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【社長エッセイ】Vol.79 人はなぜバズりを求めるのか

くるみの社長エッセイ精神科訪問看護とは誠子さんシリーズ

大阪市全域を訪問区域とする『訪問看護ステーションくるみ』の代表、中野誠子が綴る『社長エッセイ』第79弾!

 

梅雨に入り、雨の日が続くようになりました。私は雨がそれほど嫌いではありません。雨音や、雨がコンクリートや土に落ちたときの香りが好きだったりします。ジメジメと過ごしにくい毎日の中でも、小さな楽しみを見つけながら、この時期を乗り切りたいですね。

さて、最近ニュースを見ていて、とても考えさせられる出来事がありました。
今日はそのことについて、私なりの思いを書いてみたいと思います。

 

大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市、吹田市、尼崎市全域対象

“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」

06-6105-1756 06-6105-1756

平日・土曜・祝日 9:00〜18:00 
【日曜・お盆・年末年始休み】

※訪問は20時まで
対応させていただいております。

 

「バズること」が目的になっていないか

SNSを開けば、「〇万いいね」「〇万回再生」「バズった投稿」という言葉が当たり前のように並んでいます。

投稿の内容には、見てびっくりするような動画だったり、人を批判するような内容だったり。
そんなものを目にするたびに、「なんのためにこんなことをしているんだろう?」と、頭にハテナをいっぱい浮かべながら見ています。

発信する人にとって、多くの人に見てもらえることは嬉しいことです。
自分の考えが届いた。
共感してもらえた。
誰かの役に立てた。
そう感じられることは、発信する喜びの一つでしょう。

でも、時々考えるんです。
人はなぜ、そこまでバズりを求めるのだろう。

もちろん、事業をしている人であれば認知を広げる目的がありますし、情報発信を仕事にしている人であれば、より多くの人へ届けることにも意味があります。
けれど、目的が曖昧なままただ発信を続けている人ほど、「何を伝えるか」よりも「どれだけ反応があるか」に気持ちが向いてしまっているようにも感じます。

いいねの数。
フォロワーの数。
再生回数。
気がつけば、それらが自分の価値を測る物差しになってしまうこともあるのではないでしょうか。

 

人は誰でも認められたい

精神科訪問看護の現場で多くの方と関わる中で感じるのは、人は誰しも「認められたい」という気持ちを持っているということです。

自分の存在を知ってほしい。
頑張りをわかってほしい。
価値のある人間だと思いたい。

それは決して悪いことではありません。
むしろ、人としてごく自然な欲求です。
しかし、その承認をSNSだけに求め始めると、少し苦しくなります。

SNSの評価はとても不安定です。
昨日は評価されたのに、今日はされない。
昨日は共感されたのに、今日は批判される。
そのたびに心が揺れ、自分自身の価値まで変わってしまったような気持ちになる。

そして、もっと反応が欲しくなり、見てもらいたくなり、評価されたくなる……
その結果、少しずつ強い言葉を使ってしまうようになります。

誰かを批判する。
誰かを見下す。
対立を煽る。
本当はそんな発信をしたいわけではないのに、反応を得ることが目的になり、過激な表現へ近づいてしまうのです。

SNSでは、穏やかな言葉よりも刺激の強い言葉のほうが拡散されやすい傾向があります。
だからこそ、時々立ち止まって考えることが大切なのだと思います。

その発信は、本当に伝えたいことなのか。
それとも、
評価されたい気持ちに動かされているだけなのか。

 

信頼は日々の積み重ねから生まれる

これは経営にも共通していると感じています。
組織のトップに必要なのは、目立つことではなく信頼されることです。
一時的な注目は集められても、信頼は日々の積み重ねでしか得られません。
看護も同じです。
利用者さんとの関係は、派手な言葉やパフォーマンスでは築けません。
毎日の小さな関わりや誠実な姿勢を積み重ねていくことで、少しずつ信頼が育まれていくものだと思っています。

私はSNSも、本来は同じではないかと感じています。
バズることが悪いわけではありません。
多くの人に届くことにも価値があります。
けれど、バズること自体が目的になった瞬間、本当に伝えたかったことを見失ってしまうことがあります。

大切なのは、どれだけ多くの人に見られたかではなく、
その言葉が誰かの心に何を残したか。
たった一人に届いた言葉が、その人の人生を支えることもあります。
数字では測れない価値がある。
精神科看護の現場で一人ひとりと向き合うたびに、私はそう感じます。

 

さいごに

発信する自由がある時代だからこそ、バズるかどうかではなく、自分はどんな言葉を残したいのか。
その問いを忘れずにいたいと思っています。

数字は一時的な満足を与えてくれるかもしれません。
けれど、人を本当に支えるのは、そこに込められた思いや言葉の重みではないでしょうか。

私自身も、一人でも誰かの心に残る言葉を届けられる発信を続けていきたいと思っています。

次は何を書こうかな。

この記事を書いた人

中野誠子

株式会社Make Care 代表取締役社長

中野 誠子

看護師 / (元)重症心身障害児者認定看護師

精神科病棟勤務・看護学校教員として経験を積み、「こころに寄り添う看護」を志す。石森・濱𦚰とともに株式会社Make Careを創業。現在は訪問看護ステーションくるみの代表として現場に立ちつつ、メディアにも積極的に登場し、地域精神医療の啓蒙とアップデートに挑む。

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