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【社長エッセイ】Vol.31 障がいについて正しく考え、支援が考えられる人が増えるために私たちができること

2024.07.23 くるみの社長エッセイ精神科訪問看護とは誠子さんシリーズ

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第31弾!

 

毎日暑くてもうすでにバテそうになってませんか?

蝉が一生懸命鳴いている声を聞くたびに夏がやってきたと思い、暑さとともにバテはじめている中野です。

 

さて、前回に引き続き、株式会社MakeCareが目指す先について話を続けていきます。

精神科訪問看護という言葉をみなさんは知っていますか?

私のエッセイを見てくださる皆さんであれば知ってくださっているでしょうけれども、世間ではまだまだ認知度は低いです。

 

「訪問看護=高齢者の方に行うもの」という認識が多いですし、「精神科」に行くということも、他の科に比べればハードルが高く、昔に比べれば受診率は上がってきたものの「行きにくい」科であることも事実です。

どうしてそうなってしまうのか、という話を、私の考えとともにお話ししていきますね。

 

さっそく結論からお話しすると、それは、日本人の国民性に影響しているのではないか、ということです。

日本人は他の人と違うことを嫌います。

気持ちがしんどいと思っていても、他の人は頑張れているのに「自分だけ頑張れていない」と思ってしまいがちです。

 

うつ症状にもかかわらず、そのサインを「頑張りが足りない。気合を入れればなんとかなる」と思い込んで、頑張らざるを得ない状況がよくあります。

でも、考えてみてください。

風邪をひいたとき、その症状に気付きながらも一人で頑張りつづけますか?

気軽に病院に行きますよね。

それが精神的な病となると、そのサインを見て見ぬフリをして頑張りつづけてしまうのです。

 

過去には精神科の疾患であることを隠しながら生活をしなくてはいけなかったときもありました。

それくらい周りと比べて「どうなのか」を気にして、自分の思いを素直に言えず、気持ちに嘘をつき、頑張りつづけることが美徳とされてきました。

精神科の看護に携わるようになって、「これはおかしい」と思うようになっていきました。

しかし、その当時の私はまだまだ若くて、ただ目の前にある仕事に一生懸命取り組むことしかできず、何もできない自分に悶々としていました。

 

そんななか考えるようになったのは「障がい」という言葉についてです。

「障がい」ってどんな意味だと思いますか?

障害という言葉を調べると『物事の達成や進行の妨げとなること』とあります。
出典:Wikipedia『障害』https://ja.wikipedia.org/wiki/障害

障がいがあると「しんどそう」などというマイナスな考えが多いのも事実です。

なぜそう考えてしまうのかーーそれは、相手の状態を「自分の物差しで見ているから」です。

 

障がいといってもさまざまです。

「障がい」は、本当にないほうがいいのでしょうか?

ないほうがいいと「自分」が思っているから、障がいがある人に対して“かわいそうだ”と、勝手に思っているのではないでしょうか?

でも障がいがある当事者は「障がい」のことを本当に『物事の達成や進行の妨げとなること』だと思っているでしょうか? ということです。

 

障がいは「社会が作っているものである」と感じています。

障がいそのものを見るのではなく、障がいを抱えて生活されている方が「何に困っているのか」という視点を持つことで、その方の困りごとについて一緒に考え、自分ができる支援が見つかるのではないかとも感じています。

障がいにばかり目を向けず、「その人」を見てほしいと思っています。

 

私は実はコミュニケーションがとても苦手です。

人の好き嫌いもすぐ顔に出ます。

これって看護師をしていくなかで「障がい」になることだと思っています。

今もうまくできているとは思っていませんが、なんとか毎日頑張っています。

でも、これがあるから看護師ができないのか、というと、そうではありません。

自分のできないことを正しく理解し、できるようになるためには何をしなければならないのかを考えることが大事だと思っていて、自己理解ができるように日々振り返りをし、必要な知識を入れながら看護師としてコミュニケーション技術を提供する私を作り上げています。

その一方で、看護師ではない自分のときは、これができなくて困ることもあります。

でもそのときは友人が助けてくれています。

 

自分の苦手なことやできないことを見つめることは苦痛を伴いますが、まず自分がそこを正しく知ることが大事です。

自己理解です。

看護師自身が振り返りを行い、自己の課題と向き合うことが大事であり、そうすることで支援する自分を作り上げていく。

できないところを見るのではなく、今の状態を正しく理解をすることが、「障がい」を正しく理解することにつながると思うのです。

 

「障がい」自体に目を向けて支援を行うのではなく、「その人」に目を向けて、その人にとって「障がいだ」と感じるところを見つけたときに、それを伝えて、一緒に考えることが大事であると思います。

そのときに大切なのは答えを伝えるということではなく、その方がどうしたいのかという思いを大切に、一緒に考えることが理解につながり、支援を考えることにつながると思っています。

 

「障がい」を見るのではなく、「その人」を見て理解するにはどうしたらいいのか……まだ答えは出ていません。

日々勉強をしている最中です。

精神に障がいを抱える方が気負いなく地域で生活できるために、自分にできることを常に考えながら生きていきたいと思っています。

 

さあ、最後は何書こうかな。それではまた。

 

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