「統合失調症は遺伝する」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
心の病気の1種である統合失調症ですが、近年の研究により、遺伝子が発症の原因になるとわかってきています。
親や兄弟など、近親者に統合失調症の方がおり、発症しないか心配な方もいるでしょう。
この記事では、統合失調症の遺伝について詳しく解説していきます。
遺伝的な要因以外の原因や予防法、発症した場合の対処法もまとめていますので、ぜひご覧ください。
統合失調症は遺伝する?
家族に統合失調症の方がいる場合、遺伝するのか気になる方もいるでしょう。
この章では、統合失調症の遺伝について詳しく解説します。
遺伝子が統合失調症の原因になると言われている
近年の研究により明らかになってきているのが、統合失調症の発症に対する「遺伝的要因」の関与です。
近年の研究により、統合失調症の発症に遺伝子が関与すると示されています。
つまり、近親者に統合失調症の方がいる場合は発症リスクが高まる可能性があるのです。
ただし現段階では、明確な原因遺伝子までは判明していません。
統合失調症の発症に関与する遺伝子にはさまざまな種類があり、人種によって発症に関与する遺伝子が異なるという説もあるためです。
そのため、近親者が発症した場合、自分や家族も必ず発症するわけではありません。
統合失調症の遺伝は、あくまでも「なりやすい」という意味で捉えておきましょう。
遺伝と環境ストレスが発症に関わる
統合失調症を発症する要因の1つが「ストレス」です。
遺伝的要因を持つ方がストレスの多い環境で生活していると、統合失調症を発症しやすくなる可能性があります。
仕事や人間関係の悩み、引っ越しなど急激な環境の変化、失業や死別のショックなどによるストレスが、統合失調症を発症するきっかけです。
参照:厚生労働省/こころの病気は遺伝する
参照:MSDマニュアル/統合失調症
遺伝要因を持つ方の統合失調症予防のポイント
統合失調症の遺伝的要因を持つ方が、発症を予防したい場合のポイントを解説します。
ストレスの少ない環境で生活する
統合失調症の発症リスクを抑えるには、なるべくストレスの少ない環境で生活するのがポイントです。
自分に合った職場に就職する、気楽に関われる人と付き合うなど、不安や悩みの少ない生活環境に身を置くことで日々のストレスを減らせます。
ストレスの解消法やコントロール法を身に付ける
溜まったストレスを発散する方法を身に付けるのも重要です。
どんなに気を付けても、仕事や人間関係のストレスはたまってしまう場合があります。
ため込みすぎて精神が不調を起こす前に、解消する手段を身に付けましょう。
具体的なストレスを解消するには、カラオケに行って大声で歌う、休日に趣味に打ち込む、友人や親、職場の同僚に愚痴を聞いてもらうなどの方法があります。
専門機関のサポートを受ける
遺伝要因を持っているために発症が不安な場合は、専門家のサポートを受けるのもおすすめです。
発症が疑われる場合は精神科や心療内科を受診し、専門医による診断を受けましょう。
また、受診先や診察を受けるべきか悩んだ場合は、地域の保健所や精神保健福祉センターに相談するのも手段の1つです。
統合失調症は発見が早いほど予後が良好になりやすいため、気になった場合は早めに相談しましょう。
統合失調症を発症した場合の対処法
万が一統合失調症を発症した場合、早めに精神科や心療内科で治療を受けましょう。
統合失調症は、早期の治療開始により、予後が良好になると言われています。
遺伝的要因がある方は、体調不良や心の不調を感じたら、早めの受診を心掛けてください。
また、訪問看護を利用してケアを受けるのもおすすめです。
訪問看護では、統合失調症において症状のケアや服薬の管理、社会生活復帰へのサポートなどを受けられます。
家族との関わり方や、遺伝要因を持つ場合の予防方法なども相談できるため、気になる方は訪問看護の利用も検討してみましょう。
関連記事:統合失調症で訪問看護を利用するには?サポート内容やメリットを解説
統合失調症の遺伝が心配なら専門家に相談しよう
統合失調症の遺伝が心配な方は、必要に応じて専門家のサポートを検討しましょう。
精神科医や専門家への相談は発症予防に繋がるほか、早期発見・治療開始にも繋がります。近親者に統合失調症の方がいる方は、気になる症状があれば早めに専門家へ相談してみてください。
統合失調症を発症した場合は、訪問看護を利用するのも手段の1つです。
『訪問看護ステーションくるみ』では、統合失調症における症状ケアや、日常生活のサポートを提供しています。
興味のある方は『こちら』から、お気軽にご相談ください。