在宅医療を提供するにあたり、利用者さまのさまざまなニーズに応えるには、多職種連携が重要となります。医師や看護師、ケアマネージャーなど多くの職種が在宅医療に関わります。
この記事では「ケースワーカー」について詳しく解説します。さらに、ケースワーカーの仕事内容や在宅医療での関わりについてもまとめました。
ケースワーカーとは|ソーシャルワーカーとの違い
ケースワーカーとは、病気や貧困で生活に困っている方の相談を受け、必要な支援を提案する職業です。主に、自治体が運営する福祉事務所や児童相談所、医療機関などで業務を行います。ケースワーカーとして働くには、社会福祉主事任用資格や地方公務員の資格が必要です。
似ている職業に「ソーシャルワーカー」がありますが、基本的な業務内容はほとんど同じです。ただしケースワーカーは、公的機関で働く人を指すため、公務員の資格がないとなれません。病院や福祉施設などの民間機関で相談員として働いている方は、ソーシャルワーカーと呼ばれることが多いようです。なかには、社会福祉士や精神保健福祉士などの国家資格を有する方もいます。
ケースワーカーはどこにいる?
この章では、ケースワーカーの勤務先を4つご紹介します。
勤務地によって業務内容に違いがあるため、職場を選ぶ際の参考にしてください。
福祉事務所
ケースワーカーの勤務先として代表的なのが「福祉事務所」です。福祉事務所は、地方公共団体に設置が義務づけられている行政機関で、働くには地方公務員資格が必要です。
社会福祉六法に従い、生活保護や高齢者の福祉サービスに関する相談・支援などに対応しています。福祉事務所によっては、老人福祉の業務に従事する社会福祉主事や身体障害者福祉士など福祉の専門家が在籍しているところもあります。
参照:厚生労働省「福祉事務所」
医療機関
病院や保健所にもケースワーカーは勤務しており、主に医療や介護に関する相談に対応しています。患者本人ではなく、家族から入院や通院、退院後の生活について相談を受ける場面もあります。
医師や看護師、ケアマネージャーなど多職種と連携し、病院内で解決できない問題があれば、外部機関と連携する機会が多いのが特徴です。たとえば精神科領域では、精神科ソーシャルワーカーや訪問看護師、就労支援施設のスタッフなどが力を合わせて、患者さまの退院支援を行います。
児童相談所
児童相談所は、18歳までの児童やその家庭の問題を解決するために調査・相談・支援業務を行います。
ケースワーカーは面談を通して、親子にとって最適な支援を検討します。なかには、不登校や虐待など繊細な相談を受ける場面もあり、子どもや親との接し方には工夫が必要です。
福祉施設や介護施設
ケースワーカーは、高齢者福祉施設や精神保健福祉センター、障害者就労施設で働くこともあります。介護サポートや利用できる保険などについて、利用者やその家族から相談を受け、必要に応じて支援します。
施設内の業務だけではなく、必要時には家庭訪問に行くといった業務も発生する点を覚えておきましょう。
ケースワーカーになるための資格取得方法
ケースワーカーとして働くためには、いくつかの資格や条件を満たす必要があります。主な資格として「社会福祉主事任用資格」や「地方公務員資格」が挙げられますが、その取得方法について詳しく見ていきましょう。
まず、社会福祉主事任用資格は、指定された大学や専門学校で、社会福祉に関する科目を履修し、卒業または修了することで取得が可能です。この資格は、ケースワーカーの基本的な業務に求められる知識を身につけるために必須とされています。
次に、地方公務員資格については、各都道府県や市区町村が行う採用試験に合格する必要があります。この試験では、一般教養や社会福祉に関する専門知識が問われるほか、面接や実務経験が評価されることもあります。特に、社会福祉士の資格を持っていると、試験の際に有利になる場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
これらの資格を取得する過程で、福祉業界でのインターンシップやボランティア活動を行うことで、現場の経験を積むことも大切です。これらの経験は、資格取得後の実務に直結するだけでなく、面接の際に自己アピールの材料として役立つでしょう。
資格取得には一定の時間と努力が必要ですが、社会福祉の現場で人々を援助するための重要な一歩となります。ケースワーカーを目指す方は、まずは自分に適した方法で必要な資格を取得する計画を立てましょう。
ケースワーカーの仕事内容
ケースワーカーの仕事内容は、大きく分けると相談業務と支援業務の2つです。
相談業務では、貧困や病気で困っている人から相談を受けたのち、現状把握のための面談や情報収集を行います。そして、面談をもとに支援計画を作成し、必要な制度や支援を検討するのです。
支援内容が決まったら、生活保護受給や施設・福祉サービスの利用を開始するためにサポートします。介入後も、定期的に家庭訪問や健康状態の確認などを実施。計画通り支援を受けられているか、支援の継続や変更が必要ないかなどを確認することも役割のひとつです。
相談・支援業務のほかにも、それぞれの業務に伴う書類作成や他職種との連携業務もあります。ケースワーカーは、一人ひとりの相談者に寄り添い、自立した生活ができるようサポートしていく仕事であり、福祉に関する幅広い知識が必要といえるでしょう。
ケースワーカーに期待される社会的役割
ケースワーカーは、個人の支援だけでなく、地域社会全体においても重要な役割を担っています。ここでは、ケースワーカーが果たすべき社会的役割について詳しく解説します。
地域福祉の推進
ケースワーカーは、地域住民が安心して暮らせる環境を整えるために重要な役割を果たします。具体的には、高齢者や障害者、経済的困窮者などが利用できる福祉サービスの調整を行い、地域全体での支援体制を構築します。都道府県や市区町村が提供する福祉制度を効果的に活用し、地域住民への適切な援助を実現するのが目標です。
社会的孤立の防止
ケースワーカーは、社会的に孤立している人々を見つけ、支援に繋げる役割も担います。不登校の子ども、家庭内暴力に苦しむ親子、高齢者の独居など、個別のケースを社会問題として把握し、必要なサポートを提供します。これにより、問題が深刻化する前に適切な支援が行われる可能性が高まります。
法制度の活用と啓発
ケースワーカーは、法律や福祉制度についての専門知識を活用し、利用者に最適な支援を提供します。また、一般の人々にもこれらの制度を周知する役割があります。たとえば、生活保護や障害者手帳の取得方法について説明し、利用者が適切な支援を受けられるようにすることがケースワーカーの使命です。
未来の福祉サービスの開発
ケースワーカーは、現場での経験を通じて、社会のニーズに応じた新しい福祉サービスの開発にも貢献します。現行の支援方法が利用者のニーズに合わない場合、その改善や新しいサービスの提案を行い、福祉業界の発展に寄与します。
ケースワーカーが社会に与える影響は非常に大きく、一人ひとりの支援が地域全体の福祉向上に繋がります。そのため、ケースワーカーは社会的な役割の重要性を理解しながら日々の業務に取り組むことが求められます。
訪問看護とケースワーカーの連携
訪問看護師がケースワーカーと連携する場面は、多岐に渡ります。代表的なものは、入退院を繰り返さないよう退院後の体調や生活を確認し、双方で情報共有するといった病院内外での連携です。ほかにも、訪問看護師から受けた利用者さまやその家族の不安から、必要なサポートを考案・提案する場合もあります。
利用者さまやその家族と信頼関係を築きやすい訪問看護師が、ケースワーカーの仕事内容を把握しておくことで、効果的な支援につなげやすいでしょう。
関連記事:精神科訪問看護師の多職種連携における役割とは?多職種連携の重要性や実際に関わる職種も解説
在宅医療におけるケースワーカーの役割を知っておこう
訪問看護では医師だけでなく、ケースワーカーやケアマネージャーなど多職種との連携が欠かせません。訪問看護師がほかの職種の仕事内容を理解しておくことで、利用者さまやその家族が求める支援を考えるのに役立つでしょう。
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