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【第6-2回社長エッセイ】訪問看護の難しさ Part.2

2023.08.16 くるみの社長エッセイ精神科訪問看護とは誠子さんシリーズ

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第6弾!

 

今日はお盆最終日ですね!

昨日から台風7号の影響で猛烈な風に激しい雨とたいへんな状況ですが、ご無事でしょうか?

公共交通機関はほとんどが運休、商業施設なども休館になるところが多かったですね。

台風の影響で停電になった地域も多くあるとのこと……。

この猛暑の中、エアコンが使えないとなると、命にかかわることになりかねません。

幸いなことに停電になることなく1日を終えたのですが、

やっぱり、普段からしっかりと災害対策をしておかなければいけないな、と防災バッグの見直しを行いました……。

災害が起きてからでは遅い、頭ではわかっていても、どうしても日々に追われ、
防災バッグを作ることや見直すことは後回しになりがちですよね。

『備えあれば患いなし』

もしこれを読んでくださっている方で、
防災バッグをまだ準備されていない方や作ったっきり何年も眠ったままの方がいらっしゃいましたら、
これを機に一度、作ってみてはいかがでしょうか?^^

 

今日は誠子さんのエッセイ、『訪問看護の難しさ』part2です!!

ハムさんが思う『難しさ』と誠子さんが思う『難しさ』。
さすが、似ている部分はたくさんありますが、違いも出ていて、
読んでいて「なるほどなぁ~」と勉強になる部分が多くありました!

みなさんもぜひ読んでみてください♡

 

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先週に引き続き、今週も『訪問看護の難しさ』をテーマに書いていこうと思います。
前回は『地域で働く専門職の方との関わり』についてお話しさせていただきましたが、
今日は前回の続き、「連絡をマメにとること」の難しさからお話ししたいと思います。

 

私は、「お互いに忙しいなか、時間をとって話をする」

「どんな小さなこと、細かなことでも話し合える間柄にする」

ことが『連携』だと思っています。

 

地域で生活されている方のやりたいことを叶えるために、
看護師として私ができることは何かということを日々考えながら関わっていきたい。
そのためには、
自分の持っている情報を積極的に発信していくことが必要だと感じています。

 

職種が違うからこその難しさもありますが、
どうしても看護師だけではできることに限りがあります。

報告の簡素化や迅速に情報共有ができる方法など
日々試行錯誤を重ね、
連携の新しいかたちについても意見交換ができればうれしいです。

 

では、最後、3つ目の難しさは「知識量」について。

2つ目の難しさ『地域で働く専門職の方との関わり』の冒頭でもお話ししましたが、
私は、看護学校で専任教員をしていた経験から、

知識は持っていた“つもり”だったんですよね。

でも、訪問看護を始めてからその自信はすぐに打ちのめされました(笑)

 

訪問看護は看護知識だけでなく、看護以外の知識も必要とされます。
自分の看護知識の少なさ、看護以外で必要な知識の多さにすごく驚かされたのを覚えています。

 

わからないこと、知らないことだらけのなか、まず私が始めたこと。
それは、「生活をするということはどういうこと?」という自分への問いかけでした。

 

生活するうえで必要なお金においても、
利用者さんがどんな制度を使って支援が受けられるのか。
一人暮らしなのか、ひとり親世帯なのか、
年齢などによっても受けられる支援が違います。

その方を取り囲む環境を入れるとさらに複雑になってきます。

住むところは? 補助は出る? など、
法律と照らし合わせながら調べていくのですが、
調べれば調べるほど、
考えれば考えるほど、
自分の知らないことがどんどん増えていくのです。

 

時には利用者さんから

「これってどうなってる?」

と聞かれることもあります。

わからなくて、即答できず、困ることも多かったです。

 

そんなとき、私は「わかったふり」は絶対にしないようにしています。

 

聞いたことがあるから
少し知っているから

その程度の知識で話をしないこと。

とても大事なことだと思っています。

 

看護師さんはなんでも知っている
と思ってくださっている方が多いのですが、
実際は、
生活を取り巻くなかで必要な知識は膨大で
知らない部分があるのも現実です。

 

知ったかぶりはせず、
知らないことは正直に「知らない、わからない」とお話しし、
次の訪問までに調べて一緒に考えることを伝えています。

 

私たち看護師の使う言葉の影響力は大きいです。

だからこそ、自分の言葉の影響力をしっかりと理解したうえで
発信していくことが良い信頼関係を築くことになると思っています。

 

あと一つ、私に足りない知識として、
手紙やFAXなど文章でのやりとりで必要になってくる知識です。

 

ここは社会人基礎力の一つだと思いますが、
私は高校、専攻科を寮で過ごし、卒業後すぐに看護師として病院や施設などで働きはじめたため、バイトをした経験がありません。

また、病院では、目の前の患者さんやご家族に対面してお話をすることはあっても、
文章を通して伝える機会が圧倒的に少なかったです。

そのため、起業をして、さまざまな方に手紙やFAXを送付するにあたって、
どうお伝えすればいいのかわからない部分がたくさんあります。

地域で働くということは、報告書などの送付業務がつきもので、
そこに対しての知識がどれだけ必要かということを実感しているところです。

 

訪問看護に興味がある方は多いのではないでしょうか。

新卒だから、一人で判断しないといけないから
という理由で無理じゃないかと思われている方もいると思います。

私も40歳を過ぎて訪問看護に転職しようと決断しましたが、
今までやってきたこととはまったく違う分野で、
さらに教員として働いていたため臨床から離れていたので
新卒と同じようなものですし、
一人で判断していけるのかどうか不安しかありませんでした。

 

でも、やってみました。
『難しさ』をテーマに2回にわたって書いてきたように、

やってみたからこそわかった難しいこと、
うまくいかなくてどうしたらいいかわからないことなど
悩むこともたくさんです。

 

でも、訪問看護は「楽しい」です。

難しいことの大変さより、「楽しい!」が徐々に大きくなってきています。

 

病院では業務をしていることが多く、
ゆっくり患者さんのお話を「聴く」ことができず、
ただただ「聞く」だけになっていました。

業務を“こなす”ことに必死になっている自分に気づき、
自己嫌悪に陥ることも多かったです。

 

訪問看護では、病院でできなかった

「じっくり座って利用者さんのお話を“聴く”」

ができています。

 

“聴く”ことができるからこそ、

見えること

見えたからこそ、

気付けること

小さな小さな変化に気づくことができるんです。

 

看護の『看』は、「手で見る」と書きます。

利用者さんの生活の雰囲気に触れ、利用者さんのこれまでの物語に触れ、利用者さんが抱く夢や想いに触れながら、「今」の状況を観察する。

聴くことでアセスメント(客観的に評価・分析)ができるようになります。

 

訪問は一人のことが多いですが、
周りで支えてくれる仲間がいて、一緒に看護について語って、考えることができます。

だから私はこんなにも難しいことだらけの訪問看護を続けられているのかもしれないなと、そう思っています。

 

「生活についてゆっくり考える」

「今までどんな思いで生活をされてきたのか、物語を語ってもらい、今困っていることを少しずつ解決できるように一緒に考えていく」

それが『訪問看護の難しさ』であり、『楽しさ』じゃないかな、と
このエッセイを書いてみて、改めて思いました。

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『訪問看護ステーションくるみ』では現在、一緒に働く仲間を募集しています。

看護師資格や准看護師資格を持っていて、精神科訪問看護に興味がある方、ブランクがあっても歓迎します!!

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