訪問看護師としてのキャリアを考えるうえで、在宅ケア認定看護師の資格取得を検討中の方もいるでしょう。すでに訪問看護師として働いている方や、今後訪問看護師に転職を検討している方は「認定看護師の資格はあったほうがよいの?」と気になっているかもしれません。
この記事では在宅ケアの認定看護師になる方法を解説します。資格の内容や、取得するメリットについてもまとめたので、訪問看護に携わる方や転職を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
在宅ケア認定看護師とは?
在宅ケア認定看護師とは、「在宅ケア」分野において高い水準の看護を実践できる看護師のことです。訪問看護や医療的ケアなどの「在宅医療」に対する理解が深く、利用者さまに豊富な知識や技術を提供できるという証明にもなります。
認定看護師は研修や試験を受けた看護師のみ取得できる資格であるため、優れたスキルを保有しているという「肩書き」にもなります。そのため、看護師としてのキャリア形成にも役立つでしょう。
「在宅ケア認定看護師」を取得するまでの流れ
在宅ケア認定看護師になることで、在宅医療を必要とする利用者さまに対して、より専門的な看護を提供できます。自身の看護師としての価値も高められ、取得するメリットは大きいといえるでしょう。
この章では、在宅ケア認定看護師になるまでの流れを解説します。
1.在宅ケア分野での実務経験を積む
在宅ケア認定看護師になるには、「在宅ケア分野での実務経験があること」が前提条件となります。資格取得には教育機関へ入学する必要があり、入学の条件として実務経験が必要です。
日本看護協会では、認定看護師の教育機関に入学する条件として「看護師免許取得後、実務経験が通算5年以上あること(うち3年以上は、特定の認定看護分野におけるの実務経験)」を提示しています。
在宅ケア分野の認定看護師になるには、訪問看護や福祉施設で3年以上実務経験を積まなければなりません。加えて「在宅医療が必要な患者さまの看護を、5例以上担当した実績」も必要となるため、資格取得を検討している場合は率先して患者さまを担当しましょう。
出典:公益社団法人日本看護協会「認定の手引き」
出典:公益社団法人日本看護協会「特定看護分野の実務研修内容の基準」
2.認定看護師教育機関に入学・修了する
入学条件を満たした方は、認定看護師の教育機関に入学して講習を受けます。専門分野の教育課程を、800時間以上かけて受けなければならず、そのなかにe-ラーニングの受講や指定の医療機関での実習など、さまざまな座学や研修が用意されています。
なお、教育機関は全国に数校ずつしかないため、希望する分野によっては研修のために休職が必要な場合もあるでしょう。その場合は勤務先と相談し、研修のために休職させてもらえるか事前に確認しておくと安心です。
3.認定審査に合格する
すべての教育課程を修了した方は「認定看護師認定審査」の受験資格を得られます。
審査内容は、マークシート形式の筆記試験です。点数が合格ラインを上回ると、晴れて認定看護師となり、後日「認定看護師認定証」が手に入ります。
在宅ケア認定看護師を取得するメリット
資格取得まで時間のかかる在宅ケア認定看護師ですが、取得することでさまざまなメリットがあります。
ここからは、在宅ケア認定看護師の資格を取得するメリットを紹介します。
高度な知識・スキルが身につく
認定看護師の教育課程を修了することで、在宅ケア分野の専門的な知識やスキルが身につきます。訪問看護などの在宅医療では、医療機関以外の場所で看護を提供するため、看護師一人ひとりの質の高さが重要です。
資格を取得することで、より現場で活躍できる看護師になるでしょう。
給料アップにつながる
資格を取得すると、昇給にもつながる可能性があります。2022年度の日本看護協会の報告書によると、認定看護師を取得した看護師のうち10%が昇給し、平均で11,191円給与が増加したと報告されています。
出典:公益社団法人日本看護協会「2022 年度 専門看護師・認定看護師に対する 評価・処遇に関する調査報告書」
転職・再就職に役立つ
資格を保有していることは「専門性のある看護師の証」でもあるため、転職や再就職の際に有利となります。特に需要の増えている訪問看護事業所では、知識やスキル・経験の豊富な看護師は即戦力となる可能性が高いです。
看護師としてのキャリア形成や転職を検討している方は、資格を取得するメリットが大きいといえるでしょう。
在宅ケア認定看護師は価値の高い資格
在宅ケア認定看護師になることはメリットが多く、在宅医療に携わる看護師は持っておいて損のない資格です。給料が上がる可能性があるうえ、あらゆる在宅医療の現場で活躍する看護師になれます。
実務経験を積むには、訪問看護師として現場で働くことがおすすめです。「訪問看護師を目指している」「専門性の高い看護を提供したい」とお考えの方は、ぜひ『訪問看護ステーションくるみ』で一緒に働きませんか?気になる方や疑問がある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。