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精神科訪問看護における急変対応とは?とるべき行動や事例も解説

2024.02.15 精神科訪問看護とは

精神科訪問看護で異変が起きた際に、どのような急変対応をとればよいのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

現在の日本において、精神疾患を持つ方が訪問看護を利用する割合は年々増加しており、精神科訪問看護の需要は高くなっています。そのため、今後は在宅医療の現場でも精神科に関連したトラブルの増加が予測されるでしょう。

この記事では、精神科訪問看護における急変時対応の流れを解説します。あわせて、精神科訪問看護で起こりえる事例や救急搬送が必要なケースについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


参照:厚生労働省「傷病分類「精神及び行動の障害」の訪問看護基本療養費別利用者数の推移」


精神科訪問看護での急変対応の重要性

利用者さまが安心して日常生活を送るためにも、精神科訪問看護師が急変対応を正しく理解しておくことが大切です。症状が重篤な場合、利用者さまの命に関わる可能性もあるため、迅速に対応しなければなりません。

また、訪問看護での急変時には、病院と違って医師がすぐに駆けつけられない場面も多く、利用者さまの命を守るには訪問看護師の対応が重要となります。

訪問看護ステーションでのマニュアルに沿った行動が基本となりますが、その場に応じた迅速な判断と柔軟な対応が求められます。


急変時に精神科訪問看護師がとるべき対応

急変時の流れを理解していないと、いざというときに冷静な判断ができず対応が遅れてしまうおそれがあります。

ここでは訪問看護での急変時にとるべき行動について解説します。この機会に、急変時における対応や流れを把握しておきましょう。


状況を把握するために情報収集する

急変が起きたら、まずは利用者さまの状況や状態を把握するために情報を集めましょう。具体的には、以下の情報収集が必要です。

・利用者さまの氏名
・電話している方の関係性
・現在の状態
・本人の訴え
・意識レベル
・いつから症状が出現したか

上記の内容を聴取し、緊急訪問が必要と判断したら利用者さまの自宅へ訪問します。精神科訪問看護では、自傷行為や薬の過剰摂取など命に関わる事例もあるため、まずは状況の把握に努めることが大切です。


救命処置や救急要請が必要な状態か判断する

連絡を受けて自宅へ訪問、または急変の場面に遭遇したときに、利用者さまが危険な状態であれば救命処置や救急要請が必要です。

救命処置や救急要請が必要な場面では、意識障害や多量の出血などの、命の危機につながる場合もあります。救命処置をしながら、迅速に救急車を要請しなくてはいけません。


関係者に連絡する

急変対応をした場合には、各関係者へ連絡するのも訪問看護師の重要な役割です。訪問看護師が連絡する関係者としては、以下が挙げられます。

・自施設の管理者やステーション
・主治医
・家族(独居の場合)
・担当ケアマネジャー

スムーズに連絡するためにも事前に各関係者の連絡先を確認しておき、連絡する優先順位を明確にしておくことが大切です。


精神科訪問看護で起こりえる急変対応の事例

精神科の訪問看護では、一般的な訪問看護とは違った急変事例が見られる可能性があります。

ここでは、2つの急変事例について解説します。


参照:厚生労働科学研究成果データベース「精神障害者の二次的障害としての窒息事故および誤嚥性肺炎の予防とQOLの向上に関する研究」


自傷行為

自傷行為は精神疾患を背景として見られる場合が多く、精神科訪問看護においても起こりえる急変の事例のひとつです。ほとんどの場合自殺を目的とした行為ではなく、命に関わるような事例は少ないとされています。しかし出血量や傷の深さによっては、迅速な対応が必要になる可能性もあります。

自傷行為がみられた場合は、まず利用者さまの安全を確保した上で、身体的処置と精神的なケアを行いましょう。


薬の過剰摂取

精神疾患をもつ利用者さまでは、薬の過剰摂取による急変事例もあります。薬の種類にもよりますが、抗精神病薬や睡眠薬などの過剰摂取は、意識レベルの低下や命に関わる可能性もあるので注意が必要です。

薬の過剰摂取を防ぐためにも、訪問看護師は利用者さまの服薬状況を定期的に確認したり管理方法を工夫することが大切です。


精神科へ緊急入院が必要な事例

訪問看護の現場における対応では対処しきれない場合、医療機関の力を借りるケースも珍しくありません。
精神科へ緊急入院を検討するのは、以下の場合です。

・自傷行為や他害行為をたびたび起こす
・自殺行動がみられる
・治療を拒否する
・興奮や不安な状態が常に続いている

特に自殺未遂を起こした場合は緊急性が高く、本人を保護するためにも精神科病院への入院が必要となる場合があります。再入院や症状悪化を防ぐためには、日々の精神的ケアはもちろん、ちょっとした変化を見逃さず観察することが大切です。


精神科訪問看護での急変時に対応できるよう事前にシミュレーションしておこう

精神科訪問看護の急変対応は、病院とは違いその場に医師がいないため迅速な判断や対応が必要です。急変対応の知識やスキルを身につけておくことで、いざというときにスムーズに動けるでしょう。



一方で、初めから落ち着いて急変対応ができる方は多くありません。現場で働きながら知識や経験を積み、急変対応のスキルを身につけることも有効です。『訪問看護ステーションくるみ』では、一緒に働く仲間を募集しています。訪問看護に興味のある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

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