「仕事でミスが続く」「他人とうまく関われない」などお悩みの方もいるかもしれません。日常生活や社会活動がうまくいかない原因のひとつに、「発達障害」があります。子どものころには気にならなくても、大人になって仕事や人間関係に影響を及ぼすケースも少なくありません。また、「発達障害」から併発する精神病(うつ病、強迫性障害、PTSD)なども存在しています。
精神病に関してはこちら:https://kurumi.makecare.co.jp/column/human-why-mental-illness-catch/
本記事では、3つの大人の発達障害(ASD,ADHD,LD)の特徴や、病院を受診すべきなのかを詳しく解説しています。日常生活を送るうえで悩みや不安がある方は、訪問看護の利用も検討してみましょう。
【大人の発達障害】病院の診断を受けるべきか?
発達障害は「子どもの成長過程に見られる障害」とのイメージが強い方もいるかもしれません。しかし、大人になってから日常生活や社会活動に支障をきたすようになり、発達障害と診断される方もいます。
「生活しにくい」「人間関係や仕事がうまくいかない」などの悩みや困りがある場合は、精神科や心療内科などの医療機関を受診して、正しく診断してもらうのがよいでしょう。発達障害と認識されないまま悩みを抱えながら生活を続けると、自己評価や自尊心が低下し、劣等感や孤独感を抱くことも珍しくありません。その結果、うつ病や不安障害などの精神疾患を発症してしまう恐れもあるのです。
発達障害か否かをはっきりさせることで対処法がわかり、環境に適応しやすくなります。どの病院に受診したらよいか迷う場合は、地域の発達障害者支援センターに問い合わせてみましょう。発達障害を専門としている病院を教えてもらえます。
生活をしていくうえで不安がある方は、訪問看護を利用するのも選択肢のひとつです。
大人の発達障害の特徴|セルフチェックシート
発達障害とは、脳機能障害によって日常生活や社会活動に支障をきたす状態です。生まれ持った特性なので、育った環境は基本的に問題にはならないことが多いとされています。人によって発達障害の特性の表れ方や、生活への影響は異なります。
この章では、主な発達障害を3つご紹介しつつ、症状を確認できるセルフチェックシートをご用意しました。
注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意欠陥多動性障害(ADHD)は、「不注意」「多動」「衝動性」の症状が顕著に表れる発達障害です。幼少期に特徴が表れて、早い段階で診断されるケースも少なくありません。
大人になると「多動」や「衝動性」は落ち着くこともありますが、「不注意」の症状が目立ち仕事を上手くこなせないなどの困難につながります。
【ADHDのセルフチェックシート】
・物事を進める際に、難しい部分を乗り越えたのに最後の仕上げがうまくいかないことがある。
・計画を立てる必要がある作業で、順序だてて進めるのが困難に感じることがある。
・約束や、重要な用事を忘れることがある。
・じっくり考えるべき課題に取り掛かるのを避けたり、後回しにすることが多い。
・長時間座っているときに、手足をそわそわさせたり、もぞもぞすることが頻繁にある。
・何かに駆り立てられたように、過度に活動的になったり、じっとしていられないことがある。
・退屈だったり、難しい作業をしていると、不注意なミスを犯すことが多い。
・話しかけられているときに、注意を集中させるのが難しいことがよくある。
・家や職場で物を忘れたり、置き場所を忘れて探し回ることがよくある。
・外からの刺激や雑音によって簡単に気が散ってしまうことがある。
広汎性発達障害/自閉症スペクトラム障害(ASD)
広汎性発達障害は自閉症スペクトラム障害(ASD)とも呼ばれ、社会生活や人間関係を築くのが苦手な発達障害です。コミュニケーションがうまく取れなかったり、周囲への興味・関心が薄かったりするのが特徴です。
対人関係や集団行動が苦手であるがゆえに自己評価を下げてしまい、周囲との関係を避けるような行動が見られることもあるかもしれません。それによって不安障害やうつ病など、ほかの精神疾患を引き起こす恐れもあります。
【ASDのセルフチェックシート】
・他の人と話しているとき、相手の気持ちを理解するのが難しいと感じることがある。
・普通の感触のものが肌に触れると、非常に不快に感じることがある。
・集団での活動や作業が非常に難しいと感じることがある。
・他人が自分に期待していることや望んでいることを理解するのが難しい。
・社交的な場面で、どう振る舞うべきかわからず困ることがよくある。
・他の人と軽い雑談やおしゃべりをすることができるが、気を遣うことが多い。
・感覚が圧倒されると、一人で静かに過ごす時間が必要になる。
・友達を作る方法や、他人と社交的に付き合うことが難しく感じる。
・会話の中で、自分が話すべきか、聞くべきかが分からなくなることがよくある。
・煩わしい音を遮るために、耳を塞ぐことがある(例: 掃除機の音、人の大声)。
・相手の表情やボディランゲージを読み取るのが非常に難しいと感じることがある。
・全体よりも細部に注目しがちである。
・言葉をそのまま受け取り、他人の意図を見逃すことが多い。
・突然予定が変わったり、自分のやり方が通らなくなると、非常に動揺することがある。
特異的発達障害/学習障害(LD)
特異的発達障害は学習障害(LD)とも呼ばれ、知的な遅れがないにもかかわらず「読む」「書く」「計算する」の能力が低いのが特徴の発達障害です。学習してもなかなか期待される学力が身につかず、学業や仕事などの日常生活に支障をきたしてしまいます。
発達障害であると早期に判断されないと、学業低下から抑うつや不登校・無断欠勤などの二次障害が生じてしまうかもしれません。
【LDのセルフチェックシート】
・文章を読むのに時間がかかる
・問題や問いかけの意味を理解できない
・字を間違えやすい
・メモが取れない
・計算を間違えやすい
・表やグラフを理解できない
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大人の発達障害かもと感じたら病院を受診しよう|訪問看護も選択肢のひとつ
発達障害は子どもだけでなく、大人になってから診断される方もいます。日常生活や社会活動(仕事や人間関係など)がうまくいかず気づくことも少なくありません。
気になる症状がある場合は、精神科や心療内科などの医療機関を受診してみましょう。生活をするうえで不安がある方は、訪問看護の利用も選択肢のひとつです。
「訪問看護ステーションくるみ」は、精神科に特化した訪問看護ステーションです。ほかの職種や施設との連携を図り、利用者さまとその家族に寄り添ったサポートを提供いたします。お困りのことがございましたら、こちらからお気軽にお問い合わせください。