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【社長エッセイ】Vol.25 その方の人生にお邪魔するということ

2024.05.15 くるみの社長エッセイ精神科訪問看護とは誠子さんシリーズ

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第25弾!

 

こんにちは。

最近事業所の近くに和菓子屋さんができました。

そこで買ったどら焼きのおいしさに感動して、次は苺大福を買ってみたら、苺大福もおいしくて……!

和菓子のおいしさに目覚めてきました。

夏が近づいているのに食欲があまり減らなくて困っている中野です。

 

さて「訪問看護である理由」最後のテーマは、くるみの全職員が意識している『その方の人生にお邪魔するということ』です。

え? 人生? おうちじゃなくて? と思われるかもしれませんね。

人生にお邪魔する……というのはどういうことか? 内容に触れていきましょう。

 

前回のエッセイで、病院ではナースコールを押せばすぐに看護師を呼び出すことができる、というお話をしました。

それが訪問看護となるとどうでしょう?

利用者さんが困ったときにすぐに看護師を呼び出すことができるナースコールはありません。

オンコールもありますが、緊急時のみです。

緊急とまではいかないけれど……というときは一人で悶々とされている方も実際にいらっしゃいます。

患者さんが困っているときに、病院みたいに看護師がすぐに駆けつけられない、というのが訪問看護なのです。

 

ではどうするのか?

これまでのエッセイでも何度か書いてきましたが、私は以前、訪問看護とは「ただ利用者さんのお家にお伺い(お邪魔)すること」だと思っていました。

しかし、訪問看護を行うなかで、「本当にそれでいいのか?」「違うのではないか?」という疑問が湧いてきたんですね。

お話を聞いていると、その方の価値観に触れることが多いです。

それを理解するには、その方の歩んできた人生、物語を知る必要があります。

今だけを見ていてはいけません。

その方の語られる物語を聞きながら、生まれてどのような生活を送られてきたのか、その方の人生を知っていきます。

人生、物語を知ることでしか、考えることができないことがたくさんあります。

そうするとただ単純に「お家」にお伺い(お邪魔)するだけではなく、その方の「人生」にお邪魔する気持ちが大事だと考えるようになりました。

 

今、全世界の人口は79.51億人だそうです(2022年現在)。

人の数のだけ物語があります。思いがあります。

人と関わり、ケアをしていく職業である以上、そのことは忘れてはいけません。

その方がどんな時代に生まれたのか、何が流行っていたのか、どんな社会情勢だったのか……。

それを知らずして今は語れません。

 

79.51億人もいれば出会わない人のほうが多いなか、ご縁をいただき出会い、関わらせていただく機会を持ったわけです。

「看護師として」というより、「人として」考えないといけないこともあります。

そこを考えながらその方の物語に耳を傾けていく必要があります。

 

その方の物語にはさまざまな登場人物がいます。

その方が出会った人と、さまざまな経験や思いを抱き、また新しい物語が作られていきますよね。

「その方の人生にお邪魔するということ」は、出来上がっている関係性の中に入っていくということになります。

その部分を忘れてしまうと看護師の価値観で物事を判断してしまいがちになります。

そうではなく、自分が安心して生活できる場所をどうしたいのか。

そこを考える必要があるのです。

それを聞いて一緒に考えることそれが大事であり、難しい部分だと考えています。

 

でも、くるみには20代~50代までのスタッフがいます。

「その方の人生にお邪魔するということ」といっても、スタッフ一人ひとり、その捉え方は違います。

さまざまな年代のスタッフが見ている「その方」について、情報共有をし、話をしながら、より一層理解を深めることに取り組んでいます。

情報を共有し合い、新たな視点や発見をしたときのスタッフ同士の笑顔が素敵で微笑んで見ています。

 

もちろんそんな私も、スタッフと話をしているとさまざまな視点で物事を捉えていて勉強になることも多くあります。

今までスタッフが経験してきたものが、看護に影響されています。

スタッフも人であり利用者さんも人です。

人間対人間が作る空気感や世界観が人生に彩りを加えていると思っています。

皆さんの生活がより彩りあるものになるように、その方について知り、「その方の人生にお邪魔させていただいている」という気持ちを忘れずに、スタッフ一同、訪問看護が提供できるように環境を整えていきたいと思っています。

「その方の人生にお邪魔するということ」が大前提であるからこそ、その方のなりたい姿に向かっていくために、その方の人生の黒子として支えることが大事だと考えています。

 

さあ次は何を話そうかな。

あ、私が精神科特化の訪問看護にしようと思った理由でも話そうかな?

精神科の楽しさと奥深さを話そうかな?

ではまた。

 

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