大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、濱脇直行が綴る『専務エッセイ』第52弾!
急に暑くなってきましたね。
桜の季節も通りすぎ、春の⼼地よい暖かさがやってくるかと思いきや、急に夏みたいな暑さがやってきて困惑している毎⽇です。
⾞に乗るときに、車内の暑さがすでに異常で、「これは夏本番になったらどうなるんだろう……」とちょっと不安になっている代表の濱脇です。
ニュースではもう熱中症の話題も出たりしていて、ちょっと早すぎますね。
さて、今回は私なりに『訪問看護とAI』について考えてみたいと思います。
今、⼤阪万博が開催されていますね。
今回の万博の⼤きなテーマは「いのち」について。
医療の未来についての展⽰なども注⽬されています。
これから、訪問看護の未来はどうなっていくんでしょうか。
現在、少しずつですが、訪問看護の現場にもAIを導⼊され始めています。
たとえば、記録作業や報告書の作成業務など、看護師の負担を減らすために、AIを活用したアプリなどが出てきています。
他には、ウェアラブルデバイスや家庭⽤モニターからリアルタイムにデータを収集し、AIが体調異変(⼼拍、⾎圧異常など)を即時に検知・警告できるものもあると聞きます。
医療現場にAIが⼊ってくること自体に全然否定的ではないんですが、やっぱり「⼈の⼒が必要なくなってくるのでは?」という不安あったりします。
便利が故に不便にもなりかねないというか、棲み分けが大切で、AIを使う場面とそうでない場面の線引きがとても重要になってくるのではないかと感じています。
もちろん、AIによって看護師の負担が軽減され、時間や体力の余裕作りに役⽴つ可能性だってあると思います。
きっと、将来的には誰でも⼀定レベルのケアを提供できるようになる可能性もあるでしょう。
しかし、問題は「⼈間との棲み分け」なのかな、と。
同じ疾患であっても、対応の仕方は人によってまったく違います。
応⽤⼒や個別性、精神的な面への対応など、「人間」だからこそできるケアがあるなかで、どこまで使いやすく、信頼度の⾼いものが定着するかなのかなと思うわけで。
当然ながら、AIは大量のデータによって成り立っているので、そのデータの漏洩問題やAIの判断ミスなど、そういったリスクヘッジをどうするのか、完璧ではないところをどのように補完していくのか。
AIに頼りすぎると、きっと重⼤な⾒落としが起こったり、誤診断が起きたりもしかねないですよね。
あとは、時代ですよね。
これからは⾼齢者がどんどん多くなっていく時代。
今の若い人たちが歳を取っていったときに、⾼性能なデバイスやアプリを使いこなせるのかという点も気になります。
今でも、いろんなアプリあり、設定がややこしかったり、スマホの機能がパソコンと同じレベルまで上がって複雑だったり、「ついていくのが⼤変」と感じている人は多いですよね。
そして、経営者⽬線で⾒るとコストの問題も大きいです。
AIはどうしてもお⾼いイメージがあります。
普及が進めばコストも下がるのかもしれませんが、なかなかねえ。
今の段階では、特に小規模ステーションではそんな簡単には導⼊できなかったりするわけじゃないですか。
「必要なのに手が届かない」という、ちょっと理不尽な状況も生まれてしまいそうで、なんかちょっと嫌ですよね。
そして何より、私が⼀番懸念しているところは“人間らしいケア”が薄れていくことです。
医療や福祉、介護というものは「⼈対⼈」ですからね。
映画みたいに、ロボットが患者さんや利⽤者さんを看る世界なんてのは想像し難いんですよね。
こころとこころが通い合って、信頼関係が⽣まれ、初めて“良いケア”が提供できるところもあるじゃないですか?
「共感」や「寄り添い」がAIにできるの? って思ってしまうんです。
訪問看護には「⼈が家に来てくれる安⼼感」っていうものを感じておられる⽅々も一定数いらっしゃいます。
もちろん、家に来てほしくない、⼊ってほしくないという方もいますが。
なんというか、人間もAIも、うまく共存してくれればとても助かる世界が待っているんだろうなって思います。
でも、懸念材料も多くて、「便利だ」とか「負担が減る」とか、⽬先のメリットだけにとらわれているとえらい⽬に遭いそうな気がするんです。
これからの訪問看護、そして医療業界や福祉、介護の現場では、きっとAIという⾔葉を聞く機会が増えていくことでしょう。
そんなAIが浸透した社会でも、⼈の⼼を決して忘れることなく、看護師として、その⼈に合ったケアを考えながら関わっていきたいですね。
たまにはこんな話もしてみました。
また、次回もお付き合いください。
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