訪問看護師として働いている方や、訪問看護師を目指している方のなかには、どのように勉強を進めたらよいか悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
訪問看護師の仕事は病院やクリニックと異なる部分があり、看護師としての役割にも多少の違いが見られます。そのため、訪問看護についての理解を深めることが大切です。
そこで今回は、訪問看護を効率よく学ぶ方法をご紹介します。
訪問看護師として勉強しておきたい内容
まずは、訪問看護師として働くうえで勉強しておきたい内容やポイントを解説します。
何から勉強したらよいか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
フィジカルアセスメント
フィジカルアセスメントとは、以下のフィジカルイグザミネーションを用いて、利用者さまの全身状態を総合的にアセスメントすることです。
・問診
・視診
・触診
・聴診
・打診
フィジカルアセスメントは利用者さまに必要なケアを把握するだけでなく、実施した看護ケアを評価するときにも役立ちます。
症状に合わせて適切なフィジカルイグザミネーションを活用することが大切です。あわせて、バイタルサインの知識やアセスメント力も必要となります。
基本的な看護技術や医療処置
訪問看護では、利用者さまによってさまざまな看護技術や医療処置が必要となります。そのため、以下のような基本的な看護技術や医療処置に対する知識とスキルは、必須といえるでしょう。
・経管栄養
・胃ろう処置
・排泄ケア
・注射
・服薬管理
・吸引
・褥瘡や創傷処置
・血糖測定
ほかにも、人工呼吸器や気管切開部の処置など、高度な知識や技術が必要なケースもあります。利用者さまによって必要となる技術や処置は異なりますので、状況に応じて対応できるようにしましょう。
在宅医療の知識
訪問看護は在宅医療にあたるため、病棟管理とは異なる視点での看護や支援が必要です。なかでも知っておきたい内容は、在宅医療で利用できる制度やサービスについてです。
利用者さまのなかには、訪問看護以外にも訪問診療や訪問リハビリテーションなど、ほかのサービスを必要としているケースもあります。その場合には、多職種と連携を取りながら、スムーズに介入できるよう支援することが大切です。
また、家族から医療費や利用可能な制度について質問されるかもしれません。在宅医療ではどのようなサービスや制度が利用できるのかを、自身でも理解しておくと安心です。
訪問看護と病棟看護の違いや仕事内容を詳しく知りたい方は、「訪問看護ステーションに転職したい方向け|病棟との違いや訪問看護のやりがい、メリットも解説」の記事もあわせてお読みください。
訪問看護を効率よく勉強する方法
訪問看護師として学ぶべき内容がわかったところで、実際にどのように勉強すればよいのかを解説します。
日々の業務に追われながら限られた時間で勉強するには、時間を有効活用して効率よく進めることが大切です。
専門書やアプリで学ぶ
自宅学習の際に、書籍を利用する方は多いでしょう。訪問看護や看護技術に関する専門書は、訪問看護について網羅的に学べるものから、ひとつの看護技術や知識に特化したものなどがあります。自分が学びたい内容に合わせて勉強を進めましょう。
さらに最近では、スマートフォンやタブレットなどのアプリでも訪問看護の勉強が可能です。アプリをインストールすれば、外出先でも休憩時間でも勉強でき、すきま時間を有効活用できるでしょう。
研修や勉強会を受ける
訪問看護に関する研修や勉強会を受講するのもよいでしょう。テーマに沿って詳しく学べるため、自分が学びたい内容を選んで受けられます。直接講師の話を聞けるので、質問やわからないこともその場で解決できるのがメリットです。
ただし学べる内容が限られてしまう可能性があるため、ほかの勉強方法と併用するのが効果的といえるでしょう。
e-ラーニングで体系的に学ぶ
e-ラーニングとは、インターネットを利用してパソコン上で勉強できるサービスです。「訪問看護e-ラーニング」があり、訪問看護の基礎知識が学べます。
自宅でも学習を進められるため、仕事終わりでも無理なく続けられるでしょう。訪問看護に必要な知識を体系的に学べるため、効率よく学習できます。
現場で働きながら学ぶ
実際に、訪問看護師として現場で働きながら学ぶのも選択肢のひとつです。実践することで知識や技術を習得しやすく、状況に合わせた対応も学べます。
先輩に直接わからない箇所を聞けるため、効率よく勉強を進められるでしょう。訪問看護ならではの処置の仕方や看護の方法など応用的な内容も学べ、実践力に活かせます。
訪問看護の勉強をするなら現場で働くのも選択肢のひとつ
訪問看護師として働くには、訪問看護についての知識やスキルを習得する必要があります。利用者さま一人ひとりに合ったケアや支援を検討、実施するには、状況を把握して健康状態や問題点を正しくアセスメントすることが大切です。
書籍やアプリ、e-ラーニングを活用するのもよいですが、実際に現場で働きながら学ぶのも有効です。『訪問看護ステーションくるみ』では、一緒に働いてくれる看護師を募集しています。興味のある方は、まずはこちらからお気軽にお問い合わせください。