依存性パーソナリティ障害の恋愛|起きやすいことと、できること
精神科訪問看護とは
恋愛関係において、相手を愛することと相手に頼りきりになってしまうことの境界線は、時に見えにくくなるものです。「一人になるのが怖い」「相手に合わせすぎて自分がなくなってしまう」という苦しみを抱えながら交際を続けている場合、その背景には依存性パーソナリティ障害の傾向が関係していることがあります。
ご不安な気持ちが強い時や、文章を読むのがお辛い時は、無理をせず私たちにお声がけください。
精神科の専門スタッフが、あなたの状況に合わせてお話をお伺いします。まずはお気軽にご相談ください。
大阪市、寝屋川市、守口市、
門真市、大東市、枚方市、吹田市、尼崎市全域対象
“精神科に特化”した
訪問看護ステーション
「くるみ」
平日・土曜・祝日 9:00〜18:00
【日曜・お盆・年末年始休み】
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対応させていただいております。
依存性パーソナリティ障害とは?恋愛の話に入る前に
依存性パーソナリティ障害とは、他者に面倒をみてもらいたいという過剰な欲求があり、そのために従属的になり、見捨てられることへの強い恐怖を抱くパーソナリティの偏りを指します。日常の些細な決断すら自分一人では下すことが難しく、常に誰かの助言や保証を必要とする傾向があります。
こうした特性は、対人関係、特に距離の近い恋愛関係において顕著に現れることがあります。なお、世間一般では「恋愛依存症」や「共依存」といった言葉が使われることがありますが、これらは正式な精神疾患の診断名ではない別の言葉であり、依存性パーソナリティ障害そのものとは異なります。
恋愛関係で起きやすいこと
依存の傾向が強い場合、交際の中で特定のパターンが繰り返されることがあります。
交際が始まると、生活の中心が相手になっていく
恋人ができると、仕事や趣味、友人との関係よりも相手の都合をすべてにおいて優先するようになります。自分の生活スケジュールを相手に合わせ、相手からの誘いがいつ来てもいいように待機してしまうなど、自分の世界が相手一色に染まっていく状態が起こります。
自分の希望を言えず、相手に合わせすぎてしまう
「自分がどうしたいか」よりも「相手がどうしたいか」を常に優先します。反対意見を言って嫌われることや見捨てられることを極端に恐れるため、本当は嫌なことでも我慢して受け入れたり、相手の価値観に自分を無理に合わせたりしてしまいます。
連絡が途切れると強い不安に襲われる
相手から電話やメッセージの返信が少しでも遅れると、「嫌われたのではないか」「見捨てられたのではないか」という強い不安に襲われます。不安を打ち消すために、過剰に連絡を繰り返して相手の状況を確認しようとすることがあります。
別れ話が出たとき、条件を飲んででも関係を続けようとする
関係に問題があり、別れ話が浮上した際、一人になることへの恐怖から必死に関係を繋ぎ止めようとします。相手から出された条件が自分にとって不利なものであっても、一人になるよりはと考えて受け入れてしまうことがあります。
一つの関係が終わると、すぐに次の相手を求めてしまう
交際が終わってしまった場合、一人で過ごす時間に耐えきれず、心の空白を埋めるためにすぐ新しい恋人を探そうとします。相手の性格や自分との相性を冷静に見極める前に、とりあえず自分を求めてくれる人や世話をしてくれる人との関係を求めてしまうことがあります。
その背景にあるもの
こうした恋愛関係での苦しさの背景には、自分自身の能力に対する自信のなさや、「自分一人では生きていけない」という思い込みが関係していることがあります。過去の人間関係の経験や、安心感を得られなかった環境などが影響していることもあります。
対等な関係に近づくためにできること
相手の顔色をうかがい続ける関係から抜け出し、少しずつ対等な関係を築いていくために、日常で取り組める工夫があります。
小さなことから自分で決める練習をする
まずは「今日のお昼に何を食べるか」「どの服を着るか」といった、失敗してもリスクが少ない小さな事柄から、自分で決断する練習を始めます。相手に「どうしたらいい?」と聞く前に、自分の希望を一つ見つける習慣をつけることが、自立への第一歩になります。
恋愛以外の居場所を持つ
生活の中心が恋人だけにならないよう、仕事や趣味、友人関係など、別のコミュニティや居場所を大切に維持することが有効です。複数の支えを持つことで、恋人との関係が少し揺らいだときでも、自分を保ちやすくなります。
不安を感じたときの過ごし方を決めておく
連絡が来ないときなどに見捨てられ不安が高まった際、衝動的に相手に連絡する以外の行動を用意しておきます。好きな音楽を聴く、温かい飲み物を飲む、散歩に出るなど、自分自身で心を落ち着かせるための具体的なリストを作っておくことが助けになります。
相手に「確認したくなる気持ち」を言葉にしてみる
不安に駆られて過剰に連絡してしまう前に、「今、すごく不安になっていて、あなたに何度も確認したくなっている」と自分の感情そのものを言葉にして相手に伝える方法があります。自分の状態を客観視することで、感情の渦から一歩抜け出しやすくなります。
パートナーの側が感じる負担について
相手から頼られることは、最初は嬉しさや使命感を感じるものですが、次第にその要求が重圧に変わっていくことがあります。すべての決断を委ねられ、少しでも離れると強い不安をぶつけられる状況は、支える側にとっても大きな負担となり、やがて疲弊してしまいます。
また、相手の求める通りにすべて世話を焼いてしまうと、かえって自立の機会を奪うことにもつながります。適度な距離を保ち、本人が自分で決めるのを見守る姿勢が必要です。
相談できる場所
恋愛において同じような苦しいパターンを繰り返し、日常生活に支障をきたしている場合は、一人で抱え込まずに外部のサポートを利用することが大切です。
心療内科や精神科のクリニック、または心理カウンセラーのいる相談室などが窓口となります。医師やカウンセラーとの対話(精神療法)を通じて、なぜ過剰に相手に頼ってしまうのかを一緒に紐解き、不安への対処法を学んでいくことができます。また、気分の極端な落ち込みなど、うつ病をはじめとする他の不調が合併している場合は、それに応じた薬物療法などの治療が検討されることもあります。
まとめ
依存性パーソナリティ障害の傾向が恋愛に影響すると、相手に見捨てられることを恐れるあまり、自分の希望を抑え込んで過剰に尽くしてしまったり、連絡が少し途切れただけで激しい不安に襲われたりすることがあります。一人になる恐怖から理不尽な関係を続けてしまい、結果としてご自身の心を深く傷つけてしまうこともあります。
そうした苦しい関係から抜け出すためには、日常の小さな選択を自分で行い、恋愛以外の居場所を持つなど、少しずつ自分で自分を支える経験を積み重ねていくことが助けになります。不安になったときにどう過ごすかをあらかじめ決めておくことも、感情の波を穏やかにすることに役立ちます。
恋愛の悩みの根底にある不安や自信のなさは、自分一人の力だけで抱えるには重いこともあります。無理をして一人で状況を変えようとせず、心療内科や精神科などの専門機関を頼りながら、少しずつ対等で安心できる関係の築き方を探していきましょう。
ひとりで抱え込まないでください。私たちがそっと寄り添います。
ご家族やご本人だけで抱え続けることの苦しさを、私たちは知っています。
「少し話を聞いてほしい」だけでも大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。
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参照:MSDマニュアル