まわりの家族や友人など、大切な人がPTSDの場合、どのように声をかけたらいいのか、どのように関わると良いのかと不安になることがあるでしょう。
この記事ではPTSDの人への関わり方と精神科訪問看護の利用についてご紹介します。
PTSDの人への関わり方の3つのポイント
PTSDの人への関わりでは、話の聞き方が大切です。
ここではPTSDの人への関わり方のポイントを3つ解説します。
共感の姿勢で話を聞く
まず大切なのは、共感の姿勢で話を聞くことです。相手を思って話した激励の言葉が相手を傷つけてしまうケースもあります。
相手が話をしているときは、ただ静かに話を聞くだけで良いので、相手の話を遮らずに話を聞きましょう。共感しながら話を聞くだけで、本人の気持ちが少し楽になる場合があります。
無理に話を聞き出さない
つらい経験や記憶を無理に話すのは本人にとって非常につらい場合があります。信頼できる人に話をすることで少しずつ回復していく方もいますが、周りが無理に話を聞き出さないようにしましょう。
自分だけで抱え込まない
本人を支えようと、向き合うのは大切ですが、聞き方によっては無意識に相手をコントロールしようとしてしまっている場合があります。また、話を聞いているうちに、自分もつらい体験をしたように錯覚してしまうこともあるでしょう。相手の話を聞くことも大切ですが、つかず離れず適度な距離感で接し、まわりの人と協力しながら接するようにしましょう。自分だけで抱え込まないことが大切です。
参照:北海道HP「保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課|精神保健医療係|PTSDについて」
参照:ROYAL COLLEGE OF PSYCHIATRISTS「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」
参照:大阪府豊中市「メンタルヘルス対策推進ネットワーク|傷ついたこころのケア|ガイドブック」
PTSDの人へかけてはいけない言葉や接し方
次にPTSDの人へかけてはいけない言葉や接し方を解説します。
非難するような言葉かけ、相手の話を遮る
否定したり、話を遮ってしまったりするような聞き方では話しづらくなってしまうことがあります。意図せず責めてしまうような話し方だと受け取られる場合もあるかもしれませんが、なるべく責めないように声かけには注意しましょう。
また話を聞くときは相手のペースで話を聞くことが大切です。自分の意見を押し付けることはやめましょう。
回復を急かすような言葉をかける
はやく回復してほしいという気持ちから、励ましの言葉をかけたくなるかもしれません。しかし焦りは禁物です。本人のペースで治療を進めることが大切なので、時間がかかっても、本人の意思やペースを尊重しましょう。
参照:北海道HP「保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課|精神保健医療係|PTSDについて」
参照:ROYAL COLLEGE OF PSYCHIATRISTS「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」
参照:大阪府豊中市「メンタルヘルス対策推進ネットワーク|傷ついたこころのケア|ガイドブック」
家族がPTSDの場合、どう接したらいい?
家族がPTSDの場合はどのように関わればいいのでしょうか。
家族の場合の接し方を解説します。
サポートする意思を伝える
まずは必ずサポートする味方であるという意思を伝えましょう。つらい状況ですので、信頼できる支援者となることが大切です。
本人の気持ちやペースを尊重する
そして、本人の気持ちに寄り添うのも大切です。苦しくつらい状況にある中で、回復に時間がかかることもあるでしょう。
はやく回復してほしいと願う気持ちから焦るような声かけをしてしまうと、信頼関係が悪化してしまうことがあります。
本人の気持ちを尊重し、焦らず回復するときを待ちましょう。
専門家へ助けを求める
家族がサポートをしながらゆっくり回復していくケースもありますが、難しい場合は早めに専門家に相談するといいでしょう。
参照:北海道HP「保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課|精神保健医療係|PTSDについて」
参照:ROYAL COLLEGE OF PSYCHIATRISTS「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」
参照:大阪府豊中市「メンタルヘルス対策推進ネットワーク|傷ついたこころのケア|ガイドブック」
PTSDの相談はどこでできる?
PTSDの相談はどこでできるのでしょうか。最後にPTSDについて相談できる専門家がいる専門機関を紹介します。
精神科
まずは精神科です。精神科を受診すると、専門医が診断してくれるため、早期に治療が始められます。子どもなど、精神科の受診に抵抗がある場合は、まずは保健センターに相談してもいいでしょう。
参照:北海道HP「保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課|精神保健医療係|PTSDについて」
保健所・保健センター
保健所・保健センターは都道府県、政令指定都市に1つあります。受診相談から医療について幅広く相談できるため、受診するか悩む場合や、かかりつけがない場合など精神科の受診に抵抗がある人はまず相談してみると良いでしょう。
参照:大阪府豊中市「メンタルヘルス対策推進ネットワーク|傷ついたこころのケア|ガイドブック」
精神保健福祉センター
精神保健福祉センターを利用する方法もあります。精神保健福祉センターは各都道府県にあり、面談や電話で対応可能です。センターによっては交流会があり、本人や家族などグループによる交流会を開いているところもあります。
外出や仕事など社会生活への復帰前にまずは交流会に参加してみるのも良いでしょう。
参照:滋賀県立精神保健福祉センター「精神保健福祉センターはこんなことをしています」
参照:神奈川県立精神保健福祉センター「精神保健福祉センターとは?」
PTSDかなと思ったら精神科の受診をしよう
PTSDなのかなと思ったら、まずは精神科を受診しましょう。自分がPTSDだと気づくことが大切です。
診断がついたら、家族や周囲のサポート方法についても助言があるため、本人も家族も関わり方に迷いがなくなるというメリットもあります。
参照:北海道HP「保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課|精神保健医療係|PTSDについて」
PTSDの方との関わり方に悩んだら精神科訪問看護の利用がおすすめ
PTSDの人との関わり方は注意点が多く、どのように関わるといいのか、どのような声かけが必要なのか悩むこともあるでしょう。
また、精神科医から関わり方や声のかけ方について助言があっても、日々関わる中で不安や疑問点が出ることもあります。本人の様子をみながらその都度適切な対応が必要です。
精神科訪問看護では、本人の状況に合わせて適切なフォローができ、家族のサポートもできるため、支援に不安がある人にもおすすめです。
日々のサポートに不安がある場合は利用を検討してみてはいかがでしょうか。
「訪問看護ステーションくるみ」は、精神科に特化した訪問看護ステーションです。地域の福祉施設や行政と連携を図り、利用者さまとその家族に寄り添ったサポートを提供いたします。
「自宅での生活が不安」「気軽に相談できる人が欲しい」などとお考えの方は、精神科訪問看護利用を検討してみましょう。
サービスの利用にあたり、聞きたいことや確認したいことがある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。