在宅看護と訪問看護、どちらもよく聞かれる言葉ですが、違いは何かよくわかっていないという看護師もいるでしょう。厚生労働省の2010年のデータから、訪問看護の需要は年々高まっており、看護師の需要も増えています。
この記事では、在宅や訪問での看護師の必要性について解説します。
参照:厚生労働省「訪問看護について」
在宅看護とは
在宅看護とは、住み慣れた自宅の環境で療養を続けられるように看護することです。在宅看護と訪問看護は明確に区別されていない現状がありますが、自宅で病気の療養をしたい場合に看護すること全般を指します。
訪問看護とは
訪問看護とは、本人がいる環境(自宅やグループホームなど)に医療従事者が訪問して看護を行うことを言います。医療機器を使っていても、自宅など住み慣れた地域で最期まで暮らせるように療養生活の支援をします。
参照:公益社团法人日本看護協会「訪問看護」
参照:公益財団法人 日本訪問看護財団 公式ウェブサイト「訪問看護とは」
参照:厚生労働省「訪問看護について」
在宅看護と訪問看護の違い
在宅看護と訪問看護はよく使われる言葉ですが、違いは何でしょうか。
どちらも自宅などで看護が受けられることは変わりませんが、医療行為が受けられるかどうかが大きな違いと言えます。
在宅看護は主に家族がケアをするのが基本です。必要に応じて看護師や介護サービスが受けられます。
訪問看護は、利用者本人やその家族が希望した場合に医療従事者が行うサービスで、病気や障害の内容に応じて、主治医の指示の元に看護を提供します。
訪問看護では健康状態の観察や療養生活に関するアドバイス、服薬管理、病状悪化の防止・回復、医療機器の管理や指導、リハビリテーションなど、幅広いサービスを実施します。
参照:厚生労働省「訪問看護について」
在宅看護・訪問看護のニーズが高まっている理由
在宅看護・訪問看護のニーズは年々高まっています。
その理由は、急速な高齢者の人口増加です。理由について解説していきます。
参照:厚生労働省「地域医療構想について」
参照:日本在宅ケア学会「在宅ケアとは?」
高齢者の人口が増加している
日本では少子高齢化が加速しており、「2025年問題」が懸念されています。2025年は、団塊の世代が後期高齢者に入るため高齢者の人口が一気に増加し、医療や介護の需要が一気に増すと言われている年です。その際に生じるであろうさまざまな問題を「2025年問題」と呼び、国が抱える大きな問題と考えられています。しかし、高齢者の人口は地域により大きな差があり、介護や医療の需要が増しても、受けいれる病床が十分に用意されていない地域が多いのが現状です。
そのため、国は病気や障害で介護が必要な状態になっても、住み慣れた地域で最後まで暮らし続けられるよう、医療・介護・生活支援が包括的に確保される地域包括ケアシステムの構築をしています。
参照:厚生労働省 地域医療構想について
参照:厚生労働省 地域医療構想の実現に向けた取組みについて
在宅での医療を国が推進している
高齢者の人口は増え続けており、厚生労働省によると、65歳以上の高齢者は2025年には3,657万人、2024年には3,878万人とピークを迎えると予測しています。2008年の終末期医療に関する調査によると、国民の60%以上が自宅での療養を望んでいるという現状です。高齢化により医療の需要は今後増加すると見込まれ、また、急性期の治療を終えた慢性期・回復期の方の受け皿として、生活の質を重視した在宅医療の需要は高まっています。そのため、国は在宅での医療を推進しています。
参照:厚生労働省「地域医療構想の実現に向けた取組みについて」
参照:東京都HP「地域医療構想について」
参照:厚生労働省「在宅医療の最近の動向p10|在宅医療に関する国民のニーズ」
精神科患者の在宅需要が増えている
これまで、在宅で生活する精神科疾患を抱える方は、統合失調症の方がほとんどでした。しかし、近年では統合失調症以外にも気分障害、発達障害と疾患の幅が広がっています。
また、厚生労働省の令和4年度の報告によると、利用者の半数が糖尿病や高血圧などの疾患を合併しているため、身体の疾患に関する看護ケアの需要が高い状態です。
精神科訪問看護を利用し、症状や服薬管理、生活リズムを保つことで、地域での生活が可能になっているとするデータがあり、在宅での訪問看護の需要は高まっているでしょう。
参照:厚生労働省「地域における支援ニーズの高い者に対する 精神科訪問看護の実態調査 報告書 p95|⑤身体疾患の状況」
訪問看護師の需要増加に対する国の取り組み
在宅看護・訪問看護の需要が増えていることから、訪問看護師の需要は増しています。また、医療の集約化も進み、限られた人材を活用するために、国は「看護師倍増計画」をたて、訪問看護師の需要増加に対する取り組みを行っています。
訪問看護師の増加
訪問看護師を増やすため、訪問看護ステーションの拡充や医療機関からの看護師の派遣、新卒の訪問看護師の採用・育成潜在看護師の就業と転職促進などに力を入れ、人材確保に取り組んでいます。
人材確保のための基板作成
訪問看護ステーション管理者のために、経営力向上のための支援や、各事業所における処遇改善、職場環境の改善のための支援を行っています。また、訪問看護師のキャリアアップのための支援として、訪問看護ステーション間での人材交流や医療機関との連携、ローテーションなどに取り組んでいます。
総合的な推進・支援
訪問看護ステーションでのさまざまな取り組みを支援するための拠点として、都道府県ごとに訪問看護総合支援センターを設置しています。都道府県や市町村、医療機関などの各団体と連携、協働しながら統一した支援ができるように取り組んでいます。
参照:公益社团法人日本看護協会「訪問看護」
参照:公益財団法人 日本訪問看護財団 公式ウェブサイト「訪問看護とは」
参照:厚生労働省「訪問看護について」
訪問看護師を考えている方は精神科特化の「訪問看護ステーションくるみ」への転職も検討を
訪問看護師の需要は年々高まっており、精神科患者の在宅需要も増しているため、今後精神科訪問看護の需要も増していくでしょう。
また、地域医療の推進に伴い、今後需要はさらに増すと予想されます。
「訪問看護ステーションくるみ」は、精神科に特化した訪問看護ステーションです。地域の福祉施設や行政と連携を図り、利用者さまとその家族に寄り添ったサポートを提供いたします。
「訪問看護ステーションくるみ」では、一緒に働く仲間を募集しています。和気あいあいとした雰囲気で、コミュニケーションをとりながら、日々訪問看護に奮闘しています。
雇用形態は正社員からパート勤務まで、柔軟に対応しており、子育てしながらも大歓迎です。
訪問看護の現場から地域医療の実現に挑戦したいと考えている方のご応募をお待ちしています。
応募にあたり、聞きたいことや確認したいことがある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。