
大切な家族や恋人から見捨てられる不安がある場合や、親しい人に強く当たってしまう場合は、境界性パーソナリティ障害の気質を持っているかもしれません。
境界性パーソナリティ障害の改善を目指す場合は、適切な診断と治療を受けることが大切です。
この記事では、境界性パーソナリティ障害の特徴や診断方法を解説します。
境界性パーソナリティ障害とは?
境界性パーソナリティ障害とは、他人から見放されることに対し、過剰な不安や恐怖を感じる精神疾患の一種です。
境界性パーソナリティ障害の方は、人との繋がりがなくなるのに耐えられず、衝動的に他人を攻撃したり、自傷行為に及んだりする場合があります。
また、自分の気分や感情をコントロールできないため、不安や孤独を感じると急に激怒する方もいます。
その結果、家族や友人、恋人など、身近な人との関係が破綻する方も少なくありません。
重症例では、幻覚や妄想などの精神症状が出現する場合もあるうえ、ほかの精神疾患を併発する可能性もあるため、早めの診断と治療が重要です。
境界性パーソナリティ障害の特徴
境界性パーソナリティ障害がある方は、口癖や行動に特徴が見られる場合もあります。
詳しく見ていきましょう。
口癖
境界性パーソナリティ障害の方には、以下の口癖が見られる場合があります。
・嫌いにならないで
・どうせ見捨てるんでしょう
・死にたい、消えたい
・自分なんていなくなったほうがいい
・もういい、もう終わりなんだ
・あなたなんて大嫌い
・裏切られた、ひどい
これらの口癖は、自分で感情をコントロールできずに口にしてしまい、後悔する方もいます。
周囲の方は、本心で言っている訳ではない可能性があると理解したうえで接するのが重要です。
行動
境界性パーソナリティ障害で見られる特徴的な行動は以下の通りです。
・やけ食い
・過度の飲酒や喫煙
・ギャンブルや性行為
・買い物への依存
・自傷行為
境界性パーソナリティ障害の方は、苦痛や孤独を紛らわすため、やけ食いや飲酒などの衝動的な行動に走る場合があります。
なかには自傷行為や自殺に及ぶ方もいるため、言動には注意が必要です。
境界性パーソナリティ障害の明確な原因はわかっていない
境界性パーソナリティ障害を発症する原因はわかっていません。
遺伝や生まれつきの脳の構造など、先天的な原因があるとも言われていますが、家系に関係なく発症する場合があります。
また、子どものころのつらい経験や、人間関係で受けた強いストレスなど、精神的に追い詰められた方に発症しやすいとも言われています。
境界性パーソナリティ障害の診断方法
境界性パーソナリティ障害は、心療内科や精神科で診断を受けられます。
これらの医療機関では、医師による問診と、国際的な基準に基づいた診断を受けることが可能です。
医療機関への受診に抵抗感がある場合は、住んでいる地域の保健所や精神保健福祉センターへ連絡し、相談してみるのもよいでしょう。
参照:厚生労働省/身近にある地域の相談窓口
境界性パーソナリティ障害の治療法
境界性パーソナリティ障害の治療法は主に以下の2つです。
・精神療法
・薬物療法
医師による「認知行動療法」やカウンセリングを受けると、自分がなぜ見捨てられる不安を抱えているのか、どうすれば人間関係を良好にできるのかを理解できるようになります。
また、薬物療法を並行して行い、症状を緩和するのも効果的です。
治療を受け、感情をコントロールする方法が身に着けば、自分や他人を傷つけずに生活できるようになるでしょう。
境界性パーソナリティ障害に悩んでいるなら訪問看護も手段の1つ
境界性パーソナリティ障害に悩んでいるなら、訪問看護の利用も手段の1つです。
訪問看護では、看護師が自宅に訪問し、1対1で医療的ケアを受けられます。
気分が不安定で外出に抵抗がある方や、衝動的な行動に不安を抱えている方でも、安心してケアを受けられます。
症状や人間関係についての悩みもじっくりと相談できるため、自分のペースで治療を進められるでしょう。
精神科や心療内科で診断がついていれば利用できるため、日常生活に支障が出ている方は、利用を検討してみてください。
境界性パーソナリティ障害は医療機関で診断と治療を受けよう
境界性パーソナリティ障害になると、感情をコントロールできなくなり、自分や他人を傷つけてしまう可能性があります。
対人関係に悩む方もいますが、病気のせいで自身をコントロールできなくなっているのが原因であり、自分を責める必要はありません。
症状に悩んでいる方は、精神科や心療内科で診断と治療を受けるのも検討してみましょう。
『訪問看護ステーションくるみ』では、ご自宅に訪問し、1対1でじっくりとケアや日常生活のお手伝いをいたします。
症状に悩んでいる方は『こちら』から、お気軽にご相談ください。