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休日無気力症候群とは?セルフチェックと休日の過ごし方・治し方

公開/更新 精神科訪問看護とは

平日は仕事や学校へ行けているのに、休日になると体が重くて起き上がれず、何もできないまま一日が終わってしまうことがあります。楽しみにしていたはずの休日に何も手につかないと、「どうして自分はこうなんだろう」と自分を責めてしまいがちです。この記事では、休日無気力症候群という呼び方の意味、当てはまるかを振り返る観点、休日の過ごし方の見直し方、相談を考えたいサインを扱います。

 

休日無気力症候群とは

 

休日無気力症候群は、平日は仕事や学校に行けているのに、休日になると何もする気が起きず、横になったまま過ごしてしまう状態を指す呼び方です。医学的な病名ではないため、休日無気力症候群そのものに対する専用の薬や決まった治療法はありません。人は、つらい出来事のあとや特定の時期に気分が落ち込むことを「うつになる」と表現することがありますが、このような感情は通常、病気ではありません。そうした感情は通常一時的で、何週間も何か月も続くことはなく、日常生活に大きな支障をきたすこともありません。休日に動けなくなる理由は人によって異なり、一つに決めつけられないため、まずは休日の過ごし方と、休日以外の様子の両方から状態を見ていくことが大切です。

https://kurumi.makecare.co.jp/column/amotivation-syndrome/#%E4%BC%91%E6%97%A5%E7%84%A1%E6%B0%97%E5%8A%9B%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E5%B9%B3%E6%97%A5%E3%81%AF%E9%A0%91%E5%BC%B5%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%AB%E5%8B%95%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84%E5%8E%9F%E5%9B%A0

 

当てはまるかを振り返るチェック

 

休日の過ごし方やご自身の状態について、当てはまる点がないか振り返ってみましょう。これは病気かどうかを判定するテストではなく、現在の生活リズムや心身の様子を客観的に整理するためのものです。ご自身の感覚に近い項目があるかどうかを確かめてみてください。

 

休日の過ごし方についての振り返り

  • 休日の朝、起き上がれないまま昼を過ぎてしまうことが多い
  • 平日より起きる時刻が大きく遅くなっている
  • 休日に楽しみにしていた予定を、当日になると取りやめてしまう
  • 横になってスマートフォンを見ているうちに一日が終わることが多い
  • 休日が終わると「何もできなかった」と自分を責めてしまう

休日以外にも広がっていないかの振り返り

  • 平日も、以前は楽しめていたことを楽しめなくなっている
  • 仕事や勉強に集中できない日が続いている
  • 自分には価値がないと感じたり、強く自分を責めたりする考えが離れない
  • 寝つけない、夜中に何度も目が覚める、または眠りすぎる状態が平日も続いている
  • 食欲が落ちた、または食べすぎるようになり、体重が変わってきた
  • 入浴や身の回りのことが、平日もおっくうでできなくなっている
  • 仕事中に眠り込んでしまいそうになるほど、日中の眠気が強い

休日の過ごし方についての振り返りだけに心当たりがある場合は、まずは睡眠や休日の過ごし方を見直すことから始めてみるのが適しています。一方で、休日以外にも広がっていないかの項目にも当てはまるものがある場合は、単に休日の過ごし方だけの問題ではない可能性があります。その場合は、後半でご紹介する相談を考えたいサインについても確認してみてください。

 

休日に動けなくなるとき、まず見直したい睡眠のリズム

 

休日に思うように動けなくなってしまう理由は人によってさまざまであり、原因を一つだけに特定することはできません。ただし、日常生活の中で見直しのきっかけをつかみやすい要素として、日々の睡眠のリズムが挙げられます。

眠る機会が十分にあるにもかかわらず、日々の生活で十分な睡眠がとれていないと、日中に眠気や強い疲れ、いらだちを覚えやすくなります。集中力が低下して仕事や活動に支障が出たり、ときには活動中に眠り込んでしまったりすることもあります。まずは、平日の生活においてご自身が十分に眠れているかどうかを振り返ってみることが役立ちます。寝不足の分を取り戻そうとして、休日に遅くまで寝ていたり日中に仮眠をとったりすると、かえって翌日の晩に眠りにくくなることがあります。休日だからと長く眠り続けたり過度な昼寝を挟んだりする寝だめは、身体のリズムを崩す要因になり得ます。

 

休日の過ごし方を見直す

 

起きる時刻を平日に近づける

規則的な睡眠と覚醒のリズムを整えるためには、休日や休暇中も含めて毎朝同じ時刻に起きることが重要とされています。日中に仮眠が必要だと感じる場合でも、毎日同じ時間帯に短時間と決めて行うことが大切です。ベッドの上で過ごす時間が長くなりすぎないように意識し、起床時刻を平日と大きくずらさないように過ごしてみましょう。

 

日中に光を浴び、体を少し動かす

 

日中に明るい光を浴びることは、睡眠と覚醒のリズムを昼と夜の自然なサイクルに合わせやすくするために役立ちます。また、定期的に運動をすることは、自然な入眠を助けることにつながります。うつ病の人への支援においても、定期的に散歩や運動をするなど体を動かすことは、他者と関わりをもつことと同様に役立つとされています。ただし、寝る直前の時間帯に運動を行うと、かえって目がさえてしまうことがあるため控えることが望まれます。

 

ベッドとスマートフォン、お酒の使い方

 

寝室は主に眠るための場所として使い、ベッドの上で食事をしたり、テレビや携帯電話を見続けたりすることは避けるのが望ましい過ごし方です。横になったままスマートフォンを見ているうちに一日が終わってしまうパターンを減らすためにも、日中にベッドの上で過ごす時間を短くすることが助けになります。就寝前の時間帯は明るい光を避け、携帯電話、コンピュータ、テレビの使用を控えることが心地よい眠りに役立ちます。また、アルコールは睡眠を助けるものとしては適切ではなく、睡眠を妨げる可能性があるほか、カフェインを含む飲食物も夜の睡眠を妨げます。

 

休みの日に動けないのは「甘え」なのか

 

休日に気力が湧かず横になったまま一日が終わってしまうと、自分のことを「甘えている」「怠けているだけだ」と感じて深く落ち込む方がいます。しかし、休日無気力症候群は医学的な病名ではないため、その状態が甘えであるかどうかを客観的・医学的に判定する明確な基準があるわけではありません。休日に動けなくなる理由も、人によって異なります。

強い罪悪感や自己否定の考えにとらわれてしまうことは、うつ病でみられる特徴の一つでもあります。うつ病は、性格の弱さや、元気になろうとする努力の欠如を反映するものではないとされています。自分を責める考えにとらわれ、それが休日の間だけでなく平日にも離れなくなっているなら、それ自体が専門家への相談を考える十分なきっかけになります。一人で考えを抱え込みすぎず、周囲のサポートや医療機関を頼る視点をもつことが大切です。

関連記事:やる気が出ないのは怠けのせい?うつ病と怠けを見分ける方法

 

うつ病との違いと、相談を考えたいサイン

 

うつ病とは、悲しみを感じたり、活動に対する興味や喜びが減ったりする症状が、社会生活を困難にするほど強くなった病気の状態を指します。人が一時的に落ち込む感情は通常数日程度で過ぎ去り、日常生活に大きな支障をきたすことはありません。医師が診察を行う際も、症状によって強い苦痛が生じているか、あるいは日常生活に支障をきたしているかどうかを、病的な状態と正常な気分の変動とを区別する重要な参考にしています。

うつ病では、以前は楽しめていた活動への興味を失う、強い罪悪感や自己否定にとらわれる、集中できなくなるといった変化が生じます。さらに、絶望感や孤独感、無価値感が生じて決断ができなくなったり、食欲が落ちて体重が減る、あるいは過食と体重増加がみられたりすることもあります。睡眠に関しては、大半の人が寝つきの悪さや夜中の目覚めに悩まされますが、通常より睡眠が多くなる人もおり、身の回りの衛生状態をなおざりにしてしまう場合もあります。これらは先ほどのチェックリストにある「休日以外にも広がっていないかの振り返り」とも深く重なっており、主要な精神疾患のほとんどが不眠や日中の過度の眠気を伴うことにも注意が必要です。

休日の睡眠リズムや過ごし方を見直してみても動けない状態が変わらない場合や、仕事や家庭生活に明確な支障が出ている場合は、早めに医師の診察を受けることが推奨されます。睡眠の問題で生活に支障が出ているときも、同じように早めの相談が勧められます。うつ病は、通常うまく治療することができます。

死にたい気持ちや、自分を傷つけたい気持ちがあるときは、緊急の事態です。休日であるかどうかや周囲への気兼ねを気にすることなく、決して一人で抱え込まずにただちに専門の窓口や医療機関へ連絡してください。

つらい気持ちを一人で抱えきれないときは、次の窓口にも相談できます。 ・#いのちSOS:0120-061-338 ・こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556 ・よりそいホットライン:0120-279-338 受付時間は窓口や地域によって異なります。命の危険が迫っているときは、迷わず119番に連絡してください。

 

何科に相談すればいい?薬やサプリで治る?

 

動けない状態が続いて生活に困っているときの相談先としては、精神科や心療内科を受診するのが適しています。受診の際には、休日と平日のそれぞれの過ごし方や気分の様子、実際に起きる時刻と寝る時刻、どのようなことに支障が出ているかをメモして伝えると、医師に状況が伝わりやすくなります。

うつ病の診断を確定できる特別な検査は存在せず、診断は主に本人が感じている症状や困りごとにもとづいて行われます。ただし、甲状腺の病気など身体的な疾患が不調の原因になっていないかを確かめるために、血液検査が行われることがあります。

休日無気力症候群そのものは病名ではないため、専用の治療薬が存在するわけではありません。もしも背景にうつ病などの疾患が見つかった場合は、個人の状態に応じて支援や精神療法、抗うつ薬などを用いた治療計画が検討されます。なお、市販の睡眠補助薬は重大な副作用を伴う可能性があるため、自己判断で使用せずまずは主治医に相談することが不可欠です。また、薬用ハーブや各種の栄養補助食品の多くは、睡眠に対する明確な効果や副作用が十分に分かっていないため、頼りすぎないように気をつける必要があります。

 

まとめ

 

休日無気力症候群は正式な医学的病名ではなく、平日は動けるのに休日に気力が湧かなくなる状態を指した呼び方です。休日に体が動かなくなってしまう理由は人によって異なり、単純に一つだけの要因に決めつけることはできません。

まずは、休日も含めて起きる時刻を平日と揃えること、日中にしっかりと光を浴びること、ベッドの上で長時間スマートフォンを見続けないことなど、休日の過ごし方から見直してみましょう。一度にすべてを変えようとせず、できそうなものから一つずつ試してみてください。

もしも休日だけでなく平日にも意欲の低下や体調の悪化が広がっている場合や、生活に支障が出ている場合、あるいは自分を責める強い思いが離れない場合は、決して無理を重ねないでください。一人だけで抱え込もうとせず、精神科や心療内科の医師に相談してみることをおすすめします。

 

この記事を監修した人

中野誠子

株式会社Make Care 代表取締役社長

中野 誠子

看護師 / (元)重症心身障害児者認定看護師

精神科病棟勤務・看護学校教員として経験を積み、「こころに寄り添う看護」を志す。石森・濱𦚰とともに株式会社Make Careを創業。現在は訪問看護ステーションくるみの代表として現場に立ちつつ、メディアにも積極的に登場し、地域精神医療の啓蒙とアップデートに挑む。

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