妄想性障害の人との接し方|具体的な会話例と、やってはいけないこと
精神科訪問看護とは「最近、パートナーや家族の言動に違和感を覚える…もしかして、妄想性障害? どう接したら良いか分からず、関係が悪化するのではないかと不安に感じている方もいるかもしれません。
大切な人を支えたいというあなたの思いに応えるために、この記事では、妄想性障害を持つ人と良好な関係を築くための具体的な接し方、やってはいけないこと、そして専門家への相談方法などを分かりやすく解説します。 読み終わる頃には、きっとあなたも、大切な人との未来を明るく描けるはずです。
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妄想性障害とは? まずは基礎知識を理解しよう

身近な方が妄想性障害かもしれないと不安に感じているあなたへ。まずは、この病気について正しく理解を深めることが、適切な対応への第一歩となります。このセクションでは、妄想性障害の基本的な定義、特徴、原因、種類、そして何よりも大切な、その方がどのような心理状態にあるのかを分かりやすく解説します。この知識を得ることで、漠然とした不安が解消され、より建設的な関わり方ができるようになるはずです。
妄想性障害の定義と特徴
妄想性障害は、実際には存在しないことを確信してしまう「妄想」が思考や行動の中心となる精神疾患です。妄想の内容は「監視されている」「陰謀を企てられている」「毒を盛られている」など現実とかけ離れていることが多い点が特徴です。
一方で、妄想以外の思考力や社会生活の能力は比較的保たれることが多く、周囲には理解しづらい行動に見える場合があります。妄想は「嫉妬妄想」「被害妄想」「誇大妄想」など特定のテーマに限定されることが多く、強く信じ込むため、否定されると強く反発することもあります。
関連記事:妄想がある場合どのような病気が考えられる?病気の症状を解説
妄想性障害の原因と種類
妄想性障害の原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝、脳内の神経伝達物質の不均衡、幼少期の環境、ストレスなど複数の要因が組み合わさって発症すると考えられています。こうした要因が精神的な脆弱性と結びつくことで妄想が生じやすくなるとされています。
妄想性障害は妄想の内容によって種類が分かれます。代表的なものに、危害を加えられていると信じる「被害妄想」、根拠なくパートナーの不貞を確信する「嫉妬妄想」があります。
そのほか、自分が特別な能力を持つと信じる「誇大妄想」、誰かが自分に恋愛感情を抱いていると信じる「恋愛妄想」、さらに「宗教妄想」や「身体妄想」などさまざまなタイプが存在します。
関連記事:妄想の種類を徹底解説|代表例と出現する病気・治療法
妄想性障害の人の心理状態
妄想性障害の方は、自分の妄想を現実だと確信しており、他者が見ている現実との違いに気づいていません。そのため、妄想を否定されると受け入れられず、攻撃された、真実を隠されたと感じてしまうことがあります。
この結果、他者への不信感や猜疑心が強まり、孤立しやすくなります。また、妄想による恐怖や不安を常に抱えているため精神的負担が大きい一方、それをうまく伝えられず、内向的または攻撃的になることもあります。彼らの行動の背景には深い不安や傷つきやすさがあることを理解する姿勢が大切です。
妄想性障害の人との接し方|基本の5つのポイント
身近な人が妄想性障害かもしれないと悩んでいるあなたへ。ここでは、相手との関係を悪化させずに、より良いコミュニケーションを築くための具体的な5つの接し方をご紹介します。これらのポイントは、専門家の知見や当事者の経験に基づいたもので、実践することで相手の心を和らげ、信頼関係を深める一助となるはずです。
関連記事:被害妄想の人への対応|統合失調症のほかに考えられる疾患とは?
否定しない、頭ごなしに否定しない
妄想性障害を持つ人は、その人にとって「現実」として強く信じ込んでいることがあります。そのため、その妄想を頭ごなしに「それは違う」「ありえない」と否定してしまうと、相手は激しく抵抗したり、心を閉ざしたりする可能性があります。
まずは、相手の訴えや考えを「そういう風に感じているんだな」と、一旦受け止める姿勢を見せることが大切です。頭ごなしの否定は、相手を追い詰めるだけでなく、あなたへの不信感を募らせる原因にもなりかねません。相手の妄想そのものを肯定する必要はありませんが、そのように感じている「気持ち」には寄り添う姿勢を示しましょう。
共感を示す、気持ちを理解しようと努める
相手の言っていることが現実離れしていると感じたとしても、その人が抱えている「不安」「恐怖」「怒り」といった感情は本物です。まずは、その感情に焦点を当て、「それはとても不安だろうね」「怖い思いをしているんだね」と、相手の気持ちに寄り添う言葉を伝えてみてください。
共感を示すことで、相手は「自分の気持ちを理解してもらえている」と感じ、安心感を覚えることがあります。この安心感が、あなたへの信頼関係を築く第一歩となります。相手の妄想の内容そのものに深入りするのではなく、その背後にある感情に注目することが重要です。
冷静に対応する、感情的にならない
相手の言動に戸惑ったり、不当な非難を受けたりすると、つい感情的になって反論したくなるものです。しかし、感情的な対応は状況を悪化させるだけです。相手の妄想に引きずられず、落ち着いたトーンで話すことを心がけましょう。
もし、相手の言動がエスカレートして冷静に対応するのが難しい場合は、一度その場を離れて、時間をおいてから再度話をするようにするのも有効です。深呼吸をする、数えるなど、自分自身の感情をコントロールするための方法を事前に準備しておくと良いでしょう。
具体的な言葉で話す、分かりやすく伝える
妄想性障害を持つ人は、言葉の裏を読んだり、曖昧な表現を誤解したりすることがあります。そのため、コミュニケーションをとる際は、できるだけ具体的で分かりやすい言葉を選びましょう。
例えば、「後でね」ではなく「〇時頃に連絡するね」のように、日時を明確に伝えることが大切です。また、一度に多くの情報を伝えようとせず、短く簡潔に話すことを心がけてください。相手が理解できているかを確認しながら、ゆっくりと話を進めましょう。
専門家への相談を促す
あなたがどんなに努力しても、一人で抱えきれないことや、専門的な知識が必要となる場面が出てきます。本人が苦しんでいる様子が見られる場合や、あなた自身の負担が大きいと感じる場合は、専門家への相談を促すことが重要です。
例えば、「専門家の方に相談してみたら、もっと安心できるかもしれないよ」といった形で、優しく提案してみましょう。精神科医やカウンセラーは、専門的な知識と経験に基づいた適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。本人が抵抗を示す場合は、まずはあなたが相談窓口に連絡してみることも有効です。
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妄想性障害の方に対するNGな接し方

妄想性障害を持つ方との関わりでは、良かれと思ってしたことがかえって関係を悪化させてしまうことがあります。ここでは、特に避けるべきNG行動とその理由を具体的に解説します。これらの行動を避けることで、相手を傷つけたり、さらなる混乱を招いたりするリスクを減らし、より建設的な関わりを目指しましょう。
嘘をつく、ごまかす
相手の妄想に対して、その内容が事実でないと分かっていても、その場しのぎで嘘をついたり、話をはぐらかしたりすることは、長期的に見ると関係を損なう原因となります。相手は、あなたが自分を欺いている、あるいは自分の話を真剣に聞いていないと感じる可能性があります。
一度嘘が露呈すると、それ以降のあなたの言葉への信頼は大きく揺らぎ、妄想がさらに強固になることも少なくありません。たとえ相手の妄想が現実離れしていても、まずはその「感情」に寄り添う姿勢を見せることが大切です。例えば、「そう感じているんですね」「それはとても不安ですね」といった共感の言葉を伝え、相手の訴えを頭ごなしに否定しないようにしましょう。
議論する、説得しようとする
妄想性障害の人の思考は、論理的な説明や証拠によって容易に覆るものではありません。むしろ、妄想に対して議論を挑んだり、間違っていると説得しようとしたりすることは、相手を追い詰め、防御的な態度を取らせるだけになりがちです。相手は、あなたを「敵」とみなし、自分の妄想をさらに正当化しようとするかもしれません。
例えば、「そんなことはない」「証拠がないだろう」といった反論は避け、「そういう風に思ってしまうんですね」と、相手の感じていることを受け止める姿勢を見せることが重要です。無理に現実を押し付けるのではなく、相手のペースに合わせて、安心できる環境を作ることを優先しましょう。
責める、非難する
妄想性障害の人は、しばしば自分が被害を受けていると感じています。そのため、その妄想の原因を本人に求めたり、非難したりするような言動は、相手の被害感を増幅させ、強い抵抗感や敵意を抱かせることになります。
例えば、「あなたがそう考えるからいけないんだ」「もっとしっかりしなさい」といった言葉は、相手をさらに孤立させ、精神的に追い詰めてしまう可能性があります。相手の言動の背景にある不安や恐怖に目を向け、責めるのではなく、どうすればその不安を和らげられるかを一緒に考える姿勢が求められます。
放置する、無視する
相手の訴えや言動に過度に反応しないことは大切ですが、だからといって全てを放置したり、無視したりすることは、相手をさらに不安にさせ、孤独感を深める可能性があります。特に、相手が助けを求めているサインを出している場合や、危険な行動につながりかねない妄想を抱いている場合には、適切な対応が必要です。
無視されたと感じた相手は、さらに自分の主張を強く訴えようとしたり、別の方法で関心を引こうとしたりするかもしれません。問題行動を放置するのではなく、まずは相手の話に耳を傾け、必要であれば専門家への相談を促すなど、建設的な対応を検討することが重要です。
家族・パートナーができること

身近な人が妄想性障害を抱えていると、ご家族やパートナーの方は、その方の言動に戸惑い、精神的に大きな負担を感じることが少なくありません。しかし、一人で抱え込まず、適切な知識とサポートを得ることで、より良い関係を築き、本人を支えることが可能になります。ここでは、ご家族やパートナーの方が抱えがちな悩みと、それらに対する具体的な対応策、そして専門家との連携や利用できる支援制度について解説します。
家族が抱えやすい悩みと対応策
妄想性障害を持つ方の言動は、時に理解しがたく、ご家族やパートナーの方を深く傷つけたり、不安にさせたりすることがあります。例えば、「自分だけが責められている」「家族が裏で悪口を言っている」といった妄想を向けられたり、些細なことで激しく非難されたりすることもあるでしょう。
こうした状況が続くと、「どうしてこんなことになったのか」「自分が何か悪いことをしたのだろうか」と自らを責めたり、疲弊してしまったりすることがあります。また、本人の言動に振り回され、日常生活に支障が出たり、周囲との関係が悪化したりすることへの恐れも抱えがちです。
このような悩みを抱えたときは、まずご自身の感情を否定せず、受け止めることが大切です。そして、以下の対応策を試みてください。
- 感情的にならず、冷静に対応する
- 否定せず、受け止める姿勢を示す
- 具体的な事実に基づいて話す
- 休息と気分転換を確保する
- 第三者に相談する
専門家との連携の重要性
妄想性障害を持つ方を支える上で、精神科医やカウンセラーといった専門家との連携は非常に重要です。専門家は、病気に関する正確な知識を持ち、適切な診断や治療法を提供できるだけでなく、ご家族やパートナーの方々が抱える悩みに対しても、専門的な視点からアドバイスやサポートをしてくれます。
専門家と連携するメリットは以下の通りです。
- 正確な病状の理解
- 効果的な対応策の指導
- 精神的なサポート
- 治療方針の共有と協力
連携の方法としては、まず精神科や心療内科を受診し、医師に相談することから始めましょう。多くの場合、患者さん本人の同意を得た上で、ご家族向けの相談や情報提供が行われます。また、地域の精神保健福祉センターや、NPO法人などが開催する家族教室や家族会に参加することも、有益な情報交換や精神的な支えを得る機会となります。
相談窓口と利用できる支援制度
妄想性障害を持つ方やそのご家族が利用できる相談窓口や支援制度は、いくつか存在します。一人で抱え込まず、積極的に活用しましょう。
- 精神保健福祉センター
- 保健所
- 精神科・心療内科の医療機関
- 家族会
- NPO法人・支援団体
また、利用できる公的な支援制度としては、以下のようなものがあります。
- 精神保健福祉手帳
- 障害者総合支援法に基づくサービス
- 自立支援医療(精神通院医療)
これらの制度や窓口に関する詳しい情報は、お住まいの市区町村の役所や、精神保健福祉センターなどで入手できます。ご自身の状況に合わせて、利用できる制度を積極的に活用し、孤立せずにサポート体制を整えていきましょう。
まとめ
ここまで、妄想性障害の基礎知識から接し方、家族や周囲の支援方法まで解説してきました。大切な人の苦しみに寄り添うことは簡単ではありませんが、この記事で得た知識は、その道のりを支える大きな助けになるはずです。
覚えておいてほしいのは、あなたが一人ではないということです。専門家の力や支援制度を活用し、否定せず、共感し、冷静に向き合うことで、少しずつ信頼関係を築いていくことができます。うまくいかない時も自分を責めず、自分自身の心の健康も大切にしてください。
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