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てんかんの患者さまに対する看護のポイント|基礎知識や注意点なども解説

2024.05.23 精神科訪問看護とは

精神科領域において「てんかん」という名前を耳にしたことはあるけれど、どのような疾患なのか詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。

てんかんは、精神科や脳神経内科などで度々みられる疾患の1つです。

この記事では、てんかんに関する基礎知識や看護のポイントについて解説します。併せて、てんかん発作時の看護や注意点についても解説するので、ぜひ記事を参考にしてください。


てんかんの患者さまを看護するうえで知っておきたい知識

てんかんとは、脳神経細胞に送られる電気信号が異常をきたすことで、けいれんを繰り返してしまう疾患です。突発的に見られるのが特徴であり、運動神経や感覚神経、自律神経など、複数の神経系に影響を及ぼします。

てんかんの種類として、脳疾患などが原因であるといわれている「症候性てんかん」と、発症の原因が不明な特発性てんかんに分類されます。一般的にてんかんの症状は一過性であるため、症状が発生して時間が経過すると、元の状態に戻るのが特徴の1つです。



参照:厚生労働省「てんかん対策」


てんかんに見られる症状

てんかんは、人によって症状の出方が異なります。具体的には、以下のような症状が見られます。



・運動神経:体の一部が硬直する
・感覚神経:手足のしびれや耳鳴りがみられる
・自律神経:動悸や嘔気が出現する
・高次脳機能:意識消失や言葉が出にくくなる



上記のような症状を繰り返し起こしてしまう状態を「てんかん発作」と呼びます。基本的には数秒間から数分間で症状は消失しますが、重篤なてんかんの場合には5分以上続いたり何度も発作を繰り返したりするケースもあり注意が必要です。

てんかん発作には、全身の硬直やこわばりなどが見られる「強直間代発作」や、体の一部にけいれんやこわばりが見られる「間代発作」など、いくつかの種類があります。てんかん発作が起きる可能性のある患者さまと関わるときには、それぞれの発作の特徴を押さえておきましょう。


てんかんの検査や治療

てんかんを診断するには、医師の問診以外にも、以下の検査を実施する場合があります。

・画像検査(CT、MRI、SPECTなど)
・脳波検査
・血液検査
・心理検査

てんかんの診断がつき治療を始める場合には、まずは抗てんかん薬による治療から開始するのが一般的です。また、抗てんかん薬による治療以外にも、外科的療法や食事療法、迷走神経刺激術などの治療方法を取り入れることもあります。


てんかんの患者さまにおける看護のポイント

この章では、てんかんの患者さまを看護する際のポイントについて解説します。

ぜひ参考にしていただき、実際の看護に活かしていきましょう。


てんかん発作時の症状や状態を観察する

てんかん発作時の看護のポイントとして、以下の観察が重要です。

・発症時刻や発症した状況
・てんかんの持続時間
・てんかん発作による症状
・意識障害の有無
・バイタルサインの値など

またてんかん発作後は、患者さまにケガがないかや症状が続いていないかを確認する必要があります。


患者さまの安全を確保する

てんかんの種類によっても症状は異なりますが、まずはてんかん発作が起きたら、患者さまの安全を確保しましょう。安全確保行動として、以下のような例が挙げられます。

・周囲の危険物を片付ける
・歯の間にものを挟まない
・入浴時はお湯を抜く
・体を横に向かせ唾液を拭う
・安全な場所へ移動する

安全が確保できているかできていないかで、患者さまの予後に影響を与える可能性もあるため、事前に対応について学んでおきましょう。



参照:神戸大学医学部附属病院/てんかんとは


てんかん発作を起こさないための指導を行う

てんかんの治療を行っていても、日常生活での注意点を守れていないと発作が再発する可能性があります。そのため、てんかん発作を再発しないために以下のような指導が必要です。



・内服薬は指示された用量用法を正しく内服する
・規則正しい生活を送る
・疲労やストレスを溜めないようにする
・過度な量のアルコールを摂取しない



また、入浴や運動などの最中に発作が起きると命に危険が及ぶおそれもあるため、注意するように指導しましょう。


てんかん発作時の看護における対応の注意点

てんかん発作時の看護をする場合には、発作の種類によって対応が異なるため注意しましょう。意識障害を伴う場合には、患者さまの安全確保を第一に、症状が落ち着くまで観察を続け、発作の前後で状態が変わりないかを確認する必要があります。

また、5分以上けいれんが続く、頻繁にけいれん発作が起こるなどの場合には医師へ報告し指示を仰ぎましょう。


精神科看護師を目指すならてんかんについて理解しておきましょう

てんかんは、精神科領域では比較的よく見られる疾患です。そのため、精神科看護師を目指すなら理解しておくと安心です。また、在宅現場においてもてんかん発作のリスクを抱えながら、自宅で生活を送る方もいます。

てんかんに対する看護を現場で学びたいと考えている方は、訪問看護師としての働き方を検討してみてはいかがでしょうか。『訪問看護ステーションくるみ』では、一緒に働く仲間を募集しています。興味がある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

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