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うつ病で太るって本当?うつ病で太る原因と効果的なダイエット方法

精神科訪問看護とは

「うつ病になってから太りやすくなった気がする…」 そんな悩みを抱えていませんか?うつ病と体重増加には、薬の副作用、食欲の変化、運動不足など、さまざまな要因が関係しています。一人で不安を抱える必要はありません。

この記事では、精神科医監修のもと「なぜ太るのか?」をわかりやすく解説し、今日から始められる対策や、心と体を整えるヒントをご紹介します。

うつ病で太る原因とは?

うつ病の治療中に体重が増加してしまうことは、多くの方が経験されることです。その原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。ここでは、うつ病と体重増加の主な原因について、専門的な視点から解説していきます。ご自身の状況を理解する一助となれば幸いです。

薬の副作用

うつ病の治療に用いられるお薬の中には、副作用として体重増加を引き起こすものがあります。これは、脳内の神経伝達物質のバランスを調整する過程で、食欲を増進させたり、代謝を低下させたりする作用によるものです。特に、一部の抗うつ薬(例:三環系抗うつ薬、一部の非定型抗精神病薬など)は、体重増加のリスクが比較的高いことが知られています。

しかし、全てのうつ病治療薬が体重増加を引き起こすわけではありませんし、副作用の現れ方や程度には個人差が大きいです。お薬との付き合い方については、後ほど詳しく触れていきますが、まずは「薬のせいで太ることもある」という可能性を理解しておくことが大切です。

食生活の変化

うつ病による気分の落ち込みや意欲の低下は、食生活に大きな影響を与えることがあります。症状が重い時期には、食事の準備をする気力がなくなったり、食欲がなくなったりする方もいれば、逆に「気分転換」や「心の穴を埋める」ために、甘いものや脂っこいものを過剰に摂取してしまう(過食)方もいらっしゃいます。

また、活動量が減ることで、以前と同じ食事量でも摂取カロリーが消費カロリーを上回り、体重が増加してしまうこともあります。栄養バランスが偏った食事や、不規則な食習慣は、体重増加だけでなく、心身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

運動不足

うつ病の症状として、強い倦怠感や無気力感、何事にも興味が持てなくなる(意欲低下)といったものが挙げられます。これらの症状により、以前は楽しめていた運動や、日常生活での活動量が極端に減ってしまうことがあります。体を動かす機会が減ると、消費されるカロリーが少なくなるだけでなく、筋肉量が低下し、基礎代謝も落ちてしまいます。その結果、たとえ食事内容が変わらなくても、太りやすくなり、体重が増加していくことにつながります。運動へのハードルを高く感じてしまうのは、うつ病の症状によるものが大きいのです。

ストレス

うつ病そのものが、心にとって非常に大きなストレス状態と言えます。慢性的なストレスにさらされると、私たちの体は「ストレスホルモン」と呼ばれるコルチゾールなどを分泌します。このコルチゾールには、食欲を増進させる作用や、特に内臓脂肪を蓄えやすくする作用があることが知られています。

つまり、うつ病というストレスフルな状態が、生理学的に体重増加を招きやすい体質に変えてしまうことがあるのです。精神的なつらさが、直接的に身体の変化として現れることがあることを理解しておくことは、ご自身の状態を客観的に捉える上で重要です。

関連記事:うつ病の治し方|医師が教える回復への具体的な方法と注意点

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専門医が解説!体重増加を防ぐための対策

うつ病の治療を進める中で体重が増加してしまい、悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、正しい知識と実践的なアプローチで、健康的な体重管理は可能です。ここでは、精神科医や管理栄養士の専門的な視点から、体重増加を防ぎ、心と体の健康を取り戻すための具体的な方法をご紹介します。

食事の見直し

管理栄養士監修のもと、うつ病患者さんでも実践しやすい、バランスの取れた食事の摂り方や、間食の賢い選び方・コントロール方法を具体的にご紹介します。まず、基本となるのは「主食・主菜・副菜」を揃えたバランスの良い食事です。これらを毎食意識することで、必要な栄養素を偏りなく摂取できます。

具体的な食事メニュー例

メニュー例 ポイント
朝食 全粒粉パン、スクランブルエッグ、季節のフルーツ、ヨーグルト(無糖) 炭水化物、タンパク質、ビタミン・ミネラルをバランス良く摂取。食物繊維も豊富です。
昼食 鶏むね肉のソテー(野菜添え)、玄米ごはん、きのこのスープ 低脂肪高タンパクな鶏むね肉と、複合炭水化物である玄米でエネルギーを補給。野菜ときのこで食物繊維とビタミン・ミネラルをプラス。
夕食 鮭の塩焼き、ほうれん草のおひたし、豆腐とわかめの味噌汁、雑穀米 良質なタンパク質とDHA・EPAを含む鮭を中心に、野菜、豆腐で栄養バランスを整えます。雑穀米で食物繊維も摂取。

間食のコントロール

間食は、空腹感を紛らわせたり、気分転換になったりする一方で、摂りすぎは体重増加の原因になります。間食を選ぶ際は、栄養価が高く、腹持ちの良いものを選びましょう。例えば、ナッツ類(無塩)、ヨーグルト(無糖)、果物などがおすすめです。また、食べる時間帯も重要です。夕食後や寝る直前の間食は避け、活動量の多い日中に摂るように心がけましょう。

運動習慣の確立

うつ病の症状を考慮し、無理なく始められる運動の重要性と、具体的な方法をご提案します。運動は、体重管理だけでなく、気分の落ち込みを軽減し、ストレス解消にもつながるため、積極的に取り入れたい習慣です。

無理なく始められる運動

  • ウォーキング: まずは1日15分程度から、近所を散歩することから始めましょう。慣れてきたら、時間や距離を少しずつ延ばしていきます。景色を楽しみながら、リラックスして歩くことが大切です。
  • 軽いストレッチ: 就寝前や起床時に、軽いストレッチを取り入れるのも効果的です。体のこわばりをほぐし、リラックス効果も期待できます。YouTubeなどで「うつ病 ストレッチ」などで検索すると、初心者向けの動画が見つかります。
  • 自宅でできる簡単なエクササイズ: スクワットや腹筋など、自宅でできる簡単な筋力トレーニングもおすすめです。回数やセット数は無理のない範囲で行いましょう。

継続のコツ

運動を続けるためには、「楽しむこと」が最も重要です。好きな音楽を聴きながら、家族や友人と一緒に、またはペットと散歩するなど、自分に合った方法を見つけましょう。また、毎日完璧を目指さず、「今日は少しだけ」でも良いので、体を動かす習慣を維持することが大切です。

ストレス管理

うつ病の症状を悪化させず、体重増加にもつながるストレスを効果的に管理する方法を紹介します。ストレスは、食欲の増進や、運動意欲の低下を招くことがあります。意識的にストレスを軽減する工夫を取り入れましょう。

リラクゼーション法

  • 深呼吸: ゆっくりと鼻から息を吸い込み、口からゆっくりと吐き出す腹式呼吸を数回繰り返します。心が落ち着くのを感じられるでしょう。
  • 瞑想(マインドフルネス): 数分間、静かな場所で自分の呼吸や体の感覚に意識を集中させます。思考を無理に止めようとせず、ただ観察することがポイントです。
  • アロマテラピー: リラックス効果のあるラベンダーやカモミールなどのアロマオイルを使用するのも良いでしょう。

適切な休息と気分転換

十分な休息は、ストレス軽減に不可欠です。疲れていると感じたら、無理せず休息を取りましょう。また、好きな音楽を聴く、読書をする、映画を観る、軽い散歩に出かけるなど、自分が心地よいと感じる活動(趣味)を見つけて、気分転換を図ることも大切です。

睡眠の質の向上

質の高い睡眠は、体重管理とメンタルの安定に欠かせません。睡眠不足になると食欲を増やすホルモンが増加し、代謝も落ちるため、太りやすくなります。そのため、まずは毎日同じ時間に寝起きする習慣を整え、体内時計を安定させることが重要です。

また、寝室は暗く静かで、快適な温度に保ちましょう。就寝前はスマホやPCの使用を控え、軽い読書や音楽などで心を落ち着ける時間を作ることも効果的です。さらに、寝る前のカフェインやアルコールは睡眠を妨げるため控えるのがおすすめです。しっかり眠ることは、心身の回復を促し、日中の活動量を高め、過食の防止にもつながります。

うつ病と体重管理の体験談

ここまで、うつ病と体重増加の原因や、専門家が推奨する具体的な対策について解説してきました。しかし、理論だけではなかなか行動に移せなかったり、不安が拭えなかったりすることもあるかと思います。

そこで今回は、実際にうつ病を経験し、体重増加に悩んだ末にそれを克服、あるいは管理に成功した方々のリアルな体験談をお届けします。成功事例だけでなく、失敗談から得られる教訓も共有することで、読者の皆さんがご自身の状況に置き換えて、希望と勇気を感じていただけたら幸いです。

成功事例

「うつ病と診断されてから、食欲が止まらなくなり、半年で10キロも太ってしまいました。薬の副作用もあるのかもしれませんが、それ以上に、何もやる気が起きず、食べることでしか心の穴を埋められないような状態でした。でも、このままではいけないと思い、まずは主治医に相談しました。薬の調整や、カウンセリングを続ける中で、少しずつですが、自分を責めずに、できることから始めようと思えるようになったんです。

私が取り組んだのは、まず食事内容の見直しです。それまでジャンクフードや甘いものが中心でしたが、野菜を増やし、タンパク質をしっかり摂るように心がけました。いきなり完璧を目指すのではなく、まずは「1日1食はバランスの取れた食事にする」という目標を立て、達成できたら自分を褒めるようにしました。

次に、運動です。以前はジムに通っていましたが、うつ状態がひどい時はそれも難しく、外に出るのも億劫でした。そこで、自宅でできる簡単なストレッチや、近所を10分だけ散歩することから始めました。雨の日でもできること、気分が乗らない日でも「これだけはやろう」と思える簡単なことを見つけるのがポイントでした。音楽を聴きながら歩いたり、好きな景色を見つけたりと、楽しみながら続けられる工夫もしました。

一番大きかったのは、完璧主義を手放したことです。「今日はできなかった」と落ち込むのではなく、「明日はまた頑張ろう」と切り替えられるようになったことです。体重の増減に一喜一憂せず、長期的な視点で、心と体の健康を取り戻すことを大切にしました。今では、体重は治療開始前に戻り、何より、以前のように前向きな気持ちで日々を過ごせるようになったことが一番の成果だと感じています。」

失敗事例

「うつ病の治療を始めて数年経ちますが、体重増加にはずっと悩まされてきました。特に、抗うつ剤の副作用で食欲が増し、以前は好きだった運動も億劫になってしまい、みるみるうちに体重が増えていきました。

『痩せなきゃ』という焦りから、極端な食事制限を試したこともあります。しかし、栄養が偏ってしまい、かえって体調を崩してしまったり、反動で過食に走ってしまったりと、うまくいきませんでした。また、家族や友人から『もっと頑張れば?』と言われることもありましたが、うつ病の症状で十分苦しんでいるのに、さらに追い詰められているような気持ちになり、余計に何もできなくなってしまった経験もあります。

一番の失敗は、一人で抱え込んでしまったことだと思います。誰かに相談することなく、『自分が弱いからだ』と自分を責め続けていました。しかし、ある時、主治医に『体重増加も病気の一部として捉え、焦らず、できることから少しずつ改善していきましょう』と言われたことで、気持ちが楽になりました。

それからは、無理なダイエットではなく、管理栄養士さんに相談して、うつ病でも続けやすい食事の摂り方を教えてもらったり、気分転換になるような軽い運動を、できる範囲で取り入れるようにしました。すぐに結果は出ませんでしたが、少しずつですが、心と体のバランスが整ってくるのを感じています。焦らず、自分のペースで進むことの大切さを学びました。」

うつ病と上手く付き合いながら健康的に痩せるために

ここまでのセクションでは、うつ病による体重増加の原因と、具体的な食事や運動、ストレス管理の方法について解説してきました。しかし、うつ病の症状は波があり、体重管理も一朝一夕にはいかないものです。そこでこのセクションでは、うつ病と上手く付き合いながら、長期的に健康的な体重を維持していくための、専門家からのアドバイスやサポート体制の活用について詳しく見ていきましょう。

専門家のアドバイス

うつ病と体重管理を両立させるためには、専門家の継続的なサポートが不可欠です。主治医である精神科医は、薬の調整や症状の波に対する最適なアプローチについて、あなたの状態を最もよく理解しています。体重増加の原因が薬の副作用にある場合でも、医師は代替薬の検討や、副作用を軽減する方法を提案してくれるでしょう。

また、管理栄養士は、うつ病の症状(食欲不振、過食、気分の落ち込みによる調理意欲の低下など)を考慮した上で、栄養バランスの取れた食事プランを作成し、無理なく続けられる食習慣の改善をサポートしてくれます。

これらの専門家と定期的にコミュニケーションを取り、現在の体重管理の状況や、それに伴う精神的な負担について率直に話し合うことが重要です。症状が安定している時期も、不安定な時期も、専門家のアドバイスを受けることで、より安全かつ効果的に体重管理を進めることができ、再発防止にもつながります。

サポート体制の活用

体重管理の道のりは、一人で抱え込むと精神的な負担が大きくなりがちです。同じような悩みを抱える仲間との繋がりは、大きな支えとなります。医療機関のほかにも、うつ病患者向けの自助グループやオンラインコミュニティが存在します。これらの場では、日々の体重管理の工夫や、それに伴う感情の共有、励まし合いなどが活発に行われています。

また、公的な相談窓口や、地域の保健センターなども、うつ病に関する悩みや健康相談に対応しています。これらのサポート体制を積極的に活用することで、孤立感を軽減し、モチベーションを維持することができます。大切なのは、「一人ではない」という感覚を持つことです。仲間や専門家のサポートを得ながら、焦らず、ご自身のペースで健康的な生活習慣を築いていきましょう。

まとめ

この記事では、うつ病と体重増加の複雑な関係について、その原因から具体的な対策までを精神科医監修のもと、詳しく解説してきました。薬の副作用、食生活の変化、運動不足、そしてストレスといった要因がどのように体重増加につながるのか、そしてそれらにどう対処していくべきかについて、ご理解いただけたかと思います。

重要なのは、うつ病の治療と体重管理は両立可能であるということです。今日からできる食事の見直し、無理のない運動習慣の確立、そして効果的なストレス管理を取り入れることで、心と体の健康は着実に改善していきます。

もし、あなたが今、うつ病と体重増加で悩んでいるなら、一人で抱え込まないでください。専門家のアドバイスを求め、周囲のサポートを活用しながら、一歩ずつ前進していきましょう。この記事が、あなたが再び自信を取り戻し、より健やかな毎日を送るための一助となれば幸いです。

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この記事を監修した人

石森寛隆

株式会社 Make Care 代表取締役 CEO

石森 寛隆

Web プロデューサー / Web ディレクター / 起業家

ソフト・オン・デマンドでWeb事業責任者を務めた後、Web制作・アプリ開発会社を起業し10年経営。廃業・自己破産・生活保護を経験し、ザッパラス社長室で事業推進に携わる。その後、中野・濱𦚰とともに精神科訪問看護の事業に参画。2025年7月より株式会社Make CareのCEOとして訪問看護×テクノロジー×マーケティングの挑戦を続けている。

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