大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第17弾!
こんにちは、中野です。
社長エッセイは今回で17弾になりました。
はやいですね。
このエッセイを書き始めるまでは、「自分の想いを文章にする」なんて、ほとんどしたことがなかったのですが……
こうして書いてみると、自分について知ることができますし、自己理解につながるいい機会になっています。
2週間に一度、エッセイを書くということを通して自分と向き合ってみると、今やっていることって、すべにちゃんと意味があるんだなぁと改めて感じています。
さて今回は、看護師としてもう一度看護を行うようになって1年が経ち、そのなかで感じるようになったことを書いていきたいと思います。
私は看護師になって、はやいもので23年が経過しました。
これまでたくさんの患者さんや利用者さんと関わらせていただき、看護を行ってきましたが、
そのなかで、「経験」を看護に活かす必要性がある、と強く感じるようになりました。
それはどういうことかというと、
自分が行った看護の内容を振り返り、理論と重ね合わせ、根拠をつけて、再現性の高いかたちで、また看護を行えるようにする、というものです。
それを実現させるためにはまず、「自分はあのとき、何を考えて、どう判断し、どう行動したのだろう」と、自分が行った看護の意味を考える必要がありました。
私は若い頃、うまくいかなかったことだけを振り返り、うまくいったことの振り返りはしていませんでした。
決して「うまくいったこと」に対して振り返りをする必要はないと思っていたわけではありません。
今思えば、ただ心に余裕がなくて、できていなかっただけなのだと思います。
看護師の行動には、すべて意味があります。
この1年を振り返ると、「何を見て、どう判断したのか」ということを改めて考える時間が増え、
「自分の行動の意味」というものを考える機会が本当に多かったな、と思います。
看護師、そして代表となってからは、タスクも多く、本当に忙しい日々を送っていたのですが、
常にその意味を考えることをしてきました。
息をする間もないほど忙しいなかでも、常に考え続けることができたのは、
やっぱり「看護師としてもっと成長したい」という気持ちが強いからなんだろうな、と。
歳を重ねるごとに、看護を提供するという責任感が強くなってきた、というのも、
より考えることができた一因かもしれません。
それでは、今回のタイトルにもある、
「経験」を看護に活かすとは、どういう意味なのでしょうか?
私の考えを少し、お話ししていこうと思います。
看護の「看」は手で見ると書きます。
実際に手で触れて五感で感じることができるのは、利用者さんとの関わりの中でしかできません。
感じることができても、「知識」がなければ、今の状態が良いのか悪いのか判断することができませんよね。
そこで活きてくるのが「経験」です。
病院で学んでいたときに先輩方の指示で研修に出て勉強し、得たことは、
目の前の患者さんに起きていることを判断するための一知識でしかなく、うまく活用できていませんでした。
いわゆる視野が狭いという状態です。
しかし、看護を行ううえではさまざまな状態の患者さんと遭遇します。
実際には、その状態をアセスメント(解釈)するための知識・判断するための知識・看護として提供できるようにするための知識……これらが必要だと思っています。
そう考えると、「やれ」と言われた勉強をただしていても、看護師としての成長は少ないと感じています。
この1年、「経験」を活かすためにはどうすればいいのか、ということを強く考えてきましたが、
その考えたものを「再現性のあるかたち」にすることの難しさに何度もぶつかりました。
うまくいかなかったことはもちろん、意識せずに行って、うまくいったことなど、
とにかく「自分が行った看護」を振り返る。
なぜうまくいかなかったのか、なぜうまくいったのか
自分の行動を分解していき、考えます。
考えるうえでは必ず「知識」を使い、そのときの自分に足りない知識は本を読んだりして補っていきます。
そうして自分が行った看護に「根拠」をつけることによって、再現性の高い看護が提供できるようになります。
この一連の作業を行うことで、当然、自分ができていない部分を目の当たりにし、目を背けたくもなりますが、
「現状、できていないのも、自分」と受け入れられるようになってきたのがこの1年かな、と思います。
逃げたくなるような現実からも目を背けず、「それも今の自分だ」と、受け入れられるようになったのも、
日々行っている「振り返り」が意味のあるものになってきているおかげかな……! と感じています。
看護師として看護を行うこと以外にも、私にはさまざまな仕事があります。
看護以外の業務で得た経験も、看護に活きています。
自分が必要だと思うことすべてが、必要な知識とは限らない、ということですね。
今の私にしかできない「看護」を必死に考え、スタッフと一緒に共有し合い、学ばせてもらいながら、
「利用者さんにとってよりよい看護ってなんだろう?」と、もっともっと考えていけるように、自分が「経験」して得た「知識」を看護に活かしながら前に進んでいきたいと思います。
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