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【第9回社長エッセイ】忘れられない看護エピソード

2023.09.27 くるみの社長エッセイハムさんシリーズ精神科訪問看護とは

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、濱脇直行が綴る『社長エッセイ』第9弾!

 

みなさんこんばんは!

最近ようやく一日のなかでも涼しく過ごしやすい時間が増えてきましたね!

とはいえまだ日中は暑い時間があるので、
服装などでの体温調節が難しい時期にもなりました。

涼しくなってきたのと同時に、「ヤツ」たちが今頃になって頭角を表し始めました……。

 

「ヤツ」たちとは……
そう、「蚊」です。

今年はこれから蚊が増えてくるみたいですよ(;_;)

本当に勘弁してほしいですね。

 

さて!今日は、ハムさんのエッセイになります~♡

「忘れられない看護エピソード」

このテーマは個人的に楽しみにしていました。

19年もの間、そして今もなお看護師として働かれているハムさんが
忘れられないエピソードはどんなことなんでしょうか。

ずっとお聞きしたかったことなので、今日読めてうれしいです!

それではさっそく、いきましょう♪

 

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どうも、毎日奮闘しています代表の濱脇です。

鱗雲も見られるようになり、朝晩の気温も下がって、ようやく秋めいてきましたね。
日中の日差しは、まだ恐ろしいくらい強いですけどね。

さて、今回は看護師を続ける理由シリーズの最後「忘れられない看護エピソード」です。

 

看護師を長年していると、印象に残る出来事や印象に残る患者さまに出会うことがあります。

今日はそんなことを綴っていければと思います。

 

私は、看護師になった初年度は集中治療室、2年目から手術室、19年目に訪問看護師となり、現在に至ります。

その3つの過程を今まで踏んできているんですが、忘れられないことは各々にありますが、
なかでも印象に強く残っていること……

 

それは、私が看護師になって1年目のこと。

看護学校から卒業し、最初に配属されたのが集中治療室(ICU)でした。

右も左もわからない状態で借りてきた猫のような状態で、
日々の出来事や仕事に必死についていくことだけを考えて動いていたのを覚えています。

でね、私、まあ、仕事できない看護師でしてね……。
やることやること失敗ばっかり、先輩看護師からは毎日のように叱咤激励を受け、説教を受けることなど日常茶飯事でした。

 

そんな1年目、私はお正月明けに意識不明で集中治療室に入ってきた、
出産直後の女性の方を受け持つことになります。

出産にて子宮が通常は収縮するのですが、うまく収縮せずに出血が止まらなくなり、
手術室にて止血術を受けたものの、出血が多すぎ、
循環不全となって経皮的補助心肺装置(PCPS)を装着して、入室となりました。

観察項目は非常に多く、意識もないためコミュニケーションも取れない。
ADLはもちろん全介助。
毎日のように旦那さんがお見舞いに来ていたことを覚えています。

そんな旦那さんに、毎回なんと声をかけていいのかわかりませんでした。

看護師になって半年ちょっと、経験も浅く、目の前のことに精一杯。
そんな時間が毎日流れていました。

 

しかし、一緒に入ってくれていた先輩看護師は、
コミュニケーションが取れないなか、何をするにも一生懸命声をかけていました。

今、看護師としてかなりの経験を積んできているので、もちろんその意味はわかります。

どんなに動けなくても、
お顔を拭いたり、口腔ケアをしっかりしたり、体をしっかり拭いたり、環境整備をしたり、シーツを定期的に新しいものに交換したり……。

 

そのとき、私は、先輩や先生方は、一部の望みを絶対に捨てていない感じを受け取りました。

どこかに希望の光はあるのだと、

ご家族にちゃんと綺麗な状態で面会してもらいたいのだと、

ついてる機械や病気だけに目を向けてはいけないのだと……

それを背中で語っているように見えました。

看護師としてもプライドを私はそこに見ました。

 

そして、私は自分の看護はなんだろうとそのとき考えさせられました。

看護学校で3年間学び、実習などを経て、国家試験を合格して……

そんな過程を経て、一生懸命看護について考えてきたはずなのに、
ただただ、目の前のことに精一杯になって、人を見ずに機械や数字ばっかりを見ていたことに気づきます。

 

恥ずかしく思いました。

 

私は、看護というものをわかったつもりでしかいなかったのです。
しかしながら、ものすごく不器用だった私は、
そのときどう行動したり、考えたりしたらいいのかはわかっていなかったと思います。

 

それから、間も無くしてその女性は亡くなられました。

最後、ご家族が来られたとき、
生まれたばかりのその女性が出産したお子さんを旦那さんが抱いており、
深々とお辞儀をしていらっしゃったのが目に焼き付いています。

 

看護というものをわかっていなかった自分を目の当たりにするのと同時に、
そのお辞儀に見合ったことを自分は提供できていたのかを考えると、

胸が苦しくなり、自分から自信がなくなっていきました。

 

その後、失敗を繰り返すようになり、仕事が嫌になり、どんどん職場に居づらくなり、
手術室への異動を師長から打診され、手術室に行くことになります。

心機一転、手術室看護師として働くことになるのですが、
あの日の出来事をずっと引きずっていたことを思い出します。

 

そして、私はその病院を辞めることになり、別の病院で、
そのときはまだわからなかった「看護」というものを見つけることになります。

あの経験がなければ、看護師は辞めていたかもしれません。

もっと気づくのが遅かったでしょうから。

 

良くも悪くも、忘れられないエピソードであり、私にとっては初心に戻るための大切なエピソードです。
22年も経っても、昨日のことのように思い出します。
そして、看護師という仕事のすごさ、大変さ、素晴らしさ、厳しさ、柔軟性、倫理性などを再確認する『始点』となっています。

 

できる看護師のようなことばかり話していますが、本当にできない看護師だったんですよ。
どうしようもない看護師だったんです。
けど、そんなダメだったときの自分は忘れてはいけないと思っています。

だからこそ、今看護師してるんでしょって。
後輩もたくさんでき、看護とは……なんてことを語るような人間になっていますが、
初心は忘れず看護師続けていきたいですね。

 

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