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子どもの間欠性爆発性障害|癇癪・爆発的な怒りの特徴と親ができる対応

精神科訪問看護とは

「ちょっと注意しただけなのに、火がついたように泣き叫んで物を投げる」 「反抗期やわがままのレベルを超えている。この子の怒り方はどこかおかしいのではないか」

毎日のように繰り返される我が子の激しい癇癪や爆発的な怒りを前に、心身ともに疲れ果てていませんか。「私の育て方が悪かったのだろうか」「もっと厳しくしつけるべきだったのか」と、ご自身を責めてしまう親御さんは決して少なくありません。誰にも相談できず、毎日どれほど孤独の中で頑張ってこられたことでしょう。まずは、今日まで逃げずにお子さんと向き合ってきたご自身を、どうか優しく労ってあげてくださいね。

その激しい怒りは、決してあなたのしつけのせいでも、子ども自身の性格が悪いからでもない可能性があります。コントロールできない爆発的な怒りを繰り返す背景には、「間欠性爆発性障害」という、脳の感情を処理する機能に関わる疾患が隠れていることがあるのです。

この記事では、子どもの間欠性爆発性障害の特徴や、単なる癇癪との見分け方、そして家庭で親ができる具体的な対応と専門機関への相談について詳しく解説します。自分を責めるのを少しだけお休みして、子どもがSOSを出している「本当の理由」を一緒に紐解いていきましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断に代わるものではありません。発達の特性や病気の診断は、必ず小児科や児童精神科などの専門医による診察を受けてください。

ご不安な気持ちが強い時や、文章を読むのがお辛い時は、無理をせず私たちにお声がけください。

精神科の専門スタッフが、あなたの状況に合わせてお話をお伺いします。まずはお気軽にご相談ください。

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

 

子どもの間欠性爆発性障害とはどんな状態か

大人と異なる子どもの症状の現れ方

間欠性爆発性障害は大人だけでなく、子どもにも発症することがある疾患です。しかし、大人と子どもでは、その「怒りの表現方法」に大きな違いがあります。

大人の場合は、言葉による激しい暴言や、意図的に物を破壊するといった形で怒りが爆発することが多い傾向にあります。一方、まだ自分の複雑な感情をうまく言葉で表現(言語化)できない子どもの場合、パニックになって床を転げ回って泣き叫ぶ、手当たり次第に物を投げる、親や兄弟を力任せに叩く、あるいは噛みつくといった、より直接的な「行動面」での爆発として現れやすいのが特徴です。

周囲からは単なる「激しい反抗期」や「極端なわがまま」「かんしゃく持ち」と混同されがちですが、間欠性爆発性障害を疑う重要なポイントは、その怒りの強さが「きっかけとなった出来事(思い通りにならなかった、注意されたなど)と明らかに不釣り合いであること」です。そして、嵐のように激しく爆発した怒りは比較的短時間(多くは30分以内)でスッと収まり、我に返った本人が「またやってしまった」と深く後悔する姿が見られるのも、この疾患特有のサインと言えます。

発達障害との関係

子どもの激しい癇癪や怒りの爆発の背景には、注意欠如・多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)といった発達障害の特性が併存している場合があると考えられています。例えば、ADHDの「衝動性を抑えるのが苦手」という特性や、ASDの「予定外の変更に対する強い不安やこだわり」といった特性が引き金となり、結果として間欠性爆発性障害のような激しい怒りの爆発に繋がることがあるのです。

ただし、発達障害があるからといって、必ずしも全員が間欠性爆発性障害になるわけではありません。また、逆に発達障害の特性が全く見られなくても、間欠性爆発性障害の症状だけが単独で現れるケースもあります。子どもの行動の背景に何があるのかを正確に見極めることは非常に難しいため、インターネットの情報だけで自己判断せず、専門医による丁寧な診察と見立てを受けることが何よりも重要です。焦らなくて大丈夫ですので、少しずつ専門家の力を借りていきましょう。

関連記事:間欠性爆発性障害の夫への対処法|妻が自分と子どもを守るためにできること

関連記事:間欠性爆発性障害とは?症状・原因・治療法を徹底解説

子どもの間欠性爆発性障害に気づくサイン

子どもが激しい怒りを爆発させるとき、それが成長の過程でよく見られる一時的な癇癪なのか、それとも専門的なサポートが必要なサインなのかを見極めるのは、親にとって非常に難しい問題です。しかし、日常生活の中には、注意深く観察することで気づけるいくつかの特徴的なサインがあります。

例えば、「おもちゃが少し思い通りに動かなかった」「テレビを見る時間を終わりにしようと言われた」といった、大人から見ればほんの些細な出来事が引き金となり、突然スイッチが入ったように激しく泣き叫んだり、怒鳴ったり、物を手当たり次第に壊したり、人を叩いたりするような過剰な反応が見られる場合です。その怒りのエネルギーは尋常ではなく、親がどれだけなだめても、あるいは厳しく叱っても、全く耳に入らないようなパニック状態に陥ることがあります。

また、嵐のような激しい怒りがスッと収まった後、本人が「なんであんなひどいことしたんだろう」「叩きたくなかったのに止まらなかった」と、自分の行動を深く後悔し、強い自己嫌悪に陥る姿が見られることも重要なサインの一つです。

さらに、この激しい爆発が、家族や特に心を許している友人など「自分が安心できる相手」に対してのみ向けられるという特徴もあります。学校や習い事の場では「優しくて手のかからない良い子」として振る舞えているのに、家に帰ってきた途端、あるいは親の前でだけ、まるで人が変わったように激しく爆発する場合です。これは、外の世界で懸命に抑え込んでいるストレスや緊張の糸が、安心できる家庭という安全基地で一気に切れてしまうために起こる現象です。

加えて、「昨日は平気だった同じ出来事」が、今日は激しい爆発の引き金になるなど、怒りのきっかけが毎回コロコロと変わり、親が「今日はどこに地雷があるのか」を全く予測できず、常に子どもの顔色をうかがいながら生活しなければならない状態が続いているのであれば、それは専門家の視点が必要なタイミングかもしれません。

なお、ここで挙げたサインはあくまで目安であり、これらの全てが当てはまる必要はありません。そして何より、これらは決して“育て方の失敗”の証拠ではありません。成長する中で適切なサポートを受けながら乗り越えられることも多いので、今はご自身を責めず、温かく見守って大丈夫です。少しでも「何かおかしい」と感じる部分があれば、早めに専門機関へ相談することが解決への第一歩となります。

関連記事:間欠性爆発性障害のチェックリスト|セルフチェックと他の疾患との見分け方

親が知っておくべきこと

「しつけの問題」ではない理由

激しく暴れる我が子を前に、「私の育て方が甘かったからだ」「もっと幼い頃から厳しくしつけるべきだった」と、涙を流しながら自分を責めている親御さんは少なくありません。しかし、どうかご自身を追い詰めるのはやめてください。

間欠性爆発性障害による怒りの爆発は、子どもの「意志が弱いから」でも「性格がわがままだから」でもありません。脳の中で感情をコントロールし、ブレーキをかける機能がうまく働いていないという、脳の機能的な特性が背景に関わっている可能性が高いのです。

脳のブレーキが壊れている状態の車に向かって、「もっと気をつけて運転しなさい!」とどれだけ厳しく叱っても、事故は防げませんよね。それと同じで、病的な怒りの爆発に対して厳しく叱責したり、力でねじ伏せようとしたりすることは、全くの逆効果になる場合がほとんどです。むしろ、子どもは「誰もわかってくれない」という強いストレスを感じ、さらに症状を悪化させてしまうことすらあります。原因はあなたのしつけではありません。必要なのは「正しい修理の方法(治療とサポート)」を一緒に見つけることなのです。

子どもが自己嫌悪に陥っているサインと対応

怒りが収まった後、最も傷つき、混乱しているのは子ども自身です。「またお母さんを叩いてしまった」「どうしていつもこうなっちゃうんだろう」と、コントロールできない自分自身に対する強い恐怖と深い自己嫌悪を抱えています。

ひどく落ち込み、「自分はダメな子だ」「もう消えてしまいたい」といった言葉を漏らす子どももいます。そのようなとき、親としては非常にショックを受けるかもしれませんが、どうか取り乱さずに、まずは子どもの苦しみをそのまま受け止めてあげてください。

そして、「あなたが悪い子なんじゃないよ」「怒りが急に止まらなくなるのは、あなたのせいじゃないんだよ。一緒にどうすればいいか考えようね」と、子どもの存在そのものを全面的に肯定し、決して見捨てないというメッセージを伝え続けてあげてください。その安心感こそが、子どもが治療に向かうための最強の土台となります。

爆発が起きたときの親の対応

いざ子どもの激しい怒りが爆発してしまったとき、親としてどのように対応するのが正解なのでしょうか。その瞬間の対応を少し変えるだけでも、事態の悪化を防ぐことができます。

まず大前提として、子どもが爆発している最中は、絶対に「説教・説得・叱責」をしないでください。怒りのピークにある子どもの脳は、完全に興奮のパニック状態にあり、親の論理的な言葉は一切届きません。「いい加減にしなさい!」「なんでそんなことするの!」と大声で言い返せば、子どもはさらにパニックを強め、暴力や破壊行動がエスカレートするだけです。

その代わり、周囲の危険な物(投げられそうな物、ガラスなど)をサッと片付け、子どもと親自身の安全を確保したら、少しだけ距離を置いてください。そして、子どもが落ち着くまでの間、決して刺激せず、静かに嵐が過ぎ去るのを見守ります。可能であれば別の部屋に移動するなど、物理的な距離を取ることも有効です。

怒りのピークが過ぎ、子どもがハッとして我に返り、落ち着きを取り戻したのを見計らってから、初めてゆっくりと声をかけます。「さっきは自分でも止められなくて怖かったね」「嫌な気持ちになって辛かったね」と、子どもが言葉にできなかったパニックの感情を、親が穏やかに代弁してあげてください。責めるのではなく、気持ちを翻訳してあげることで、子どもは「わかってもらえた」と安心することができます。

また、爆発が収まった後に、親御さん自身のためにやってみていただきたいことがあります。それは「いつ・どこで・何がきっかけで・どのくらい爆発が続いたか」を、簡単なメモで構わないので記録しておくことです。「お腹が空いている夕方の時間帯に多い」「急に予定が変更になったときに必ず爆発する」といった、怒りの引き金(トリガー)のパターンを客観的に把握することができれば、事前に対策を立てやすくなり、医師に相談する際にも非常に役立つ重要な資料となります。

ただし、親御さん自身も疲れ切っているときは、もし余裕がなくて記録がうまくいかなくても大丈夫です。「今日できなかった」からといって、決してご自分を責めないでくださいね。少し立ち止まって、お子さんと一緒に休んでいいんですよ。

専門機関への相談と治療

いつ相談すべきか

「子どもの癇癪なんて、大きくなれば自然に治るだろう」と様子を見続けてしまうご家庭は非常に多いです。しかし、間欠性爆発性障害の可能性がある場合、適切なサポートがないまま放置すると、思春期以降にさらに問題が深刻化するリスクがあります。

相談の目安として、「家庭での爆発が激しく、親が心身ともに疲弊しきっている」「学校生活や友人関係でトラブルが頻発し始めている」「子ども自身が深く傷つき、自己肯定感が著しく下がっている」といった支障が出ている場合は、迷わず早めに小児科、児童精神科、または地域の保健センターなどの専門機関へ相談してみてください。「もう少し様子を見ましょう」と周囲から言われ続けた結果、症状が悪化してしまったケースは山ほどあります。毎日子どもと接している親の「やっぱりどこかおかしい、辛い」という直感を、どうか一番大切にしてください。

子どもへの治療アプローチ

医療機関では、子どもの年齢や発達段階、症状の重さに合わせて、さまざまな治療的アプローチが行われます。

例えば、自分の感情の変化に気づき、爆発する前に対処する方法を学ぶ「認知行動療法」や、遊びを通して心の葛藤を表現し処理していく「遊戯療法」など、子ども自身への心理的なアプローチがあります。また、親に対して、子どもの行動を客観的に観察し、パニック時の具体的な対応スキルや、褒め方のコツなどを学ぶ「ペアレントトレーニング」も非常に効果的な治療の柱となります。

怒りの衝動があまりにも強く、自分や他者を傷つける危険性が高い場合には、衝動性を和らげるための薬物療法が検討されることもあります。しかし、子どもへの投薬は非常にデリケートな問題であるため、薬のメリットとデメリットについて、医師が慎重に見極めながら判断することになります。

訪問看護という選択肢

「専門機関へ相談したいけれど、子どもが病院に行くことを激しく拒否して暴れる」「親自身が心身の疲労で、子どもを連れて外出することすら困難」といったご家庭も少なくありません。

そのような場合にぜひ知っておいていただきたいのが、「精神科訪問看護」という選択肢です。これは、医師の指示のもと、精神科の専門知識を持った看護師などのスタッフが定期的にご自宅へ訪問し、療養生活のサポートを行う制度です。

住み慣れた安心できる自宅という環境で、子ども自身のペースに合わせてゆっくりと関係性を築きながら、感情のコントロールの練習を行ったり、服薬のサポートを行ったりすることが可能です。また、何より大きいのは、密室の育児で孤立し、疲弊しきっている親御さんの悩みを聞き、具体的な対応のアドバイスを直接ご家庭の中で行えることです。

お子さんのための第一歩は、まず親御さんが自分を責めすぎないことから始まります。どんなに小さな疑問でも、気軽にご相談ください。「まずは話を聞いてもらうだけ」でも大丈夫です。私たち「くるみ」のような訪問看護ステーションは、ご家族全体が笑顔を取り戻すための、最も身近な伴走者になりたいと願っています。

関連記事:間欠性爆発性障害の治し方|本人・家族ができることと専門的な治療法

関連記事:間欠性爆発性障害の接し方|爆発中・落ち着いた後・受診を促す方法を解説

まとめ

「どうしてうちの子だけがこんなに荒れるのか」。先の見えない子どもの激しい怒りに向き合う日々は、暗闇を手探りで歩くように孤独で辛いものだったことでしょう。

しかし、その怒りの爆発は、決してあなたのしつけが間違っていたからでも、子どもが悪い子だからでもありません。脳がうまく感情を処理できず、子ども自身もどうしていいかわからずに苦しんでいる「SOSのサイン」かもしれないのです。

間欠性爆発性障害は、適切な専門的サポートと、周囲の正しい理解によって、必ず改善への道筋が見えてくる疾患です。だからこそ、もう親御さんだけで抱え込んで自分を責めるのは終わりにしてください。「もしかして」と気づき、今この瞬間に悩んでいるあなたの勇気だけでも、もう十分に素晴らしいことです。

精神科訪問看護ステーション「くるみ」は、パニックに苦しむ子どもと、疲労困憊している親御さんの間に立ち、ご家庭に安心と穏やかな時間を取り戻すための専門的なケアを提供いたします。少しでも心が軽くなるために、まずは一緒に、でも一歩だけ進んでみましょう。いつでも私たちにお声がけくださいね。一緒に、子どもが笑顔で成長できる未来を探していきましょう。

ひとりで抱え込まないでください。私たちがそっと寄り添います。

ご家族やご本人だけで抱え続けることの苦しさを、私たちは知っています。

「少し話を聞いてほしい」だけでも大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した人

中野誠子

株式会社Make Care 代表取締役社長

中野 誠子

看護師 / (元)重症心身障害児者認定看護師

精神科病棟勤務・看護学校教員として経験を積み、「こころに寄り添う看護」を志す。石森・濱𦚰とともに株式会社Make Careを創業。現在は訪問看護ステーションくるみの代表として現場に立ちつつ、メディアにも積極的に登場し、地域精神医療の啓蒙とアップデートに挑む。

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