クルミのアトリエ クルミのアトリエ TOPへもどる
  1. トップページ
  2. コラム
  3. 過食症の薬物 ...

過食症の薬物療法とは?効果や種類、副作用について専門医が解説

精神科訪問看護とは

「過食症で辛い…」「薬で症状は改善するの?」 過食症は、一人で抱え込まず、適切な治療を受けることで改善が期待できます。この記事では、過食症の薬物療法について、その効果、種類、副作用、そして治療のポイントを専門医が分かりやすく解説します。

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

過食症とは?

過食症は、摂食障害の一種であり、コントロールできないほどの食欲に襲われ、短時間に大量の食べ物を食べる「むちゃ食い(過食)」と、その後に体重増加を防ぐための不適切な代償行為(自己誘発性嘔吐、下剤の乱用、過度な運動など)を繰り返す状態を指します。一人で悩みを抱え込み、苦しんでいる方が少なくありませんが、適切な治療を受けることで改善が期待できる病気です。

過食症の症状と種類

過食症の最も特徴的な症状は、「むちゃ食い」と呼ばれる、短時間で制御不能なほど大量の食物を摂取してしまうことです。このむちゃ食いは、本人の意思に反して起こり、食べた後には強い罪悪感や自己嫌悪に襲われることが一般的です。

むちゃ食いの後には、体重増加への恐怖から、以下のような代償行為が行われることがあります。

  • 自己誘発性嘔吐: 意図的に吐いて食べたものを排出する行為。
  • 下剤や利尿薬の乱用: 体外への排出を促し、体重を減らそうとする行為。
  • 過度な運動: 食べた分を消費しようと、異常なほど激しい運動をする行為。

これらの代償行為の有無によって、過食症は主に以下の2つのタイプに分けられます。

  • 排出型過食症: むちゃ食いの後、自己誘発性嘔吐や下剤・利尿薬の乱用などの代償行為を行うタイプ。
  • 非排出型過食症: 代償行為を行わず、むちゃ食いを繰り返すことで体重が増加してしまうタイプ。

いずれのタイプも、心身に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、早期の専門的な介入が重要です。

過食症の原因

過食症の原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。主な要因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 心理的要因: 自己肯定感の低さ、完璧主義、過去のトラウマ(虐待など)、抑うつ気分、不安感、ストレスなど。
  • 生物学的要因: 脳内の神経伝達物質(セロトニンなど)のバランスの乱れ、遺伝的要因などが関与している可能性が指摘されています。
  • 社会的・環境的要因: ダイエット文化の影響、外見に対する社会的なプレッシャー、家庭環境(家族関係の不和など)、人間関係の悩みなどが、過食症の発症や悪化の引き金となることがあります。

これらの要因が複合的に作用し、食行動のコントロールが困難になることで、過食症へとつながっていくと考えられています。原因を理解することは、治療を進める上での重要な一歩となります。

過食症の診断方法

過食症の治療を始めるにあたり、まず正確な診断が不可欠です。ここでは、専門医がどのように過食症を診断していくのか、そのプロセスを詳しく解説します。ご自身の状態を理解し、安心して受診するための参考にしてください。

専門医による問診と評価

過食症が疑われる場合、医療機関ではまず専門医による詳細な問診と評価が行われます。医師は、あなたの現在の症状、食行動のパターン(いつ、どのような状況で過食してしまうか)、食後の代償行動(嘔吐、下剤の使用など)の有無や頻度について詳しく伺います。

また、過去の病歴、現在服用中の薬、家族歴、そして精神的な状態(気分、ストレス、不安など)についても確認します。これらの情報は、過食症の診断だけでなく、適切な治療方針を立てる上で非常に重要です。

医師は、これらの問診に加え、必要に応じて心理検査や身体的な検査を行うこともあります。これにより、過食症の診断を確実なものとし、他の病気の可能性を排除します。

診断基準(DSM-5など)

過食症の診断はDSM-5の基準に基づいて行われ、主なポイントは「反復する過食」「代償行動」「体型・体重が自己評価に強く影響すること」「神経性やせ症では説明できないこと」の4つです。

過食とは短時間に通常量を大きく超える食事をし、制御不能に感じる状態が週1回以上続くことを指します。また、体重増加を避けるための嘔吐や下剤乱用、過度な運動などの代償行動も特徴です。これらが自己評価に大きく影響し、生活に支障をきたす場合、医師が総合的に判断します。基準を理解しておくことで診察時の説明がスムーズになります。

関連記事:摂食障害に対する訪問看護の役割とは?看護のポイントを解説

関連記事:摂食障害で見られる「拒食症」と「過食症」の原因とは?症状や相談先も解説

過食症の治療法:薬物療法、心理療法、食事療法

過食症の治療は、その原因や症状の重さに応じて、様々なアプローチが組み合わされます。ここでは、治療の柱となる薬物療法を中心に、心理療法、食事療法についても解説し、多角的な視点から治療法を理解を深めていきましょう。薬物療法は、むちゃ食いや気分の落ち込みといった症状を和らげ、他の治療法をより効果的に進めるための重要なサポートとなります。

薬物療法とは?

過食症に対する薬物療法は、むちゃ食い衝動や罪悪感、気分の落ち込みを和らげ、心理療法や食事療法に取り組みやすくするための補助的な治療です。根本原因を直接治すものではありませんが、症状のコントロールに大きく役立ちます。特にSSRIは気分の安定と衝動の抑制に効果があり、多くの患者に用いられています。薬物療法は回復を支える重要な選択肢の一つです。

過食症に使われる薬の種類と効果

過食症の治療には、主に以下の種類の薬が用いられます。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

セロトニンは、気分や感情の調節に関わる神経伝達物質です。SSRIは、脳内のセロトニンの働きを高めることで、気分の落ち込みや不安感を軽減し、過食衝動を抑える効果が期待されます。過食症に対して最も一般的に処方される薬剤の一つであり、多くの患者さんで有効性が認められています。例えば、フルボキサミンやパロキセチンなどが代表的です。

抗てんかん薬

一部の抗てんかん薬(例:トピラマート)は、食欲を抑制したり、むちゃ食いの衝動を軽減したりする効果が報告されています。SSRIの効果が不十分な場合や、特定の症状に対して用いられることがあります。

気分安定薬

双極性障害(躁うつ病)などに用いられる気分安定薬が、過食症のむちゃ食いエピソードを減らすのに役立つ場合があります。特に、気分の波が大きい患者さんに対して検討されることがあります。

これらの薬は、過食症の症状を緩和し、心理療法や食事療法への取り組みを容易にすることで、総合的な回復を支援します。どの薬が適しているかは、個々の患者さんの症状、体質、既往歴などを考慮して医師が慎重に判断します。

薬の副作用と注意点

過食症治療薬には、吐き気、頭痛、めまい、眠気、口渇などの副作用が出ることがあります。SSRIは初期に気分変動が起こる場合がありますが、多くは時間とともに軽減します。服薬時は自己判断で量を変えたり中断したりせず、副作用が強い場合は医師へ相談することが重要です。

また、他の薬との相互作用を防ぐため、服用中の薬やサプリは必ず伝えましょう。薬物療法は心理療法や食事療法と併用し、医師と協力して進めることが回復の鍵となります。

薬物療法以外の治療法

過食症の治療は、薬物療法だけで完結するものではありません。多くの場合、心理療法や食事療法といった他のアプローチと組み合わせることで、より効果的な回復が期待できます。ここでは、薬物療法と並行して、あるいは代替となりうるこれらの治療法について詳しく解説します。

心理療法(カウンセリング)

心理療法は、過食症の背景にある思考や感情にアプローチし、行動パターンの変化を促す治療法です。代表的な手法として認知行動療法(CBT)と弁証法的行動療法(DBT)が挙げられます。

CBTでは、過食を引き起こす否定的な考え方を見直し、より現実的で健全な認知へ修正するほか、衝動への対処法も学びます。DBTは、感情調整・対人スキル・マインドフルネスといった技法を通じ、感情の波に振り回されずに行動できる力を育てる治療です。

これらの心理療法を組み合わせることで、患者は過食に頼らず感情やストレスを適切に扱えるようになり、自己肯定感の向上にもつながります。

食事療法(栄養指導)

食事療法は、過食症からの回復に必要な「規則正しい食習慣」と「食との健全な関係」を取り戻すための治療です。まず栄養指導で体重変化や栄養状態を評価し、個々に合った食事計画を作成します。適切な食事回数や栄養バランスを整えることで、極端な制限と過食の悪循環から抜け出すことができます。

また、空腹・満腹感の正しい認識やマインドフルイーティングを通じ、食事への罪悪感や恐怖心を軽減し、自然な食習慣を育てていきます。薬物療法で症状が和らいでも、食習慣が乱れたままでは再発リスクが残ります。食事療法は、持続的な回復に不可欠な基盤を築く重要な治療です。

精神科医の選び方

過食症の治療において、適切な精神科医や専門機関を見つけることは、症状改善への大きな一歩となります。ここでは、信頼できる医師を見つけるための具体的な方法と、受診時に役立つ相談のポイントについて解説します。

信頼できる精神科医を見つけるには

過食症の治療を進めるためには、経験豊富で相性の良い精神科医を見つけることが大切です。かかりつけ医や他の医療機関からの紹介は信頼性が高く、日本精神神経学会・日本摂食障害学会の専門医リストも有効な手掛かりになります。

医療機関検索サイトや口コミも参考になりますが、情報の正確性には注意が必要です。摂食障害に特化したクリニックや女性医師が在籍する施設は相談しやすい場合もあります。受診前には医師の経歴・専門分野・治療方針を確認し、自分に合うかイメージしておくことが、安心して治療を受けるための重要な準備となります。

受診時の相談のポイント

初めての受診は緊張しやすいものですが、治療効果を高めるためには正直でオープンに話すことが欠かせません。過食や嘔吐などの症状の始まり・頻度・状況を具体的に伝えるほか、過去の病歴や現在の服薬も共有しましょう。

食事内容、睡眠、運動、ストレスなど生活習慣も重要な手がかりになります。また、治療への希望や不安は率直に伝え、薬の効果や副作用、治療期間や費用など疑問点は遠慮なく質問することが大切です。医師との信頼関係を築くことが、治療継続と回復の大きな支えになります。

過食症の治療に関するよくある質問

過食症の治療は、多くの場合、長期にわたることもありますが、正しい知識と適切なサポートがあれば、症状の改善と健康的な食生活の回復は十分に可能です。ここでは、治療に関して多くの方が抱える疑問や不安に、専門家の視点からお答えしていきます。

Q: 過食症の治療には、どのくらい時間がかかりますか?

A: 治療にかかる期間は、過食症の重症度、個々の症状、治療への反応、そして心理的な要因など、様々な要素によって大きく異なります。一般的には、数ヶ月から数年単位で治療が進められることが多いです。焦らず、ご自身のペースで治療に取り組むことが大切です。

Q: 過食症は完全に回復できますか?

A: はい、過食症は適切な治療を受けることで、多くの場合、完全に回復することが可能です。薬物療法や心理療法、食事療法などを組み合わせ、専門家と協力しながら治療を進めることで、健康的な食行動を取り戻し、より充実した生活を送ることができるようになります。

Q: 薬が効かなかったらどうすれば良いですか?

A: 薬物療法は、過食症の治療において有効な手段の一つですが、全ての方に同じように効果があるわけではありません。もし薬の効果を感じられない場合は、担当の医師に率直に伝え、薬の種類を変更したり、用量を調整したり、あるいは心理療法や他の治療法との組み合わせを検討したりすることが重要です。医師は、あなたの状態に合わせて最適な治療計画を再評価してくれます。

Q: 過食症は意志の弱さからくるものではありませんか?

A: いいえ、過食症は決して意志の弱さからくるものではありません。過食症は、脳の機能障害、遺伝的要因、心理的なストレス、過去のトラウマなど、複雑な要因が絡み合って発症する精神疾患です。ご自身の力だけで克服しようとせず、専門家の助けを借りることが回復への鍵となります。

Q: 治療を受ける上で、どのような心構えが大切ですか?

A: 治療を受ける上で最も大切なのは、「治りたい」という前向きな気持ちと、専門家への信頼です。治療の過程では、一時的に症状が悪化したり、感情的に不安定になったりすることもあるかもしれませんが、それは回復へのステップの一部であると捉え、諦めずに継続することが重要です。また、ご家族や信頼できる友人など、周囲のサポートを得ることも、心の支えとなります。

Q: 薬物療法と心理療法のどちらがより効果的ですか?

A: どちらか一方だけが絶対的に優れているということはありません。多くの研究で、薬物療法と心理療法を組み合わせた治療が、最も効果的であるとされています。薬物療法は、過食衝動や気分の落ち込みといった症状を和らげ、心理療法に取り組みやすい状態を作るのに役立ちます。

心理療法は、過食の根本的な原因となっている心理的な問題に対処し、長期的な回復を目指すために不可欠です。ご自身の状態や医師の診断に基づき、最適な治療の組み合わせを検討しましょう。

まとめ:過食症の治療で、健康的な食生活を取り戻しましょう

過食症の治療には、薬物療法・心理療法・食事療法など多様な方法があり、自分に合ったアプローチを選ぶことが大切です。専門家のサポートを受けながら進めれば、症状の改善は十分可能です。薬物療法は過食衝動や気分不安定の軽減に有効で、心理療法は背景にある心理的要因へ働きかけます。

さらに食事療法は、食との健全な関係を再構築する基盤となります。治療を組み合わせて進めることで、健康的な食生活と心の安定を取り戻すことは決して夢ではありません。焦らず、自分のペースで回復への一歩を踏み出しましょう。

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

この記事を監修した人

石森寛隆

株式会社 Make Care 代表取締役 CEO

石森 寛隆

Web プロデューサー / Web ディレクター / 起業家

ソフト・オン・デマンドでWeb事業責任者を務めた後、Web制作・アプリ開発会社を起業し10年経営。廃業・自己破産・生活保護を経験し、ザッパラス社長室で事業推進に携わる。その後、中野・濱𦚰とともに精神科訪問看護の事業に参画。2025年7月より株式会社Make CareのCEOとして訪問看護×テクノロジー×マーケティングの挑戦を続けている。

訪問看護師募集中