こんにちは。株式会社Make Careの代表取締役CEOであり、訪問看護ステーションくるみでマーケティングを担当している石森寛隆です。
XではHEROと名乗っていますので、もしよろしければフォローください。
さて、僕は以前から、訪問看護のコンサルティングやFCにはかなり懐疑的です。
というか、Xではもっと乱暴に、
「訪問看護のコンサルなんてゴミじゃないの?」
くらいのことを言っています。
その理由について、先日、マサさんのYouTubeで前後編にわたって話しました。
前半は、訪問看護の開業コンサルやFCに対して、なぜ僕が違和感を持っているのか。
後半は、
「お前も他社の経営を手伝ってるんだから、コンサルと一緒じゃないの?」
という話に対して、僕なりの違いを話しています。
僕の中で、その違いは「コミットメント」です。
知識だけを渡して、
「こうしたらいいですよ」
で終わるのではなく、自分も手を動かす。
一緒に悩む。
一緒に考える。
そして、一緒に結果を取りに行く。
僕が他社の事業に関わるときは、そういう関わり方をしたいと思っています。
[前半]
「訪問看護のコンサルなんてゴ◯以外の何者でもない!」
🎥https://youtu.be/m2BLgVZPfRQ?si=Hr_sl-8NzweH_7ME
[後半]
「コンサルはクソだ!?お前もコンサルっぽいことしてるだろ!→いえ、私はちゃんと『コミットメント』しています。」
🎥https://youtu.be/SVLKPBPNRnA?si=qByGs4or5yJWXaT4
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市、吹田市、尼崎市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
平日・土曜・祝日 9:00〜18:00
【日曜・お盆・年末年始休み】
※訪問は20時まで
対応させていただいております。
僕の批判に対する「アンサー」が出てきた
そんな中、「倒れゆく訪看経営者を救いたい」と、訪問看護のコンサル・FC事業を進めようとしている加藤さんが、古徳さんとのラジオで、このテーマについて話していました。
タイトルは、
「訪問看護にコンサル・FC本部は必要?外部支援の“あり/なし”を現場目線で考える」
です。
📻https://open.spotify.com/episode/47KuEFZbvpvY5MjEB4YTv7?si=nAI6ZZXTRxuE3eWbqdEaWg
ちなみに、ラジオ内で「あの人」「某人」みたいな感じで触れられている、Xでコンサルを批判していた人は僕です(笑)。
田邉さんから報告があったので、聞きましたw
自分とは違う立場から、
「なぜ訪問看護にコンサルやFCが必要だと思うのか」
を聞けば、僕の考え方にも何か抜けているところが見つかるかもしれない。
そう思って聞いたんですが、結論から言うと逆でした。
僕の疑念は、むしろ深まりました。
まず、「まだ何も固まってないやん」と思った
加藤さんが考えているモデルは、いわゆる高額な開業コンサルとは少し違います。
開業時に200万円、300万円という大きな加盟金を取るのではなく、初期負担を抑える。
売上が上がってくれば、その売上に応じてロイヤリティをもらう。
本部側でレセプトや指示書管理などのバックオフィス業務も支援する。
事業所が生き残って成長して、初めて本部側も利益が出る。
そういう設計を考えているようです。
この思想自体は分かります。
少なくとも、
「最初に何百万円も払ってください。あとは頑張ってください」
よりは、加盟側の初期リスクは小さい。
ただ、話を聞いていて僕が引っかかったのは、その先です。
FC1号店は、まだこれから。
ケアマネジャー向けの研修パッケージも、これからつくろうとしている。
それが本当に営業の武器になるのかも、まだ分からない。
ロイヤリティ6.5%の上限も固まっていない。
事業所が成長したあとの「卒業」についても、ラジオの中で検討している段階でした。
つまり、
「この仕組みで訪問看護事業所を救えました」という実績があるわけではなく、「こういう仕組みなら救えるんじゃないか」という仮説の段階です。
僕にはそう聞こえました。
もちろん、新しい事業は最初は全部仮説です。
仮説を持つこと自体を批判するつもりはありません。
ただ、
「訪問看護経営者を救うためのFC・コンサル」
として他人に提供するなら、その再現性については相当慎重に考えた方がいい。
僕はそこを一番気にしています。
京都で成功したから、東大阪でも成功するのか
訪問看護は、地域属性のものすごく強い事業です。
ここは僕がYouTubeでも話したところです。
たとえば京都で30人規模の訪問看護ステーションをつくれた。
京都で複数の事業を運営できた。
それ自体はもちろん実績です。
でも、それは、
「同じモデルを東大阪に持っていけば、同じように成功する」
という証明にはなりません。
京都で築いた病院やクリニックとの関係は、東大阪にはありません。
ケアマネジャーとの関係もありません。
相談支援事業所との関係もありません。
京都で働いている優秀なスタッフも、東大阪で働いてくれるわけではありません。
競合も違う。
人口動態も違う。
医療資源も違う。
移動効率も違う。
採用市場も違う。
紹介文化だって地域によって違います。
だから、訪問看護の経営には、全国どこでもそのままコピーできるほどの再現性をつくるのが難しい。
集客や採用など、一部分の再現性を高めることはできると思います。
でも、事業所経営全体となると話は別です。
「大きなグループの看板」が、本当に集客につながるのか
ラジオでは、FCに加盟するメリットとして、
「大きなグループの一つだと認識してもらえる」
という趣旨の話もありました。
僕はここにもかなり疑問があります。
そもそも訪問看護って、そんなに「看板」で依頼される事業でしょうか。
マクドナルドなら、
「マクドナルドが食べたい」
で店を選びます。
大阪でも東京でも福岡でも、看板そのものが集客力を持っています。
でも訪問看護の場合、
「○○グループの訪問看護だからお願いします」
という紹介が、どれくらい発生するのか。
少なくとも、その効果を示す数字はラジオの中では出てきませんでした。
地域で実際に紹介が増えるのは、
「あそこの管理者なら大丈夫」
「あの看護師さんならお願いできる」
「前に紹介した利用者さんへの対応が良かった」
という、地域で積み上げた信頼の方がずっと大きいと僕は思っています。
だから、
「FC本部のホームページに掲載します」
と言われても、それだけでは僕は何の価値があるのか分かりません。
そのホームページに月何人来ているのか。
そこから月何件の相談が入るのか。
加盟店へ何件送客できているのか。
それが利用者獲得につながったのか。
そこまで数字で示されて初めて、「集客支援」だと思います。
掲載しました。
だから何?
という話です。
月商1,000万円なら、ロイヤリティは月65万円
加藤さんがラジオで話していたロイヤリティは、売上の6.5%。
月商1,000万円なら、月65万円です。
年間780万円。
僕なら当然、こう考えます。
年間780万円以上の価値を、本部から受け取り続けられるのか。
利用者を何人紹介してくれるのか。
採用にどれだけ寄与するのか。
業務がどれくらい削減されるのか。
利益がどれくらい増えるのか。
そこを見ます。
事業所が大きくなれば、ロイヤリティも増えていきます。
立ち上げ時に助けてもらった価値と、3年後、5年後に払い続ける金額は同じではありません。
だから、初期費用が安いからリスクが低い、だけでは判断できない。
経営者なら、その先まで計算した方がいいと思います。
「看護師は看護に専念すればいい」にも違和感がある
そして、今回のラジオを聞いていて、僕がかなり引っかかった部分がもうひとつあります。
看護師は看護がやりたくて訪問看護を始めている。
だから、レセプトや指示書管理などの事務作業は無駄であり、本部側で引き取って、看護に専念できるようにしたい。
おおむね、そういう趣旨の話でした。
僕は、この考え方にはかなり違和感があります。
もちろん、事業が大きくなれば分業すればいい。
レセプトの入力作業を事務職に任せてもいい。
書類管理をシステム化してもいい。
単純作業を効率化することには僕も賛成です。
ただ、
レセプトや制度を理解することまで「看護とは関係のない雑務」として切り離すのは違う。
訪問看護は、公的な医療・介護保険制度の中で提供するサービスです。
どういう条件なら訪問できるのか。
どの保険で請求するのか。
どんな加算があるのか。
その加算にはどんな要件があるのか。
どんな記録を残さなければならないのか。
自分たちが提供した看護が、制度上どのように評価され、どう請求につながるのか。
それを知らないまま、訪問看護ステーションを経営できるとは僕には思えません。
レセプト入力という作業そのものが「看護技術だ」と言いたいわけではありません。
でも、記録し、報告し、制度に沿って請求し、その対価を受け取り、次の看護を提供できる状態を維持する。
そこまで含めて、訪問看護という事業です。
利用者さんに必要な看護を継続して届けるためには、事業所が存続しなければならない。
その事業所を存続させる仕組みを理解することは、「看護とは関係ない雑務」ではありません。
少なくとも経営者になるなら、なおさらです。
分かってから外注するのと、分からないまま丸投げするのは違う
僕がYouTubeでも話したのは、ここです。
レセプトを理解した人が、
「この作業は外に出して大丈夫」
と判断する。
これはいいと思います。
でも、何も分からない人が、
「僕は看護をやりたいから、これは全部やってください」
と最初から丸投げする。
僕は、こっちは危ないと思っています。
外注先が間違えていても分からないからです。
自分の請求がおかしくても気づけない。
なぜこの売上になっているのかも分からない。
制度改定があったとき、何が変わったのかも判断できない。
それで「訪問看護経営」をするのは、さすがに無理があります。
これはAIも一緒です。
自分が理解している分野なら、AIはものすごく便利です。
でも何も知らない分野を丸投げすると、AIが間違ったことを言っていても気づけません。
外注も、コンサルも、FCも同じです。
理解したうえで使うのか。理解すること自体を放棄するのか。
この差はかなり大きい。
「生き残らせること」と「経営できるようにすること」は違う
加藤さんは、「倒れゆく訪看経営者を救いたい」と話しています。
その思い自体を否定するつもりはありません。
ただ、僕はここでも考えてしまいます。
本部がレセプトをやる。
書類を管理する。
営業ツールをつくる。
経営について毎週相談に乗る。
そうして事業所が生き残ったとして、
その経営者自身は、いつ経営できるようになるんだろう。
ということです。
生き残ることと、経営者として成長することは同じではありません。
本部がいなくても経営できる人をつくるのか。
それとも、本部がいなければ経営できない状態を維持するのか。
ここは、コンサルやFCを考えるうえでかなり大事だと思っています。
僕は、後者にはなりたくありません。
それでも「これなら安心」と思うなら、やればいい
ここまで散々書きましたが、僕は、
「訪問看護でコンサルを受けるな」
と禁止したいわけではありません。
加藤さんのラジオを聞いて、
「これだけやってくれるなら安心だ」
「初期費用も大きくないし、リスクも低そうだ」
「売上の6.5%を払ってでも、この支援を受けたい」
そう思うのであれば、やればいいと思います。
経営なんだから、最後は自己責任です。
僕の考え方に合わせる必要もありません。
ただ、その契約をする前に一度だけ試してほしいことがあります。
近くの訪問看護ステーションの経営者に聞いてみることです。
Xでもいい。
リアルでもいい。
知り合いの経営者でもいい。
「指定申請どうしました?」
「レセプトってどうしてます?」
「営業ってどこに行ってます?」
「採用どうしてます?」
「この書類、どう作ってます?」
たぶん、喜んで色々教えてくれる人は結構いると思います。
僕だって、ある程度関係性のある人なら普通に話します。
自社で使っている資料も、出せるものなら見せます。
訪問看護って、そんなに秘密のノウハウだらけの商売じゃありません。
制度は公開されています。
行政に聞けば教えてくれます。
現場の運用だって、同業者同士で情報交換できます。
もちろん、その情報を自社に合わせて考えて、実行するのは自分です。
そこだけは誰にも代わってもらえません。
だから僕は、
その程度の情報を得るためだけに、毎月何十万円、売上の数%を払い続ける必要が本当にあるのか。
とは思っています。
逆に言えば、無料で聞ける情報や、自分で調べれば分かることを超えて、
「この人たちが入ることで、自分たちだけでは出せなかった成果が出る」
と判断できるのであれば、払えばいい。
それが経営判断です。
聞き比べて、自分で決めればいい
僕は今でも、訪問看護のコンサルやFCには懐疑的です。
そして今回、加藤さんのラジオを聞いて、その疑念はむしろ深まりました。
まだモデルは完成していない。
地域をまたいだ再現性も証明されていない。
看板による集客効果も示されていない。
その一方で、経営者自身が理解すべき制度や請求まで、本部側へ切り出そうとしている。
僕なら、そこに売上の6.5%を払う判断はしません。
でも、これは僕の考え方です。
訪問看護を経営していて、
「コンサルを入れようかな」
「FCに加盟しようかな」
と考えている人には、ぜひ僕のYouTubeと加藤さんのラジオを両方聞いてほしい。
そのうえで、自分がどちらの考え方に近いのかを考えればいいと思います。
コンサルを入れることも経営判断。
入れないことも経営判断。
FCに入ることも経営判断。
自分で全部やることも経営判断です。
ただ、その判断まで誰かに委ね始めたら、僕はもう経営者ではないと思っています。
僕なら、その前に仲間に頭を下げる
そして僕なら、契約する前に、まず近くの訪問看護経営者に聞きます。
AIを駆使しながら、自分で調べられることは自分で調べる。
制度を読む。
行政に聞く。
自分でやれるところまでは、自分でやる。
それでも分からないことがあれば、Xでもいい。
リアルの訪問看護事業者同士のつながりでもいい。
地域会議でもいい。
そこで出会った、志を共にできる仲間に、正面から頭を下げて教えを乞う。
僕なら、そうします。
僕自身、どこまで一緒に考えられるかは分かりません。
分からないことは、分からないと言います。
でも、「教えてほしい」と正面から来てくれる人に対して、僕ができることなら、なんでもします。
たぶん、僕だけじゃない。
訪問看護の経営者って、そういう人が結構いると思うんです。
同業者を顧客にするより、仲間にした方が、この業界は強くなると思っています。
