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うつ病は何科を受診すればいい? 症状別の診療科選びと、専門医への相談方法

精神科訪問看護とは

「最近、気分が落ち込む」「眠れない日が続く」「何もする気が起きない…」。もしかしたら、それはうつ病のサインかもしれません。でも、「何科を受診すればいいの?」「精神科って怖い…」と、どこに相談すれば良いのか分からず、一人で悩んでいませんか?この記事では、うつ病の症状から、あなたに合った診療科、病院選びのポイント、治療法まで、専門医の視点から分かりやすく解説します。もう一人で悩まず、一歩踏み出しましょう。

うつ病かもしれない…何科を受診すれば良い?

「最近、なんだか気分が晴れない」「以前は楽しめていたことに興味が持てない」「眠りが浅い日が続いている」…。もし、このような心の不調を感じているなら、それはうつ病のサインかもしれません。

しかし、いざ病院へ行こうと思っても、「何科を受診すれば良いのだろう?」「精神科や心療内科って、どんなところだろう?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。この記事では、うつ病の可能性を感じている方が、最初にかかるべき診療科について、専門医の視点から分かりやすく解説します。

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うつ病とは?主な症状をチェック

うつ病は、単なる気分の落ち込みではなく、脳の機能的な変化によって引き起こされる病気です。その症状は多岐にわたり、精神的なものだけでなく、身体的な不調として現れることも少なくありません。以下に、うつ病の主な症状を挙げます。ご自身の状態をチェックしてみてください。

【精神的な症状】

  • 気分の落ち込み: 悲しみ、虚しさ、絶望感などが強く、日常生活に支障をきたす。
  • 興味・関心の喪失: 以前は楽しめていた趣味や活動に対して、全く興味が持てなくなる。
  • 意欲の低下: 何をするにもやる気が出ず、億劫に感じる。身支度や家事など、簡単なことさえ困難になる。
  • 集中力・注意力の低下: 物事に集中できず、忘れっぽくなる。
  • 判断力の低下: 物事を決められなくなり、些細なことでも迷ってしまう。
  • 自己否定感・罪悪感: 自分はダメな人間だと感じたり、些細なことでも自分を責めてしまう。
  • 不安感・焦燥感: 理由もなく不安になったり、落ち着きがなくなったりする。
  • 希死念慮: 死にたいという気持ちが浮かぶことがある。

【身体的な症状】

  • 睡眠障害: 寝つきが悪い(入眠困難)、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、早朝に目が覚めてしまう(早朝覚醒)、日中の強い眠気など。
  • 食欲の変化: 食欲がなくなる、または逆に過食になる。
  • 疲労感・倦怠感: 体がだるく、疲れやすい。十分な休息をとっても回復しない。
  • 頭痛・頭重感: 頭が重く感じたり、ズキズキ痛んだりする。
  • 動悸・息苦しさ: 胸がドキドキしたり、息苦しさを感じたりする。
  • めまい・吐き気: ふらつきを感じたり、吐き気がしたりする。
  • 便秘・下痢: 便通の異常。
  • 肩こり・腰痛: 筋肉の緊張や痛みを伴うことがある。

これらの症状が2週間以上続き、日常生活や仕事に支障が出ている場合は、うつ病の可能性が考えられます。セルフチェックはあくまで目安ですが、気になる症状があれば、専門家への相談を検討しましょう。

関連記事:うつ病の方は訪問看護を利用できる?受けられるサービスや利用方法を解説

精神科?心療内科?それぞれの違いと特徴

うつ病の症状を感じた際に、よく名前が挙がるのが「精神科」と「心療内科」です。どちらを受診すべきか悩む方も多いですが、両者は密接に関連しており、どちらを受診しても基本的には問題ありません。しかし、それぞれの特徴を理解しておくと、よりスムーズに受診しやすくなるでしょう。

精神科

精神科は、統合失調症、双極性障害(躁うつ病)、うつ病、不安障害、発達障害など、より広範な精神疾患の診断と治療を専門としています。脳や心の機能の不調に焦点を当て、薬物療法を中心に、精神療法などを組み合わせて治療を行います。病識を持ちにくい場合や、症状が重い場合でも、精神科医は専門的な知識と経験に基づいて対応してくれます。

心療内科

心療内科は、ストレスや心理的な要因が関与して現れる身体的な不調(心身症)や、軽度のうつ病、不安障害などを主な対象とします。例えば、ストレスからくる胃痛、過換気症、不眠、軽度の気分の落ち込みなどが挙げられます。患者さんの心の問題に寄り添い、精神療法(カウンセリングなど)や、必要に応じて薬物療法を組み合わせて治療を進めることが多いのが特徴です。患者さんの「心の状態が体に影響している」という側面に注目します。

どちらを受診すべきか?

気分がひどく落ち込む、やる気が出ない、眠れないといった、うつ病に典型的な症状が強く出ている場合は、精神科でも心療内科でも対応可能です。

ストレスが原因で胃が痛む、動悸がするなど、身体的な症状が強く、それが心の状態と関連していると感じる場合は、心療内科がより身近に感じられるかもしれません。

「精神科」という言葉に抵抗がある場合は、まずは「心療内科」を選んでみるのも良いでしょう。

どちらの科を受診しても、症状によっては専門医を紹介してもらえるので、過度に心配する必要はありません。大切なのは、一人で抱え込まず、専門家の助けを求めることです。

内科を受診する選択肢

「いきなり精神科や心療内科に行くのはハードルが高い」「まずは身体の不調について相談したい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。そのような場合、かかりつけの内科医に相談するという選択肢もあります。

うつ病の症状の中には、頭痛、倦怠感、動悸、食欲不振など、内科的な疾患でも見られるものがあります。内科医は、まずこれらの身体的な症状の原因を調べ、他の病気の可能性がないかを確認してくれます。もし、身体的な原因が見当たらず、うつ病が疑われる場合は、専門の医療機関(精神科や心療内科)を紹介してくれるでしょう。

内科を受診するメリット

  • 敷居が低い: 日頃から健康診断などで利用している場合が多く、精神科や心療内科に比べて受診しやすい。
  • 身体的な原因の除外: うつ病と似た症状が出る他の病気の可能性を最初に調べてもらえる。
  • 専門医への橋渡し: 信頼できるかかりつけ医がいれば、適切な専門医を紹介してもらいやすい。

内科医は、あなたの状態を総合的に診察し、必要に応じて専門家につないでくれるパートナーとなります。身体的な不調が気になる場合や、精神科・心療内科への初診に不安がある場合は、まずはかかりつけの内科医に相談してみるのも良い方法です。

関連記事:うつ病の薬の副作用|抗うつ薬の種類別症状と対処法を徹底解説

あなたに合った病院を選ぶには?

うつ病かもしれないと感じたとき、まず「何科を受診すれば良いのか」という疑問に続き、「どの病院を選べば良いのか」という悩みが出てくるかと思います。精神科や心療内科は、それぞれ特徴があり、また医師との相性も重要です。ここでは、あなたに合った病院を選ぶための具体的なポイントと、初診時の流れについて解説します。

病院選びのポイント

信頼できる医療機関を見つけるためには、いくつかの重要なポイントがあります。ご自身の状況に合わせて、以下の点を参考に病院選びを進めましょう。

医師との相性

精神科や心療内科の治療は、医師との信頼関係が非常に重要です。相性の良い医師であれば、安心してご自身の悩みや症状を伝えやすくなります。可能であれば、事前にウェブサイトで医師のプロフィールを確認したり、口コミを参考にしたりすると良いでしょう。初診で実際に話してみて、話しやすさや説明の分かりやすさを感じられるかどうかも大切な判断基準です。

通いやすさ

治療は長期にわたることが少なくありません。そのため、自宅や職場からのアクセスが良い、あるいは公共交通機関で通いやすい場所にある病院を選ぶことが、継続的な通院のために大切です。診察時間も、ご自身のライフスタイルに合っているか確認しましょう。

専門分野

うつ病といっても、その原因や症状の現れ方は様々です。例えば、特定の疾患(パニック障害、不安障害、発達障害など)に専門性を持っている医師や、認知行動療法、精神分析療法といった特定の治療法に長けている医師もいます。ご自身の症状や希望する治療法があれば、それに合った専門性を持つ病院を探すのも良い方法です。

院内の雰囲気

病院のウェブサイトを見たり、可能であれば事前に下見をしたりして、清潔感があり、落ち着いた雰囲気の場所を選ぶことも、リラックスして受診するために役立ちます。

予約の取りやすさ

人気のある病院では、予約が取りにくい場合があります。緊急性がある場合や、ご自身の都合の良い時に受診したい場合は、予約システムや予約の取りやすさも確認しておくと良いでしょう。

初診時の流れと検査内容

初めて精神科や心療内科を受診する際は、どのような流れで進むのか、どのような検査があるのかを知っておくことで、不安を軽減することができます。一般的な流れは以下の通りです。

1.受付・問診票の記入

病院に到着したら、まず受付で保険証などを提示し、問診票に記入します。問診票では、現在の症状、既往歴、家族歴、生活習慣などについて詳しく聞かれますので、できるだけ正直に、具体的に記入しましょう。

2.医師による問診

問診票の内容をもとに、医師が詳しくお話を伺います。現在の症状、いつから始まったか、どのような時に悪化するか、日常生活への影響、過去の病歴、服薬歴、ご家族の状況など、多岐にわたる質問をされることがあります。ここでは、ご自身の感じていることを、ありのまま、率直に伝えることが大切です。医師は、これらの情報から病状を把握していきます。

3.心理検査(必要に応じて)

医師の判断により、症状の程度や性格傾向などを客観的に把握するために、心理検査が行われることがあります。質問紙に回答する形式のものや、絵を描くものなど、様々な種類があります。これらの検査結果は、診断や治療方針の決定に役立てられます。

4.身体的な検査(必要に応じて)

うつ病と似た症状を引き起こす身体的な病気(甲状腺機能低下症、貧血、脳腫瘍など)がないかを確認するために、血液検査や心電図などの身体検査が行われることもあります。これは、精神的な症状の原因が身体的な疾患にある可能性を排除するためです。

5.診断と治療方針の説明

問診や検査の結果を踏まえ、医師が診断を下し、今後の治療方針について説明します。薬物療法、精神療法(カウンセリングなど)、休養の必要性など、具体的な治療内容や、治療期間の目安、次回の受診時期などについて、納得いくまで質問し、理解を深めることが大切です。

これらの流れを知っておくことで、初診時の戸惑いを減らし、スムーズに受診を進めることができるでしょう。

うつ病の治療について

ここまでのセクションで、うつ病かもしれないと感じた際に何科を受診すべきか、そしてあなたに合った病院を選ぶためのポイントや初診時の流れについて解説しました。ここでは、うつ病と診断された場合にどのような治療法があるのか、そして治療にはどのくらいの期間がかかるのかについて、詳しく見ていきましょう。

治療方法の種類

うつ病の治療は、症状や状態に合わせて複数の方法を組み合わせて行われます。主な治療法には薬物療法、精神療法、そして休養があります。

薬物療法では、セロトニンやノルアドレナリンなど脳内の神経伝達物質のバランスを整える抗うつ薬を使用し、気分の落ち込みや意欲低下、不眠などの改善を目指します。効果が出るまでには時間がかかることがあるため、自己判断で中断せず、医師と相談しながら服用を続けることが重要です。

精神療法では、認知行動療法(CBT)や対話療法を通じて考え方や行動のパターンを見直し、ストレスへの対処力を高めていきます。薬物療法と併用することで治療効果が高まることが多いです。また、うつ病は心身が疲れた状態のため、十分な休養も欠かせません。仕事や学業を一時的に休み、睡眠や生活環境を整えて心身を休めることが回復への第一歩となります。必要に応じて休職や休学を検討することも大切です。

治療期間の目安

治療期間は個人差が大きく、数ヶ月〜半年で改善するケースが多い一方、重症の場合は1年以上かかることもあります。焦らず自分のペースで治療を続けることが大切で、症状が改善しても再発予防のために定期的な受診が推奨されます。

周囲に相談するには?

うつ病は一人で抱え込む必要のない病気です。周囲のサポートを得ることで、治療への道のりがよりスムーズになり、精神的な負担も軽減されます。ここでは、信頼できる家族や友人への相談方法、そして専門機関の活用について具体的に解説していきます。

家族や友人への相談

うつ病の症状を家族や友人に打ち明けることは大切な一歩ですが、不安を感じるのは自然なことです。伝える際は、相手が落ち着いて話を聞けるタイミングを選び、「眠れない」「食欲がない」など具体的な症状を示し、自分の弱さではなく治療が必要な病気であることを理解してもらうことが大切です。また、「話を聞いてほしい」「病院に付き添ってほしい」など、求めるサポートを具体的に伝えると相手も動きやすくなります。理解ある人に支えてもらうことで、回復への大きな力となります。

専門機関の活用

家族や友人への相談に加え、専門機関のサポートを活用することも重要です。精神保健福祉センターや自治体の相談窓口では、無料で専門的な助言や医療機関の紹介が受けられます。オンラインカウンセリングは、自宅から匿名で相談でき、対面が不安な人や忙しい人にも便利です。また、患者会や家族会では同じ悩みを持つ人と情報共有ができ、孤独感の軽減にもつながります。こうした支援機関は回復を支える心強い存在なので、一人で抱え込まず積極的に活用しましょう。

まとめ: うつ病の早期発見と治療のために

この記事では、「うつ病かもしれない」と感じた時に、どの診療科を受診すべきか、精神科と心療内科の違い、病院選びのポイント、そして治療の流れについて詳しく解説してきました。もし、あなたがこの記事を読んで、ご自身の症状に心当たりがあるなら、それは回復への第一歩を踏み出すための大切なサインです。

うつ病は、早期に発見し、適切な治療を受けることで、多くの場合、症状の改善と回復が期待できます。決して一人で抱え込まず、この記事で得た知識を活かして、勇気を出して専門医に相談してください。早期の受診と治療開始は、精神的な安定を取り戻し、より良い日常生活を送るための、最も確実な道です。あなたの回復を心から応援しています。

大阪市、寝屋川市、守口市、
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対応させていただいております。

この記事を監修した人

石飛美春

株式会社Make Care Webクリエイター

石飛 美春

看護師 / Webクリエイター

看護師として臨床を経験後、一度Web業界に転身。ものづくりの楽しさを知る一方で、やはり人と関わる現場に戻りたいという想いから、訪問看護ステーションくるみに入職。現在は訪問業務とあわせて、Web制作の経験を活かし、HPやSNSの更新を担当している。

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