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【専務エッセイ】Vol.78 大阪人の「しらんけど」を深掘りしてみる

くるみの社長エッセイハムさんシリーズ精神科訪問看護とは

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、濱脇直行が綴る『専務エッセイ』第78弾!

 

この前、会議中に「それ、たぶんいけると思います」と話しながら、最後に「しらんけど」と言いそうになってしまいました。
さすがに仕事中にそれはあかんなと思い、心の中で飲み込みました。
専務の濱脇です。

梅雨入り前で気候も不安定ですが、皆さま体調は崩されていませんか?

さて本日は、私がちょっと気になっていることについて書いてみようと思います。
それは、大阪人がよく使う「しらんけど」という言葉です。

そんな大阪名物(?)とも言える言葉を、少し深堀りしてみたいと思います。

 

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

 

「しらんけど」は本当に無責任な言葉なのか

「明日、雨降るらしいで。しらんけど」
「あそこの店、人気あるらしいで。しらんけど」
「あの人、たぶん怒ってへんと思うで。しらんけど」

大阪以外の人からすると、なかなか不思議な言葉かもしれません。

ここまで話しておいて最後に「知らん」と言うわけですから、普通に考えたら「いや、知らんのかい!」とツッコミたくなりますよね。

でも大阪人の目から見ると、「しらんけど」は単なる無責任な言葉ではないように思うんです。
もちろん、ちょっと適当です(笑)。
そこは否定しません。
ただ、その適当さの中に、会話をやわらかくする力があると私は感じています。

大阪人が言う「しらんけど」には、だいたいこんな気持ちが含まれている気がします。

・自分はそう思うけど、絶対とは言い切られへんで
・間違ってたら怒らんといてな
・まあ、軽く聞いとってな

つまり、話を投げっぱなしにしているようで、実はちゃんと保険をかけているんですよね。

 

大阪の会話文化と「しらんけど」

大阪の会話は、とにかくテンポが大事です。

正しいかどうかを全部確認してから話すより、とりあえず話してみる。
すると相手がツッコんだり笑ったりして、また会話が転がっていく。

その流れの中で、「しらんけど」は非常に便利な言葉なんです。

例えば「駅前の新しい店、めっちゃ流行ってるらしいで。しらんけど」という会話。

この人はたぶん、店の売上も来客数も知りません。
知っていたら逆に怖いですよね(笑)。
店の前に人が並んでいたとか、誰かから聞いたとか、その程度の情報かもしれません。

でも「しらんけど」を付けることで、

「正式な情報ではありません」
「ニュースで見たわけでもありません」
「近所のうわさレベルです」

ということを、さりげなく伝えているんです。
そう考えると、意外と親切な言葉なのかもしれません。

「絶対そうやで!」と言われるより「たぶんそうなんちゃう?しらんけど」のほうが、聞く側も気楽だったりしますからね。

 

便利だからこそ使いどころが大事

とはいえ、「しらんけど」は何にでも使っていいわけではありません。

例えば、
「この薬、飲まんでも大丈夫らしいで。しらんけど」
これは明らかにアウトです。

「明日から会社休みらしいで。しらんけど」
これもただただ迷惑です。

「給料、来月から倍になるらしいで。しらんけど」
これは一瞬夢を見せてくる分、なかなか罪深いですね(笑)。

つまり、「しらんけど」は責任を消してくれる魔法の言葉ではありません。
笑って済む話なら便利ですが、健康やお金、仕事など、人の大事な判断に関わることは当然きちんと確認が必要です。
そこに「しらんけど」を付けても責任はなくなりません。
むしろ、「知らんかったら言うなよ」と言われるでしょう。

それでも私は、この言葉には大阪らしさがぎゅっと詰まっているように感じます。

言い切りすぎない。
でも黙りすぎもしない。
少し話して、少し逃げ道を残して、少し笑いに変える。

この絶妙な加減が、大阪の会話にはある気がするんです。
人と話していると、全部をきっちり説明できることばかりではありません。
なんとなく思ったことを口にすることもありますし、自信はないけれど会話として出してみたいこともあります。

そんなときに「しらんけど」は、

「これは私の考えやで」
「絶対ではないねん」
「まあ、そんな感じで聞いといて」

という余白を作ってくれる言葉なのかもしれません。

 

さいごに

大阪人の「しらんけど」は、ただの口癖に見えて、実は会話を軽くするための道具なのではないかと私は思っています。

言葉を少しゆるめて、相手がツッコミやすい空気をつくる。
そんな役割を果たしているのかもしれません。

訪問看護の現場でも、人との関わりの中で感じることがあります。
言葉は正しさだけではなく、伝わり方や受け取られ方も大切です。
少し余白を残した言葉の方が、相手に届くこともあります。

まあ、大阪人が本当にそこまで考えて「しらんけど」を使っているのかと言われたら、多分そこまでは考えてないと思いますけどね。

……しらんけど。

なんだか今日は、まとまりのないコラムでしたね(笑)。
いつもまとまりがあるみたいな言い方をしていますが、そんなこともないか。

では、本日はこの辺で。

この記事を書いた人

濱𦚰直行

株式会社Make Care 専務取締役COO

濱𦚰 直行

看護師

オペ看護師としての豊富な経験を活かし、精神科訪問看護の現場へ。地域密着型のケアと現場主義を貫く実践派。石森・中野とともに株式会社Make Careを創業し、現在は訪問看護ステーションくるみの統括責任者として、現場支援と組織運営の両立に挑んでいる。

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