大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第23弾!
こんにちは中野です。
訪問に向かう道中、きれいに咲いている花をよく見かけるようになりましたね。
花は、咲くまでの短い期間で綺麗な姿を見せるために土の中でたくさんの努力をしてるんだろうな~、私ももっと頑張ろう! と奮い立たせてくれます。
さて、今回からは「訪問看護である理由」というお題に沿って書いていきます。
このお題をいただいたときにまずこれについて書こうと決めていました。
最後まで読んでいただけるとうれしいです!
看護師さんの仕事の一つに、「日常生活を援助する」ということがあります。
それを改めて考えているときに生活する場所がどこであるか考えたところ、「家または住み慣れた場所」となりました。
病院で治療をし退院していきます。
患者さんたちはいつもと違う環境である病院で、思うようにリラックスができず、気を張り、ただただ自分の病気が治ることだけに集中しています。
私が看護師になった20年以上前は入院期間も長く、少しずつ病院での生活に慣れていくこともできましたし、治療とその後の生活についてもゆっくり考えることができていました。
しかし最近は入院期間も短く、7日から2週間の間に退院される方が多いです。
その短い期間のなかで治療とその後の生活を考えることを余儀なくされています。
しかも実際はそこまで考える余裕はありません。
するとどうでしょう。
退院後は当然、家での生活が始まってしまうと困ることが出てきて、誰に相談したらいいかもわからない……なんてことが多々あるのです。
病院ではナースコールを押せば私たち看護師が駆けつけますが、退院後は違います。
「誰も見てくれない」
そうわかった瞬間に不安が襲ってくるのではないかと考えました。
障がいを抱えている方が地域で生活をされるときに、気軽に相談できる相手になることが、今求められていることだと感じ、訪問看護が必要であるという考えに至ったのです。
私が利用者さんとの契約の際や、職員にいつも言っていることの一つが「訪問時間は30分です。あとの23時間30分は利用者さん本人が一人で生活されます。そのため、30分という限られた時間のなかで何ができるか一緒に考えていきたいのです」ということ。
利用者さんたちが必要としていることを提供することが訪問看護に求められているのかといえば必ずしもそうではありません。
利用者さん本人も毎日生活をするなかで出てくる新たな問題に困り、どうしたらいいかを考えられています。
そんなとき、私たちが訪問している時間に相談をして一緒に考えて、次の訪問までにその方法をやってみる……その繰り返しが必要だと感じています。
生活を続けるにあたり疑問は続いていきます。
相談相手としての役割はずっと必要だと考えています。
訪問看護は医療面だけでなく、人と人との関わりを築きながら、相談相手としての役割があると思っています。
また、もう一つ支援者の相談相手としても訪問看護が必要だと思っています。
家族の方はもちろんですが、福祉専門職や精神科以外の看護師さんが地域で多く働かれています。
その方たちも利用者さんのことを知るために必死に関わられていますが、わからない部分があっても、誰に相談したらいいのかわからない……とおっしゃられる方が多いです。
そこで私たちの専門性を活かして相談相手として支援者さんに声をかけるということもしています。
関わりの際に困ったこと、病気についてわからないこと、薬について研修に行ったけどなんとなくわかったようでわからない……など、そんなお話・想いを聞き、少しでも助けになればと勉強会を行っています。
そうすることで利用者さんへの理解も深まり、利用者さんも穏やかに生活することができると思うのです。
利用者さんが生活するうえで困ることは私たちの想像では及ばないことが多くあります。
疾患や症状、障がいに関すること以外にもたくさんあるなかで、気軽に相談できる相手がいるというお守りがある安心感を持っていただけていればいいなと感じています。
その安心感が生活するうえでとても大切だと考えているからです。
今、誰に相談したらいいかわからない方はとりあえず私たちに相談してほしい。
私たちが社会資源の一つとして連携を図り、場所柄支えていくので。
次回からはそのあたりの話をしていきたいなと思っています。
では。また。
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