訪問看護師になるには資格が必要？必要な知識やスキルもあわせて解説

高齢化が進むなか、訪問看護の需要は今後も高まることが予想されます。なかには「今までの経験を活かして訪問看護に転職したい」とお考えの方もいるでしょう。

訪問看護における看護師の役割や仕事内容は、病院やクリニックとは多少異なります。

この記事では、訪問看護師になるために必要な臨床経験や知識、あったらよいとされる資格をご紹介します。

訪問看護師になるにはどれくらいの臨床経験が必要？

訪問看護師になるには、どれくらいの臨床経験が必要か気になる方もいるかもしれません。
厳密に臨床経験が〇年必要とはいい切れませんが、1人で訪問することも多いため、一通りの知識や看護技術は習得しておきたいところです。目安は2〜3年の看護師経験があるとよいとされています。

訪問看護は、利用者さまの自宅や住み慣れた地域で療養生活が送れるように、看護や支援を提供するサービスです。基本的な知識や技術を駆使しながら、利用者さまの居住環境に合ったケア方法を検討・実施する応用力が必要になる場面もあるでしょう。

訪問看護ステーションによっては「〇年以上の経験が必要」などと募集要項に記載しているケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。

訪問看護師になるには資格を取得するのも有効

訪問看護師になるには、准看護師ではなく正看護師の資格が必須です。ほかにも、以下の資格があると訪問看護の仕事に役立つでしょう。

・認定看護師
・専門看護師
・認知症ケア専門士
・介護支援専門員（ケアマネージャー）
・回復期リハビリテーション看護師
・特定看護師

認定看護師であれば「在宅ケア」や「皮膚・排泄ケア」など、在宅医療に必要な分野は取得しておいて損はないでしょう。ほかにも、認知症ケア専門士や介護支援専門員などの資格や知識は、高齢者の在宅医療に携わる場合に役立ちます。

上記のような資格があれば、日々のケアだけでなく、転職する際にも有利にはたらくでしょう。ステーションによっては車を使用するところもあるため、普通自動車運転免許を持っていると活動の幅が広がります。

訪問看護師になるにはいくつかの知識やスキルが必要

訪問看護師として働くには、基本的な看護知識や技術のほかにも、在宅医療や介護保険サービスなどの知識も必要となります。

ここでは、訪問看護師になるために知っておきたい知識や、身につけておきたいスキルについて解説します。

訪問看護師として勉強すべき内容について詳しく知りたい方は、「訪問看護師として勉強しておくことは大きく3つ｜必要なスキルも解説」の記事もぜひお読みください。

知識

訪問看護師になるためには、以下の知識を習得しておくと安心です。



・基本的な看護ケアや処置
・各種スケールや評価基準
・在宅医療や介護保険サービス



まずは利用者さまの全身状態を把握して、正しくアセスメントするための基本的な知識が必要です。アセスメントの結果より、利用者さまが必要としている看護や処置を検討し、状況に合った方法で実施します。

さらに、ほかのスタッフや職種の方と正しい情報を共有できるよう、スケールや評価基準を理解しておくことが大切です。たとえば、意識レベルや褥瘡スケール、痛みスケールなどは利用する機会が比較的多いため、しっかりと覚えておきましょう。

また訪問看護は在宅医療になるため、在宅医療での看護師の役割について理解し、利用者さまが利用可能なサービスや支援についての知識を深めておく必要があります。訪問看護だけでなく、状況に応じて訪問診療や訪問リハビリテーションなどのサービスを提案することも可能となるでしょう。

スキル

訪問看護師には、以下のスキルが重要とされています。



・アセスメント力
・情報把握力
・コミュニケーション力
・行動力
・順応力
・急変対応力



訪問看護では、あらゆる情報のなかから利用者さまの状態を理解する必要があるため、高いアセスメント力が必要です。さらに、コミュニケーション力も重要なスキルのひとつです。訪問看護では、利用者さまや家族だけでなく、医師やケースワーカーなど多職種と関わる機会も多くなります。十分なコミュニケーションを図り、情報を共有しながらチームでサポートすることが大切です。

ほかには、利用者さまの居住環境に合わせてケアを提案する順応力や、急変や緊急事態が起こったときに落ち着いて対応するスキルも必要です。あらゆる状況を想定して、自分がどのように対処すればよいのかを事前に確認しておきましょう。

訪問看護師になるには基本的な看護についての知識や経験が必要

訪問看護師になるには、病院やクリニックで働く看護師とは役割や仕事内容が異なります。臨床経験は指定されていませんが、一通りの看護スキルを習得していると安心です。

「訪問看護への転職を考えている」「在宅医療に携わりたい」といった方は、現場で学びながら訪問看護師として働くのも方法のひとつです。精神科に特化した『訪問看護ステーションくるみ』では、一緒に働く方を募集しています。気になることがある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。