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うつ病で攻撃的になるのはなぜ?接し方とは?原因や接し方を解説

精神科訪問看護とは

気分の落ち込みや意欲低下などの症状が見られるうつ病ですが、なかには「攻撃的になる」方もいます。

家族がうつ病で攻撃的になってしまい、どのように接すればいいかわからず、困っている方もいるでしょう。

この記事では、うつ病の人が攻撃的になる原因や、適切な接し方を解説します。


うつ病は攻撃的になるケースもある精神疾患の1つ

精神病のなかには、苛立ちや感情の高まりが起こる病気があり、うつ病もその1つです。

うつ病では、気分の変動や心身の不調を伴う「抑うつ症候群」が見られる場合があります。
抑うつ症候群では、気持ちの沈み込みや倦怠感などのほか、精神的な興奮が起こる場合があるのです。

うつ病で必ず攻撃的になる訳ではありませんが、万が一の場合に適切な対応がとれるよう、接し方を身に付けておくことが大切です。

参照:MSDマニュアル/抑うつ症候群


うつ病で攻撃的になる原因

うつ病の方がイライラしたり暴れたりする原因として、以下があります。

・脳内神経伝達物質の異常
・治療薬の副作用

それぞれ見ていきましょう。


脳内神経伝達物質の異常

うつ病で気分や態度が変わる原因の1つが、脳内神経伝達物質の異常です。

うつ病は、セロトニンやノルアドレナリン、アセチルコリンなどの「脳内ホルモン」のバランスが崩れて発症すると言われています。

これらの物質は、気分の安定や感情の制御に関わるため、正常に分泌されないと発言や行動をうまくコントロールできません。

気分の浮き沈みが激しい場合や、以前と比べて態度の豹変が見られる場合は、うつ病で脳内ホルモンのバランスが乱れている可能性があるでしょう。

参照:厚生労働省/うつ病


治療薬の副作用

うつ病の服薬治療中は、苛立ちや気分の興奮などの副作用を持つものもあります。
たとえば、うつ病の治療薬であるSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)では、不安や焦り、パニック症状などの副作用が生じる場合があります。

また、服用を始めてすぐの時期や薬の分量が変化したタイミングでは、副作用が強く出現し、強い態度を示す場合もあるでしょう。

参照:厚生労働省/選択的セロトニン再取り込み阻害剤
(SSRI)等と攻撃性等について



うつ病で攻撃的になっている人との接し方

うつ病で攻撃的になっている人との接し方として、以下のポイントを押さえておきましょう。

・穏やかな態度で話を聞く
・あたたかい言葉をかける
・適切な距離を保つ

詳しく見ていきましょう。


穏やかな態度で話を聞く

うつ病の方と接する際は、穏やかな態度を心掛けましょう。

苛立ちや強い態度を示すときは、本人もコントロールできない不安やストレスなどに苦しんでいる場合があります。

暴言や威圧的な態度が見られても「病気のせいだ」と理解し、本人の気持ちに寄り添って話を聞いてみてください。


あたたかい言葉をかける

うつ病の方に対しては、あたたかい言葉をかけてあげるのも大切です。

うつ病の方は、自分の存在に価値を感じなくなったり、ささいな出来事で落ち込んだりし、症状が悪化する場合があります。

「つらいね、大変だったね」と共感を示す言葉や「無理をしなくていいからね」と、安心感を与える言葉を掛けてあげると、精神的な安定に繋がり、気分や態度が落ち着く場合があります。

強い言葉や態度を使うからといって拒絶すると、症状が悪化する可能性もあるため、意識してあたたかい言葉をかけるようにしましょう。


適切な距離を保つ

攻撃的なタイミングでは、適切な距離を取ることも大切です。

うつ病の方のなかには、苛立ちや精神的な興奮から、暴力的な言動が見られる方もいます。

状況によっては、家族や周囲の人がケガをするかもしれません。

暴れてしまう場合や、過度に神経質な様子が見られる場合には、距離をおいて様子を伺うようにしましょう。


うつ病では家族や周りが疲れる場合もある

うつ病で攻撃的になっている家族への対応は難しいケースもあります。

そのような場合は、精神科の受診に同行して医師と相談したり、保健所や精神保健福祉センターに相談したりなど、専門家のサポートを受けるとよいでしょう。

さらに直接的なサポートを希望する場合は、訪問看護を利用するのも手段の1つです。

訪問看護では、自宅に看護師が伺い、症状のケアや服薬の管理を受けられます。

家族との接し方についての相談もできるため、支援が必要だと感じる方は、訪問看護の利用も検討してみましょう。

関連記事:うつ病の支援方法を徹底解説:症状別アプローチと回復に向けた支援の重要性


うつ病で攻撃的な態度が見られるときは訪問看護に相談を

うつ病の方は、抑うつ症状や薬の副作用などが原因で攻撃的になる場合があります。
強い言葉や態度に対応するのは、支える家族にとって精神的にも身体的にもつらいかもしれません。

しかし、本人も自分の気持ちをコントロールできずに苦しんでいる場合が多いです。
自分も安全を確保しつつ、適切な距離感で接し、回復をサポートしてあげましょう。

『訪問看護ステーションくるみ』では、うつ病の本人へのケアや、家族の対応方法についての相談を受け付けています。

家族だけではうつ病に対応できないと感じる場合は『こちら』から、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

鬼頭怜那

鬼頭 怜那(きとうれな)

看護師 / 産業心理カウンセラー

看護師資格を取得後、産科病棟で勤務。その後、精神科の急性期・慢性期病棟にて、精神疾患だけでなく身体疾患のある患者の看護にも携わる。精神科の訪問看護での勤務経験も活かしながら、現在はライターとして医療・薬理・在宅ケア・メンタルヘルスに関する記事を執筆中。

この記事を監修した人

鬼頭怜那

鬼頭 怜那(きとうれな)

看護師 / 産業心理カウンセラー

看護師資格を取得後、産科病棟で勤務。その後、精神科の急性期・慢性期病棟にて、精神疾患だけでなく身体疾患のある患者の看護にも携わる。精神科の訪問看護での勤務経験も活かしながら、現在はライターとして医療・薬理・在宅ケア・メンタルヘルスに関する記事を執筆中。

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