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【第9回社長エッセイ】忘れられない看護エピソード

2023.10.04 くるみの社長エッセイ精神科訪問看護とは誠子さんシリーズ

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第9弾!

 

みなさんこんばんは!

最近大阪で「カメムシ」が大量発生していると、
連日ニュースでも取り上げられていますね・・・😱

私が住んでいるマンションにも「カメムシ」が大量発生していて、
毎日家を出るときに警戒しながら歩いています。

今年の異常な暑さが原因と言われていたりもしていますが、
はっきりとした原因はわかっていないそう・・・

もしかしてこれ、毎年続くのかな? なんて思うと
ほんっっっとうにいやになります😭😭😭

何かオススメの対策などあればぜひ教えてください~!

 

今日のエッセイは先週に引き続き、
「忘れられない看護エピソード」誠子さんVer.をお届けします!

毎週2000文字程度に収めてもらっているエッセイ。
このテーマに限らずですが、
もっともっと聞きたいことがたくさんあるなぁと。

これまで書いてきてもらった8個のテーマの中でも、
まだまだ掘り下げてお聞きしたいことがたくさんあります。

 

このエッセイは今後もながーく続けていきたい・・・と、
私個人的には思っているので!

(ハムさん誠子さんは毎週の提出期限に悲鳴をあげていることもしばしば・・・笑)

みなさんも楽しみに待っていただけたらな、と思います♡

では、今週のエッセイも楽しんでください♪

 

*:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀

 

このエッセイがスタートして以来、何度も書いてきましたが、
「今の私があるのは今まで関わってくださった患者さんや利用者さんがいるから」。

日々、本当にたくさんの成長をさせてもらっています。

患者さんや利用者さんとの一つひとつの思い出はすぐに思い出すことができますし、
忘れられないエピソードなんてたくさんありすぎて、
どのお話を書いたらいいか正直わからないなと思う部分もあるのですが、
そのなかでも強く残っているのは「重症心身障がい児者の施設」で働いていたときのことかなと思っています。

 

精神科で働いて、約5年。
リーダーも経験し、一人で判断できることも増えたので、
自信を持って重症心身障がい児者の施設に転職をしました。

転職後、初めて配属されたところに辞めるまでいつづけることになるのですが
その病棟でのさまざまな出会いは今でもこころに強く残っています。

その病棟は自分で動くことができない方や、
言葉でコミュニケーションをとることができない方、
呼吸器を使用している方など
医療的ケアを必要としている方が多く入所されていました。

年齢層も幅広く、必要な知識もたくさんあり、
入職当時からパニックになりかけながら仕事をしていたのを覚えています。

 

仕事を始めて1~2年ほど経ち、
少しずつ利用者さんともコミュニケーションがとれるようになってきたある夜勤明けの出来事。

その日はうまくいかなかったことが多く、
仕事が押してしまい、疲れ果てて帰ろうとしていました。

 

サロン(利用者さんが過ごされる広場のような場所)の前を通りかかったとき、

「うーん……」

と声が聞こえました。
ふと目をやると、日中いつもサロンで過ごされているAさんが、私を呼んでいたのです。

 

どうしたんだろう? と思い、
お声掛けしたのですが、ずっと「うーん」と言われます。

「話しますか?」と聞くと「うん」と。

 

私はサロンに寝転び(利用者さんが横になられていたので、目線を合わせたくて)話し始めました。

「天気いいですね。何かありましたか?」

他愛もない話からはじめてみましたが、なにか違うような表情のAさん。
何が話したいんだろう……? と考えていると、
突然、Aさんが手を私の頭に持ってきて、トントンとしてくれたんです。

 

えっ? なんで……?

予想外の出来事にびっくりしたのと同時に、
夜勤で疲れ果てた私の体は
Aさんの手に温かさと優しさを感じて
じーん……と泣きそうになってしまいました。

 

「どうしてこんな優しいことしてくれるんですか? 私泣きそうです。私しんどそうな顔してましたか?」

と聞く私にAさんはにっこり笑って「うん」と言われました。

 

驚きました。

私たち看護師は話をしながらでも
常に患者さんや利用者さんの観察を行いアセスメントを行っています。

看護師だけがそうしてると思っていました。

でも、同じように利用者さんも私たちのことを見てくれていたんだと知って、泣きそうになりました。

 

「ありがとうございます、私頑張りますね」と言うと「うん」と笑顔でうなづいてくださいました。

私は正直Aさんとうまくコミュニケーションがとれているか不安な時期もありました。
もしかしたらAさんもそう思われていた部分もあって私を呼んでくださったのかもしれません。

ありがたいな、私は利用者さんに支えてもらってるな、と思ったエピソードです。

 

もう一つエピソードを紹介します。

生まれながらに脳性麻痺などの障がいを抱え、
自分で体の向きを変えられなかったり、
食事も経管栄養、呼吸器を使用している
私の受け持ち、B君とのエピソードです。

 

B君は小学生ながらクールで表情をあまり変えない印象でした。

彼は特別支援学級の先生と関わることで
少しずつ自分を表現する方法を知るようになってきました。

iPadを使ったりしながら授業を受けていました。

 

病棟で私たちが話しかけてもクールな表情をすることが多く、
活動も楽しんでくれていたのかな? と不安になることもありました。

受け持って1年ほど経ったとき、B君の表情が徐々に変わってきました。
ニコニコ笑顔が出てくるようになったのです。

どうして変わったんだろう? 私は不思議でした。

 

本人に聞いてみようと、いろんな質問をしましたがどれも違うような表情をしていました。

そして、最後に一つ。

「もしかして私にやっと慣れた?」と聞くと、二コーっと笑ってくれました。

 

そこから、笑ったり、嫌な顔をしたり……さまざまな表情をしてくれるようになりました。

私が感じていたクールな表情は、
ただ私に慣れていなくて緊張していただけだったのです。

「毎日話をしているから慣れてくれているに違いない」
そんな私の思い込みを払拭させてくれるエピソードでした。

 

さまざまな患者さんや利用者さんと関わり、
想いを積み重ねて今があります。

この思いを忘れることなく看護師として日々精進していきたいと思っております。

 

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