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愛着障害とASDの関係とは?共通点や支援について解説

2025.08.25 精神科訪問看護とは

愛着障害とASD(自閉スペクトラム症)になると人間関係の構築や社会参加に支障が出る場合があります。

これらには共通する特徴があり見分けが難しいうえに、併発する可能性もあるため、それぞれの特徴や支援方法を理解しておくことが重要です。

この記事では、愛着障害とASDの関係や特徴、それぞれの支援方法を解説します。



大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

愛着障害とASDの関係とは?

愛着障害とASDには、特徴に共通点がある点と、両者を併発するケースがある点において関係があります。

この章では、愛着障害とASDの関係を詳しく見ていきましょう。


愛着障害とASDには共通点がある

愛着障害を持つ方とASDを持つ方には、似たような特徴があります。

・人間関係の構築が苦手
・社会性に悩む場合がある
・感情の起伏が少ない場合がある
・協調性のない様子が見られる場合がある

愛着障害とは、人との接し方や距離感に問題が生じている状態を指す障害です。
人と過度に距離を取ってしまったり、反対になれなれしくしすぎてしまったりするため、信頼関係の構築や継続的な付き合いに苦労する場合があります。

一方、ASDは興味の幅の狭さや、感情の表出が苦手な点が特徴である「発達障害」の1種です。
「相手の気持ちが読み取りにくい」「言葉通りに受け取ってしまう」などの特徴から、コミュニケーションに苦労する場合があります。

いずれの場合も、人間関係や社会性の側面で苦労する場合があるため、支援が必要になるケースが珍しくありません。



参照:日本総研/愛着(アタッチメント)
参照:厚生労働省/発達障害の理解


愛着障害とASDを併発するケースもある

愛着障害とASDは併発するケースがあります。

愛着障害は幼少期の環境や親・養育者との接し方が原因で起こる「後天性の障害」です。
一方、ASDは脳の発達障害が原因で起こる「先天性の障害」であるため、両者が併存するケースも起こりえます。

2つの障害が併存している場合、両方の特徴を持つ、人間関係の構築により苦労するなどにより、社会生活への影響が強くなるケースもあります。

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愛着障害とASDの見分け方

愛着障害とASDを見分けるには、両者の違いを理解するのが重要です。

ASDの特徴に「興味・関心の狭さや偏り」があります。
特定の物事や会話内容には強い興味を示したり博識であったりする一方、それ以外には興味を示しにくいのが特徴です。

愛着障害はその場の環境や人と関わる際に問題が生じますが、特定の物事に対する執着や興味の偏りは見られない場合があるため、見分けるポイントの1つとなります。

ただし、正確に見分けるためには専門的な診察やチェックが必要となるため、精神科医の意見を聞くようにしましょう。



関連記事:仕事のミスや対人関係に悩む方へ:3つの大人の発達障害(ASD・ADHD・LD)セルフチェックリスト

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愛着障害とASDに対する支援方法

愛着障害とASDに対する支援方法をそれぞれ解説します。


愛着障害の支援

愛着障害がある場合、人との関わり方を身に付けるために「愛着形成のやり直し」を行うのが一般的な支援方法です。

人と関わるときの不安をやわらげるために、何かあった時の心の支えとなる「安全基地」となる人を設定し、サポートを受けながらコミュニケーションを身に付けていきます。

安全基地となるのは親やパートナーなど、本人が安心して関われる人が設定される場合が多いです。
身近に安全基地となる方が居ない場合は、医師や看護師などが役割を担うケースもあります。


ASDの支援

ASDの支援方法としては「環境設定をする」のと「周囲に接し方の理解を促す」のが重要です。

ASDのある方は、環境の変化や予想外の出来事、柔軟な対応が求められる環境に弱いため、本人のペースやリズムを崩さない生活環境や職場の環境を設定します。

また、ASDの特性を周囲の人に理解して貰うための働きかけや、ASDに理解のある職場への就職をサポートするのも支援の1つです。


併発している場合の支援

愛着障害とASDを併発している場合、以下の点に注意して支援を行います。

・こだわりや感じ方を否定しない
・できないことをできるようにサポートする
・人の気持ちを理解できるようサポートする

ASDの特徴として「こだわりの強さ」や「人の気持ちが理解しにくい」点があるため、これらを否定しないようにサポートするのがポイントです。

人との適切な関わり方を身につけるためにも、ASDの特徴に配慮したうえで、徐々にコミュニケーションを練習していきます。



参照:日本総研/愛着(アタッチメント)


愛着障害とASDの相談先

愛着障害とASDに悩んだ場合、まずは精神科に相談しましょう。

精神科への相談により愛着障害とASDの検査が受けられ、それぞれの診断を受けたり、併発の有無を明らかにできたりします。

また、診断がつくと、治療だけでなくさまざまな支援も受けられるようになります。
愛着障害やASDの疑いがある場合は、まず精神科に相談し、適切な治療や支援を受けましょう。



関連記事:愛着障害とは?診断基準や4分類の愛着スタイルを解説!


愛着障害とASDは精神科に相談しよう

愛着障害とASDのどちらかがある場合、社会生活に支障が生じる可能性があります。
併発している場合はより生きづらさを感じる場合もあるため、一人で抱え込まず、早めに専門家を頼ることが大切です。

『訪問看護ステーションくるみ』では、愛着障害やASDのある方に対するサポートを提供しています。
愛着障害やASDの診断を受けた方で、訪問看護のサービスに興味のある方は『こちら』からご相談ください。

この記事を監修した人

石飛美春

株式会社Make Care Webクリエイター

石飛 美春

看護師 / Webクリエイター

看護師として臨床を経験後、一度Web業界に転身。ものづくりの楽しさを知る一方で、やはり人と関わる現場に戻りたいという想いから、訪問看護ステーションくるみに入職。現在は訪問業務とあわせて、Web制作の経験を活かし、HPやSNSの更新を担当している。

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