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うつ病の吐き気はなぜ起こる?吐き気の症状と5つの改善ステップ

精神科訪問看護とは

「最近、なんだか吐き気がする…」 原因が分からず、不安な気持ちで過ごしていませんか? もしかしたら、その吐き気は「うつ病」のサインかもしれません。

この記事では、うつ病と吐き気の関連性、吐き気の原因と対処法について、専門医の見解を交えながら分かりやすく解説します。 つらい症状を改善し、あなたの毎日が少しでも楽になるように、具体的な情報をお届けします。

うつ病と吐き気の関連性:なぜ吐き気が起こるのか?

「最近、なんだか吐き気がする…」 原因がはっきりしないまま続く吐き気は、日常生活に大きな影響を与え、不安を募らせます。もしかしたら、そのつらい症状は、心の不調、すなわち「うつ病」が原因かもしれません。

この記事では、まずうつ病の基本的な理解を深め、なぜうつ病が吐き気という身体的な症状を引き起こすのか、そのメカニズムについて専門的な視点から解説していきます。

うつ病とは?症状と特徴

うつ病は、脳の機能障害によって引き起こされる精神疾患の一つです。単なる気分の落ち込みではなく、日常生活に支障をきたすほどの強い抑うつ気分や、これまで楽しめていたことへの興味・喜びの喪失が特徴です。これらは「精神症状」と呼ばれますが、うつ病は「身体症状」としても現れることが少なくありません。

具体的には、疲労感、睡眠障害(不眠または過眠)、食欲の変化(低下または増加)、集中力や記憶力の低下、そして今回焦点を当てる吐き気や頭痛、動悸といった症状が見られます。これらの身体症状は、うつ病のサインであることに気づきにくい場合もあり、診断が遅れる原因となることもあります。

なぜうつ病で吐き気が?メカニズムを解説

うつ病で吐き気が起こるのは、「脳腸相関」「ストレスホルモンの影響」「自律神経の乱れ」が関係しています。脳と腸は密接につながっており、ストレスを受けると脳からの信号が腸に伝わり、動きが乱れて吐き気や腹痛を引き起こします。

また、ストレスで分泌されるコルチゾールは自律神経にも影響し、気分の落ち込みだけでなく吐き気を誘発します。さらに、うつ病では自律神経のバランスが崩れ、交感神経が過剰に働くことで胃腸の動きが低下し、消化不良や吐き気につながります。

関連記事:うつ病の症状を徹底解説|初期症状から重症まで医師監修

吐き気の原因を特定する:自己チェックと診断

「この吐き気は、本当にうつ病のせいなのだろうか…?」 原因がはっきりしないと、余計に不安になってしまいますよね。ここでは、ご自身の状態を把握するための自己チェックリストと、医療機関での診断・検査について詳しく解説します。ご自身の状態を客観的に理解し、適切な次のステップへ進むための一助となれば幸いです。

あなたの吐き気の原因をチェック

まずは、ご自身の状態を客観的に把握するために、以下の項目をチェックしてみてください。これらの症状が複数当てはまる場合、うつ病が原因で吐き気を感じている可能性があります。

  • 気分の落ち込み: ほとんど一日中、気分が沈んでいる。
  • 興味・関心の喪失: 以前は楽しめていたこと(趣味、仕事、友人との交流など)に、全く興味が持てなくなった。
  • 食欲の変化: 食欲が極端に減った、または増えた。
  • 睡眠の変化: 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、または逆に一日中眠い。
  • 疲労感・倦怠感: 理由もなく体がだるく、疲れやすい。
  • 集中力・決断力の低下: 仕事や家事などで集中できず、簡単な決断も難しくなった。
  • 自己評価の低下: 自分を責めてしまう、自分には価値がないと感じる。
  • 身体症状: 原因不明の頭痛、肩こり、動悸、そして今回ご相談の「吐き気」。
  • イライラ感: 些細なことでイライラしやすくなった。
  • 死についての考え: 死にたいと考えることがある。

これらの項目に多く当てはまる場合は、うつ病の可能性が考えられます。ただし、これはあくまで自己判断の目安です。正確な診断のためには、専門医の診察を受けることが重要です。

医療機関での診断と検査

「病院に行くのはハードルが高い…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、専門医はあなたの吐き気の原因を特定し、適切な治療法を見つけるための最も頼れる存在です。ここでは、精神科医や心療内科医がどのように診断を進めるのかを解説します。

1. 問診

医師は、吐き気がいつから始まったか、どんな時に起きやすいか、気分の落ち込みや睡眠障害など他の症状の有無、生活への影響、過去の病歴、服薬状況、家族歴などを丁寧に聞き取ります。ここで正確に伝えることが、適切な診断につながります。

2. 身体的検査

吐き気は身体の病気でも起こるため、医師は診察や血液検査、尿検査、必要に応じて胃カメラなどを行い、消化器系の疾患や他の身体的原因がないかを確認します。

3. 精神的評価

身体の異常が見つからない場合や精神的症状が疑われる場合、気分や思考、集中力などを評価し、DSM-5といった診断基準に沿って症状を確認します。必要に応じて質問票を用い、うつ病かどうか総合的に判断します。

4. 診断と今後の治療方針

すべての検査結果を総合して診断が行われ、うつ病と判断された場合は薬物療法や精神療法、生活習慣の調整などを組み合わせた治療方針が提示されます。医師と相談しながら改善に向けて進んでいくことが大切です。

関連記事:うつ病が治らない原因と対処法|長期化を防ぐ治療のポイント

吐き気の具体的な対処法

うつ病による吐き気は、日常生活に大きな影響を与えます。しかし、適切な対処法を知り、実践することで、症状の軽減を目指すことができます。ここでは、薬物療法、生活習慣の改善、そして精神療法という3つの柱から、具体的な対処法を詳しく解説していきます。

薬物療法:吐き気を抑える薬と抗うつ薬

吐き気が強い場合は、医師が吐き気止めを処方することがあります。これは一時的に症状を和らげる目的で、うつ病自体の治療には抗うつ薬が用いられます。抗うつ薬は脳内の神経伝達物質を整え、気分や意欲の低下だけでなく吐き気などの身体症状の改善にも役立ちます。ただし効果が出るまで数週間かかることが多く、副作用もあるため、必ず医師の指示に従って服用することが大切です。

生活習慣の改善:食事、睡眠、運動

食事は消化の良いものを選び、少量を数回に分けて摂ると胃の負担を減らせます。野菜・果物を意識し、カフェインやアルコールは控えめにしましょう。睡眠は規則正しいリズムを保ち、寝る前のスマホ使用を避けてリラックスできる環境づくりが重要です。ウォーキングなどの軽い運動はストレス軽減や睡眠改善に役立ちますが、体調が悪い時は無理をせず休息を優先しましょう。

精神療法:認知行動療法、カウンセリング

認知行動療法(CBT)は、否定的な考え方のクセを見直し、より現実的で前向きな思考に整えることで、気分の落ち込みや不安、身体症状の改善に役立ちます。カウンセリングでは、専門家との対話を通して感情や悩みを整理でき、ストレス対処力や自己理解を深められます。これらの精神療法は根本的な改善や再発予防にも効果的です。

関連記事:うつ病の方は訪問看護を利用できる?受けられるサービスや利用方法を解説

吐き気以外に現れる症状と注意点

うつ病は、吐き気という身体症状だけでなく、様々な心身の不調を伴うことがあります。ご自身の状態をより深く理解し、適切な対応をとるために、吐き気以外に現れやすい症状について知っておきましょう。

その他の身体症状

うつ病によって引き起こされる可能性のある身体症状は多岐にわたります。代表的なものとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 頭痛・頭重感: 原因不明の頭痛や、頭が重く感じる感覚。
  • 倦怠感・疲労感: 十分な休息をとっても改善しない強い疲れやだるさ。
  • 食欲不振・過食: 食欲がなくなったり、逆に過食になったりする。
  • 不眠・過眠: 寝つきが悪かったり、夜中に何度も目が覚めたりする(不眠)。または、日中も眠気が強く、長時間寝てしまう(過眠)。
  • 動悸・息苦しさ: 理由なく心臓がドキドキしたり、息苦しさを感じたりする。
  • めまい: ふわふわするようなめまいや、立ちくらみ。
  • 肩こり・腰痛: 原因がはっきりしない体の痛みやこり。
  • 便秘・下痢: 消化器系の不調として、便秘や下痢を繰り返す。

これらの身体症状は、うつ病のサインである可能性があります。もし、これらの症状が長く続いたり、日常生活に支障をきたしたりする場合は、専門家への相談を検討しましょう。

精神症状と合併症

うつ病は、精神的な症状も特徴的です。吐き気という身体症状に加えて、以下のような精神症状が現れることがあります。

  • 気分の落ち込み: 悲しみ、空虚感、絶望感などが強く、気分が晴れない。
  • 意欲・関心の低下: これまで楽しめていたことへの興味を失い、何もする気になれない。
  • 集中力・記憶力の低下: 仕事や勉強に集中できなかったり、物事を覚えにくくなったりする。
  • 不安・焦燥感: 漠然とした不安感に襲われたり、落ち着きがなくなったりする。
  • イライラ感: 些細なことでカッとなったり、怒りっぽくなったりする。
  • 自己肯定感の低下: 自分を責めたり、価値がないと感じたりする。

これらの精神症状が長期化したり、重症化したりすると、うつ病が他の精神疾患(不安障害、パニック障害など)を併発したり、身体疾患(高血圧、糖尿病など)を悪化させたりする合併症を引き起こす可能性もあります。早期に適切な治療を受けることが、合併症の予防につながります。

専門医に相談する:適切な治療を受けるために

吐き気というつらい症状が続く場合、それはうつ病のサインかもしれません。しかし、一人で悩んでいても解決の糸口は見えにくいものです。専門家である精神科医や心療内科医に相談することは、症状の改善に向けて非常に重要です。ここでは、適切な専門医を見つけ、安心して治療を受けるためのステップを解説します。

精神科医・心療内科の選び方

信頼できる医師やクリニックを選ぶことは、治療を進めるうえで非常に重要です。まず、医師がうつ病や不安障害を専門としているかを確認し、説明が丁寧で話しやすいなど相性の良さも重視しましょう。クリニックの雰囲気やプライバシーへの配慮、アクセスの良さも通院を続けるうえで大切なポイントです。口コミも参考になりますが、主観が含まれるため参考程度にして、自分に合う医療機関を選ぶことが重要です。

治療の流れと費用

精神科・心療内科では、まず初診で問診が行われ、症状や生活状況をもとに診断と治療計画が立てられます。その後、定期的に通院し、薬の調整や精神療法を進めながら回復を目指します。費用は健康保険が適用され、診察料や薬代が中心ですが、カウンセリングなど自由診療の場合は別途料金が発生することがあります。受診前に料金の目安を確認しておくと安心です。

日常生活でできるセルフケア

これまで、うつ病と吐き気の関連性、原因の特定、そして専門的な治療法について解説してきました。しかし、専門的な治療と並行して、あるいは治療の初期段階で、ご自身で取り組めるセルフケアも非常に有効です。ここでは、日常生活の中で手軽に実践でき、吐き気やうつ病の症状緩和に役立つリラクゼーション法とストレス軽減法をご紹介します。

リラックス法:呼吸法、瞑想

心身の緊張を和らげ、リラックスすることは、うつ病による吐き気の症状を軽減する上で非常に大切です。ここでは、特別な道具も必要なく、いつでもどこでも実践できる呼吸法と瞑想をご紹介します。

腹式呼吸

  1. 楽な姿勢で座るか横になります。
  2. 手を一つはお腹に、もう一つは胸に当てます。
  3. 鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹が膨らむのを感じます。胸はあまり動かないように意識しましょう。
  4. 口をすぼめて、お腹をへこませるようにゆっくりと息を吐き出します。吸うときの倍くらいの時間をかけて吐き出すのが目安です。
  5. この呼吸を数分間、繰り返します。

深呼吸(胸式呼吸との組み合わせ)

  1. 鼻からゆっくりと息を吸い込みながら、お腹と胸を広げるように意識します。
  2. 息を吸いきったら、数秒間息を止めます。
  3. 口から「ふーっ」とゆっくりと息を吐き出します。
  4. これを数回繰り返します。

マインドフルネス瞑想

マインドフルネス瞑想は、「今、ここ」に意識を集中し、自分の思考や感情、身体感覚を評価せずにただ観察する練習です。これにより、不安やネガティブな思考にとらわれにくくなります。

  1. 静かで落ち着ける場所で、楽な姿勢で座ります。背筋は軽く伸ばし、肩の力は抜きましょう。
  2. 目を閉じるか、視線を一点に落とします。
  3. 自分の呼吸に意識を向けます。息が入ってくる感覚、出ていく感覚をただ感じます。
  4. もし考え事が浮かんできたら、それを無理に追い払おうとせず、「あ、考え事が浮かんできたな」と気づき、またそっと意識を呼吸に戻します。
  5. この状態を5分〜10分程度続けます。慣れてきたら時間を延ばしても良いでしょう。

これらのリラクゼーション法は、毎日少しずつでも続けることで、自律神経のバランスを整え、吐き気や不安感の軽減に繋がります。

ストレス軽減法:趣味、気分転換

ストレスはうつ病の大きな要因であり、吐き気などの身体症状を引き起こすこともあります。自分に合ったストレス軽減法を見つけ、積極的に取り入れることが大切です。

趣味に没頭する

読書、音楽鑑賞、絵を描く、手芸、ガーデニングなど、自分が心から楽しめる趣味に時間を使うことは、気分転換になり、ストレス解消に効果的です。没頭できる時間を持つことで、悩みから一時的に解放され、リフレッシュすることができます。

軽い運動を取り入れる

激しい運動である必要はありません。近所を散歩する、軽いジョギングをする、ストレッチをするなど、無理のない範囲での運動は、気分転換になるだけでなく、セロトニンなどの脳内物質の分泌を促し、気分の改善に役立ちます。太陽の光を浴びながらの散歩は、体内時計を整える効果も期待できます。

自然に触れる

公園を散歩したり、植物を育てたり、窓から空を眺めたりするなど、自然に触れる機会を作ることも、心を落ち着かせる効果があります。自然の音を聞いたり、緑を見たりすることで、リラックス効果が得られます。

気分転換になる活動

好きな音楽を聴く、温かい飲み物を飲む、友人や家族と話す、ペットと触れ合う、アロマテラピーを楽しむなど、自分が心地よいと感じる活動を見つけて、意識的に生活に取り入れてみましょう。短時間でも良いので、意識的に気分転換を図ることが大切です。

これらのセルフケアは、あくまで補助的なものであり、専門的な治療に代わるものではありません。しかし、日々の生活の中で実践することで、症状の緩和や再発予防に繋がり、より健やかな毎日を送るための一助となるでしょう。

まとめ:吐き気に悩むあなたへ、希望を捨てないで

うつ病による吐き気は、心の不調が自律神経に影響し、消化器症状として現れるつらい症状です。しかし適切な理解と対処で改善は十分可能です。まずは専門医に相談し、症状の原因を明確にすることが大切です。医師による治療に加え、深呼吸や瞑想、適度な気分転換、質の良い睡眠などのセルフケアも症状緩和に役立ちます。あなたは一人ではなく、多くの人が同じ悩みを乗り越えています。無理をせず、自分の心と体に寄り添いながら前に進んでいきましょう。

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この記事を監修した人

石森寛隆

株式会社 Make Care 代表取締役 CEO

石森 寛隆

Web プロデューサー / Web ディレクター / 起業家

ソフト・オン・デマンドでWeb事業責任者を務めた後、Web制作・アプリ開発会社を起業し10年経営。廃業・自己破産・生活保護を経験し、ザッパラス社長室で事業推進に携わる。その後、中野・濱𦚰とともに精神科訪問看護の事業に参画。2025年7月より株式会社Make CareのCEOとして訪問看護×テクノロジー×マーケティングの挑戦を続けている。

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