間関係の構築に苦労したり、仕事でミスを繰り返してしまったりなど、社会生活に支障が出る場合があります。
参照:厚生労働省/発達障害の理解
関連記事:【診断テストつき】ADHD・アスペルガー症候群・自閉症と発達障害の違いとは?
愛着障害とADHDの違い・見分け方
愛着障害とADHDの違いと見分け方を解説します。
特徴 | 愛着障害 | ADHD |
幼少期の環境 | ・親や家族との死別を経験している
・親の愛情を受けずに育った |
・幼少期の環境には左右されない |
多動性 | ・多動性は見られにくい | ・じっとしているのが難しい |
決まりごとやルールの捉え方 | ・ルールを守る意思がない | ・ルールを守ろうとする気持ちはあっても行動できない |
人と会話するときの態度 | ・1対1では落ち着いて話せるが複数人になるとうまく話せない | ・1対1と複数人で態度が変わらない |
意図的に無視したときの反応 | ・無視されると不安や怒りを感じる
・問題行動が強く現れるようになる |
・問題行動が少なくなる |
これらの違いから、行動の特徴や人間関係の問題点が愛着障害とADHDどちらによるものかを判断可能です。
ただし、愛着障害やADHDを確実に判別するには、専門家の知識と検査スキルが必要になります。
上記の特徴に当てはまったとしても、どちらかが原因であるとは断定できないため、疑わしい場合は専門家に相談しましょう。
愛着障害とADHDの見分けがつかないときの相談先
愛着障害とADHDの疑いがあり、どちらが原因で問題が生じているか分からない場合は、専門家や専門機関に相談するのがポイントです。
・精神科や心療内科
・保健所
・精神保健福祉センター
特に精神科では、愛着障害や発達障害の専門的な検査や治療を受けられます。
社会性に問題が出ている原因を明確にしたい場合は、まず精神科に相談しに行きましょう。
また、精神科で診断が付いた後、日常生活の問題を解決したい場合は訪問看護の利用も手段の1つです。
訪問看護では、看護師から1対1でケアを受けられるため、コミュニケーションに自信のない方でも落ち着いて会話できます。
人と話すのが怖い方や、じっくりと悩みを相談したい方は、訪問看護の利用も検討してみましょう。
愛着障害やADHDの疑いがあるなら専門家に相談しよう
愛着障害とADHDのどちらが原因で問題が生じているかわからない場合は、専門家や専門機関に相談することが重要です。
どちらの場合も適切な治療や支援、ケアを受けるのが重要であるため、悩んでいる場合は早めに精神科や訪問看護ステーションへ相談しましょう。
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