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子どもの虚言癖とは?嘘をつく理由・年齢別の特徴と親の正しい対応を解説

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「うちの子、また嘘をついた」「何度注意しても繰り返す」と、我が子の言動に悩みを抱えている保護者の方は決して少なくありません。日々成長していく子どもの姿は喜ばしい反面、平気で事実と異なることを口にするようになると、「このままでは虚言癖になってしまうのではないか」と強い不安を感じてしまうものです。しかし、子どもの嘘を頭ごなしに「悪いこと」と決めつける前に、その背景にある気持ちや発達の段階を理解することが非常に大切といわれています。子どもが嘘をつく理由は、大人をだまそうとする悪意に基づくものばかりではなく、成長過程のサインであったり、SOSの表現であったりすることがあります。この記事では、子どもの嘘の背景にある心理や年齢別の特徴、発達特性との関連、そして保護者が心がけたい対応について詳しく解説します。

 

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子どもの嘘と虚言癖、どこで見分ける?

子どもが事実と異なることを話したとき、それが成長に伴う自然なものなのか、それとも注意が必要な状態なのか、判断に迷うことがあるかもしれません。まずは、子どもの発達過程における嘘の意味と、いわゆる「虚言癖」と呼ばれる状態との違いについて考えていきましょう。

 

成長過程の嘘は自然なこと

子どもが嘘をつくこと自体は、認知能力や社会性が発達していく過程の一部である場合が多いとされています。幼い頃は、頭で思い描いたことと現実の出来事をうまく区別して話すことが難しい時期があります。また、言葉が発達してくると、「こう言えば相手はどう思うだろうか」という想像力が働き始めます。つまり、「嘘がつけるようになる」ということ自体が、相手の気持ちを想像したり、状況を先読みしたりできるようになってきたという成長のサインともいえるのです。

この段階で見られる嘘に対して、親が過度に問題視したり、厳しく問い詰めたりすることは、かえって子どもの自己肯定感を下げてしまったり、親子間の信頼関係を損ねてしまったりするなど、逆効果になりやすいといわれています。まずは、嘘をつくという行動が、子どもの知的な発達や社会性の広がりの中で生じている自然なプロセスのひとつかもしれないという視点を持つことが大切です。成長の証として受け止める心のゆとりを持つことが、その後の親子のコミュニケーションを円滑にする土台となります。

 

「虚言癖」と呼べる状態との違い

一方で、日常語として使われる「虚言癖」という言葉は、成長過程の自然な嘘とは少し異なるニュアンスを含んでいます。そもそも「虚言癖」は正式な医学用語や診断名ではありませんが、一般的には、明確な目的や利益がないにもかかわらず、習慣的に嘘を繰り返してしまう状態を指すことが多いとされています。

子どもに見られる普通の嘘が、その場をしのぐためや一時的な思いつきであるのに対し、虚言癖と呼ばれるような状態では、嘘をつく頻度が極端に高かったり、嘘をついているという本人の自覚が乏しかったりするなどの質的な違いが見られます。嘘が日常化し、友達との人間関係や学校生活に深刻な支障をきたしているような場合、背景に何らかの心理的なストレスや発達の特性が隠れている可能性があります。嘘が気になる、何度注意しても繰り返すといった場合には、一人で抱え込まずに専門家への相談を視野に入れることが推奨されます。

関連記事:虚言癖とは?嘘をつく原因・特徴と関連する精神疾患|病気と性格の見分け方を解説

 

子どもが嘘をつく主な理由

大人の目から見ると理解しがたい子どもの嘘ですが、そこには子どもなりの切実な理由が隠されていることがあります。子どもが事実と異なることを言ってしまう背景にある、主な心理的要因について見ていきましょう。

 

叱られたくない・怒られるのが怖い(自己防衛)

子どもが嘘をつく理由として最も多いものの一つが、「叱られたくない」「怒られるのが怖い」という自己防衛の心理だとされています。何か失敗をしてしまったり、約束を破ってしまったりしたときに、正直に伝えると激しく怒られるのではないかという強い不安が、とっさに嘘をつかせてしまうのです。

たとえば、学校の宿題をやっていないのに「もう全部終わったよ」と答えたり、学校で先生に注意されたプリントをこっそり隠して「今日は何ももらっていない」とごまかしたりするような日常的な場面がその例です。このような嘘が続く場合、子どもは自分を守るために必死になっている可能性があります。ここで見直したいのは、保護者の叱り方のパターンが影響しやすいということです。「言ったら怒られる」という恐怖が先行している場合、子どもを一方的に責めるだけでなく、正直に言える関係性が築けているかを振り返ってみる視点が大切だといわれています。失敗しても頭ごなしに怒られないという安心感こそが、嘘を減らす根本的な解決策につながる可能性があります。

 

注目を集めたい・かまってほしい

親や友達からの関心や注目を集めたいという強い欲求が、嘘の背景にある場合もあります。子どもは「もっと自分を見てほしい」「すごいと言ってほしい」という気持ちから、事実を大きく誇張したり、実際にはないことをあったかのように話したりすることがあります。このような行動は、承認欲求を満たすための手段として用いられるとされています。

具体的な誇張の例としては、実際には行っていないのに「休みの日に大きな遊園地に行って、一番怖いアトラクションに乗ったんだ」と友達に自慢したり、「有名な芸能人と知り合いで、サインをもらったことがある」と事実ではないことを話したりするケースが挙げられます。こうした行動は、日常の中で自分に向けられる愛情や関心が不足していると感じており、それをどうにかして補おうとするサインである可能性があります。単なる見栄っ張りと捉えるのではなく、子どもの寂しさや、自分を認めてほしいという切実な心の表れかもしれないと理解することが重要です。

 

空想と現実の区別がついていない(幼児期)

3歳から6歳頃の幼児期の子どもは、頭の中の空想の世界と現実の世界の区別がまだ曖昧で、発達の途中にあるとされています。この時期の子どもは、絵本やテレビで見た世界と現実が混ざり合ったり、自分の「こうであってほしい」という強い願望を事実のように話したりすることがあります。

たとえば、「昨日、公園で大きなライオンを倒したんだよ」と得意げに話したり、「空を飛んでお星さまを触ってきたの」とファンタジーな例を挙げたりすることがあります。自分が体験したかった出来事や夢の中で見たことを、まるで本当に体験したかのように語るのは、この時期の発達段階においては決して珍しいことではないといわれています。そのため、大人の目線で「嘘をついた」と非難するのではなく、「空想を体験として語っているのだな」という視点を持つことが大切です。厳しく叱るよりも、「どんなお話だったの?」「それはすごいね」と受け流して想像力に寄り添う対応が、子どもの豊かな心を育むことにつながるとされています。

 

友達・学校でのプレッシャー

学年が上がり、交友関係が広がってくると、友達や学校という社会的な場でのプレッシャーが嘘につながる場合があるといわれています。子どもたちの集団の中では、「すごい人に見られたい」「話題についていきたい」「仲間外れにされたくない」といった不安が常に存在し、学年が上がるにつれてこうした社会的な嘘が増える傾向があります。

友人関係の中での見栄や同調圧力が、自分を偽るような嘘につながることがあります。グループ内で優位に立つために「最新のゲーム機を持っている」と嘘をついたり、仲間外れを回避するために周りの意見に無理に合わせたりするケースです。また、学校という場においては、先生から怒られるのを避けるために、宿題や忘れ物をごまかす嘘も多く見受けられます。子どもの世界にも大人と同じように複雑な人間関係やプレッシャーがあり、成長するにつれて社会を生き抜くための嘘が増えていくのも、心の自然な働きといえるかもしれません。

 

年齢別の特徴と嘘のパターン

子どもの嘘の性質は、年齢や発達段階によって大きく変化していきます。ここでは、幼児期、学童期、思春期という3つのステージに分けて、それぞれの時期に見られやすい嘘の特徴について解説します。

 

幼児期(3〜6歳)空想虚言は叱らなくてよい

3歳から6歳頃の幼児期に見られる嘘の多くは、空想と現実の混同から生じるものであり、大人社会で問題とされるような道徳的な「嘘」とは性質が大きく異なると考えられています。この時期の子どもの認知発達はまだ未熟で、現実と想像の境界が曖昧な状態にあります。

このようなファンタジーな語りに対して、大人が頭ごなしに「嘘をついてはいけない」「そんなことあるわけないでしょ」と現実を突きつけて叱ることは、子どもの豊かな想像力を萎縮させ、自己肯定感を傷つける可能性があるとされています。道徳的に正そうとするよりも、「どんな夢だったの?」「ライオンさん、強かった?」などと子どもの世界観を受け止め、一緒に楽しむような具体的な対応が望ましいといわれています。ただし、意図的に特定の友達をだますような行動が繰り返し見られる場合は、相手の気持ちを想像する手助けをするなど、状況に応じた優しい声かけが必要になることもあります。

 

学童期(7〜12歳)成功体験として習慣化するリスク

小学生にあたる学童期(7〜12歳頃)になると、知恵がつき、他者の視点を理解できるようになるため、嘘の質が明確に変化してきます。この時期に特に注意が必要なのは、嘘をついたことによって「先生に叱られずに済んだ」「友達から羨ましがられた」といった経験が、子どもにとっての一種の報酬や「成功体験」となり、嘘が習慣化してしまうリスクが高まる点だといわれています。

目的が明確になり、大人の目から見ても意図的と感じられる嘘が増えてきます。また、この年代からは、自分の失敗を隠すために「〇〇ちゃんがやった」と他者を陥れるような嘘が出てくる場合があることにも注意が必要です。親としては、成長過程の未熟さとして見逃してよい嘘と、人間関係のトラブルにつながりかねない対応が必要な嘘の基準を自分の中に持ち、慎重に見極めることが重要になってくると考えられています。

 

思春期(中学生以降)自立とプライバシーの嘘

中学生以降の思春期に入ると、子どもの心は親からの精神的な自立に向けて大きく揺れ動きます。この時期の嘘には、自分だけの世界やプライバシーを守ろうとする発達的な意味合いが含まれている場合があるといわれています。

親からの「今日どこに行ってたの?」「誰と遊んでいたの?」といった質問に対して、曖昧にごまかしたり、そっけない返答をしたりするのは、親の管理に対する自然な反発であり、自立へのステップとして自然な部分もあるとされています。このような場合は、細かく尋問するように追及するよりも、一人の人間として尊重し、対話を通して信頼関係を築き直すことが重要とされています。一方で、いじめや非行など、他者や自身を深刻な危険にさらす嘘については見過ごすことはできず、毅然とした態度で向き合い、適切に対応する必要があります。

 

注意が必要な嘘のサイン

成長過程の自然な嘘がある一方で、背景にSOSや深刻な悩みが隠れており、保護者や周囲の大人が注意深く対応しなければならない嘘も存在します。ここでは、見逃してはいけない注意が必要な嘘のサインについて解説します。

 

他者を傷つけたり陥れたりするための嘘

子どもの嘘の中で特に注意を払うべきなのは、意図的に他者を傷つけたり、誰かを陥れたりするための嘘です。たとえば、自分がやった悪いことを「Aさんが言った」「Bくんが壊した」と嘘をついて友達に罪をなすりつけたり、事実ではない悪口を言いふらして特定の友達を困らせたりするような具体的なケースです。

自分の身を守るためであっても、他者を犠牲にすることは道徳的に許されることではありません。こうした「嘘をついて誰かを困らせる」ことに対する罪悪感が著しく乏しい様子が見られる場合や、同じような対人トラブルを繰り返す場合は、子どもの心の中に大きな不満やストレスが溜まっている可能性があります。家庭内だけで解決しようとせず、学校の担任の先生やスクールカウンセラーに相談し、専門家の視点も交えながら状況を整理していくことが推奨されます。

 

体の不調を繰り返し訴える

「頭が痛い」「お腹が痛い」「気持ち悪い」といった体の不調の訴えが長期間繰り返され、病院で検査をしても明らかな異常が見つからない場合があります。大人はつい「学校に行きたくないから嘘をついているんだ」「仮病だ」と決めつけてしまいがちですが、これらは単なる怠けの嘘ではなく、心因性の身体症状として実際に痛みが体に出ている場合があるといわれています。

子どもは自分の心のつらさや学校でのプレッシャーをうまく言葉で表現できないため、それが腹痛や頭痛といった身体症状として表れることは珍しくありません。仮病だと決めつけて無理に登校させようとすると、さらに症状が悪化してしまう危険性が指摘されています。これを不登校などに発展する前の大切なSOSのサインとして受け取る視点が重要です。まずはゆっくり休ませ、子どもの不安な気持ちに優しく寄り添いながら、背景にある原因を一緒に考えていく姿勢が大切とされています。

 

頻度や深刻度が増している

以前に比べて嘘をつく頻度が明らかに増えていたり、嘘の内容がどんどん大げさで極端なものになっていたりする場合は注意が必要です。気になるサインとしては、嘘が原因で友人関係や学校生活に明確な支障が出始めていることや、嘘を指摘した際に激しく反発し、保護者との冷静な対話が成立しにくくなってきている状態などが挙げられます。

このような状況が続く場合、単なる成長過程の未熟さだけではなく、背景に発達特性の問題や、本人が抱えきれないほどの精神的なストレスが複雑に関わっている可能性があります。子ども自身も自分の嘘をコントロールできず、深い自己嫌悪に陥って苦しんでいるかもしれません。問題が複雑化・長期化する前に、一人で抱え込まずに早めに専門家や相談機関へ助言を求めることが、状況を好転させるための鍵となるといわれています。

関連記事:虚言癖の治し方|自分で改善するための7つのステップと専門家への相談タイミング

 

発達特性との関連

頻繁に事実と異なることを言ってしまう背景には、子どもの発達特性が関係しているケースも存在します。ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)などの特性が、結果として嘘のように見えてしまっている場合について解説します。

 

ASDの特性と嘘

ASD(自閉スペクトラム症)の傾向がある子どもは、相手の表情やその場の空気を読み取って、状況にふさわしい言動をとることが苦手な場合があるとされています。そのため、相手を傷つけないための優しい嘘や建前、暗黙のルールが理解しにくく、ありのままの事実をストレートに口にしてしまい、周囲から浮いてしまうことがあります。

反対に、ルールへの強いこだわりから、些細な規則違反でも許せずに「正直すぎる」言動が見られ、それが友人との摩擦を生むケースもあります。また、何とか状況や相手に合わせようと必死になるあまり、事実とは異なる不正確な情報を伝えてしまい、嘘をついたと誤解されることもあります。これらは相手をだまそうとする意図はなく、状況の理解が難しいという特性から生じているため、悪意がないという理解が周囲の支援の出発点になると考えられています。

 

ADHDの衝動性と嘘

ADHD(注意欠如・多動症)の特性をもつ子どもは、行動や感情のコントロールが難しく、衝動性が高いという特徴があります。この衝動性から、質問されたことに対して頭で深く考える前に、とっさに取り繕うような言葉が反射的に口から出てしまう場合があるといわれています。

また、時間感覚のズレや、一時的に情報を記憶しておくワーキングメモリの弱さから、過去の出来事の記憶が曖昧になり、事実とずれた説明になってしまうこともあります。そのため、周囲から見れば明らかな作り話であっても、子ども本人の頭の中では本当のこととして認識されており、悪意なく語っているケースも存在します。意図的な嘘とはメカニズムが異なる場合が多いため、厳しく叱責するよりも、「何が起きていたか一緒に確認しようね」と一緒に事実を整理する姿勢が有効とされています。

 

 

「嘘つき」と決めつける前に

もし子どもの言動の背景に発達特性がある場合、その嘘の多くは悪意のあるものではなく、不器用さや特性ゆえの認識のずれから生じていることが多いと考えられています。たとえば、見たものをそのまま口に出してしまった結果、相手を不快にさせたとしても、本人はだまそうとしたわけではありません。

そのため、嘘つきというレッテルを貼り、道徳的な観点からのみ厳しく指導することは、子どもを深く傷つけ追い詰める結果になりかねません。「なぜ事実と違うことを言ったのか」「どういう風に見えていたのか」を、責めることなく一緒に振り返る姿勢を持つことが、子どもの安心感や信頼感につながります。子どもの言動が発達の特性によるものかもしれないと気になった場合は、一人で悩まずに、地域の発達支援センターやかかりつけの小児科など、専門機関への相談を検討してみてください。

 

 

親が心がけたい対応

子どもが嘘をついたとき、親の接し方次第で状況が改善に向かうこともあれば、悪循環に陥ってしまうこともあります。ここでは、嘘を繰り返させないために親が心がけたい対応のポイントについて説明します。

 

過剰反応せず、まず聞く

子どもの明らかな嘘に気づいたとき、親としてはショックを受け、つい「なんでそんな嘘をつくの!」と激しく問い詰めてしまいがちです。しかし、感情的に反応して強い叱責を与えることは、子どもに「また叱られる」という恐怖心を植え付け、さらに嘘でごまかそうとする悪循環を生みやすい理由になるといわれています。

「なんでそんなこと言ったの?」と責めるような言い方ではなく、「どうしてそう思ったの?」「何か困っていることがあったのかな?」という問いかけが有効な場合があります。実践的なポイントとしては、嘘に気づいた瞬間に深呼吸をして、まずは落ち着いて子どもの言い分を最後まで聞くことです。頭ごなしに否定せず、子どもが話しやすい雰囲気を作ることで、嘘の裏に隠された本当の気持ちを引き出すことができるとされています。

 

正直に話したときを積極的にほめる

子どもが過ちを犯したり、隠し事をしていたりしても、最終的に自分から正直に話してくれたときは、その勇気を親がしっかりと受け止め、積極的に評価することが非常に重要です。嘘をついたことへの罰を優先するよりも、正直さを選んだ行動をほめることが推奨されます。

「本当のことを言ってくれてありがとう」「正直に話してくれてお母さん(お父さん)は助かったよ」という具体的な言葉かけが、子どもにとって「嘘をつかなくても受け入れてもらえる」という強い安心感になります。これは、一時的に嘘をやめさせるためだけでなく、「失敗しても正直に話せる子になる」という長期的な目標として位置づける視点が大切です。肯定的な言葉が、次に何かあったときにも正直に相談するための強固な土台となるといわれています。

 

嘘をつかなくてよい環境をつくる

子どもが嘘をついてしまう背景には、「失敗を報告しても怒られないだろうか」という不安があることが少なくありません。そのため、「失敗しても一緒に考えよう」「次からどうすればいいか作戦を立てよう」という安心できる家庭の雰囲気づくりが、嘘を減らす根本的な対策になるといわれています。家庭が子どもにとって安全基地になることが最も重要です。

また、日常的な声かけの工夫も効果的です。たとえば、「宿題やったの?」と問い詰めると、やっていない子どもは自己防衛のためにとっさに「やった」と嘘をつきやすくなります。そうではなく、「宿題はどこまで進んだ?」「手伝えることはある?」といった事実を答えやすい問いかけに変えることで、嘘をつかせにくい状況を作ることができます。子どもに嘘をつかせる隙を与えない環境を大人が整えることが大切です。

 

やってはいけないNG対応

子どもが嘘をついた際、保護者が避けるべきNG対応がいくつかあります。まず、「嘘つき」「どうせまた嘘を言っているんでしょ」といった言葉を子どもに投げかけることは避けてください。こうしたレッテル貼りは、子どもの自己イメージを「自分はどうせ嘘つきな人間だ」と固定化させてしまう深刻なリスクがあります。

また、「今すぐ謝りなさい」と謝罪を強要することも逆効果になりやすいといわれています。子どもが自分の行動を振り返り、何が悪かったのかを心から納得していない状態で無理やり謝らせても、それはその場をやり過ごすための形だけの謝罪になりやすく、根本的な解決には結びつきません。理由もわからず謝らせることは、親の怒りを静めるためのさらなる嘘を招く原因になることもあるため、まずは理由を聞くことを優先する必要があります。

 

専門家に相談するタイミング

子どもの嘘に対して、家庭内での声かけや工夫だけでは状況が改善せず、保護者自身も疲弊してしまうことがあります。どのようなサインが見られたら専門家を頼るべきか、そしてどこへ相談すればよいのかについて解説します。

 

こんなサインが続いたら相談を

子どもの様子に不安を感じていても、これくらいで相談してよいのだろうかと迷う保護者の方は多くいらっしゃいます。もし、嘘の頻度が以前より明らかに増えていたり、内容が極端になって日常生活のつじつまが合わなくなっていたりする場合は、家庭内だけで抱え込まずに専門家への相談を検討してください。また、嘘が原因で友人関係や学校生活に明確な支障が出ている場合や、腹痛や頭痛などの身体不調の訴えが長期間続いている場合も、何らかのSOSのサインである可能性が高いとされています。さらに、嘘を指摘した際に激しく反発し、保護者との冷静な対話が成立しにくくなっている状態が続くようであれば、第三者の介入が必要な時期かもしれません。これらのサインに一つでも心当たりがあり、気になる場合は、一人で抱え込まずに早めに専門機関へ相談してみることをお勧めします。

 

何科・誰に相談すればいいか

子どもの嘘やそれに伴う行動について相談したい場合、状況に合わせていくつかの窓口が考えられます。学校での様子が関係していると思われる場合は、学校に配置されているスクールカウンセラーに相談することで、教育現場の視点からのアドバイスをもらうことができます。発達の特性が関係しているか気になる場合は、地域の発達支援センターに連絡することで、専門的なアセスメントや支援の方向性を相談できます。

また、医療機関を頼る場合は、身体的な不調の裏に心理的な要因がないか相談できるかかりつけの小児科や、より専門的な心のケアを担う児童精神科などが窓口となります。「大げさかもしれない」と思っても決して遠慮する必要はありません。専門家の意見を聞くことで、親としての対応の方向性が定まり、気持ちが楽になることはよくあるため、迷ったときはぜひ足を運んでみてください。

 

訪問看護という選択肢

医療機関への受診を始めたものの、定期的な通院だけでは家庭での具体的な関わり方がわからない、という悩みを抱える保護者の方は少なくありません。日常生活の中での継続的なサポートや、家庭という場での実践的なアドバイスが必要な場合、精神科に特化した訪問看護を活用するという選択肢もあります。

くるみ訪問看護ステーションでは、精神科看護の専門的な知識と経験を持つスタッフがご自宅に伺い、お子様の様子やご家庭の状況に直接寄り添いながらサポートを行います。お子様とのコミュニケーションの練習はもちろん、保護者の方の不安や悩みをお聞きし、ご家庭で実践できる声かけの工夫などを具体的にアドバイスさせていただきます。ご家族全体が安心して過ごせる環境づくりに向けた継続的な支援を提供いたします。

 

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まとめ

子どもが嘘をつく行動は、決してその子が「悪い子」だから起きているわけではありません。認知能力の発達段階であったり、周囲の環境に対する不安の表れであったり、時には発達の特性が複雑に絡み合って生じている場合があります。

子どもの嘘に向き合う上で大切なのは、事実と異なることをただ責め立てるのではなく、その言葉の裏にある「どうしてそう言いたくなったのか」という気持ちや背景を理解しようと寄り添う姿勢です。しかし、状況によっては家庭内だけの対応では解決が難しいこともあります。保護者の方が一人で悩みを抱え込まず、気になることがあれば専門家や支援機関に相談し、周囲のサポートを受けながら、焦らず子どもの成長を見守っていくことが大切です。

 

ひとりで抱え込まないでください。私たちがそっと寄り添います。

ご家族やご本人だけで抱え続けることの苦しさを、私たちは知っています。

「少し話を聞いてほしい」だけでも大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。

 

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参照:J-Stage

この記事を監修した人

中野誠子

株式会社Make Care 代表取締役社長

中野 誠子

看護師 / (元)重症心身障害児者認定看護師

精神科病棟勤務・看護学校教員として経験を積み、「こころに寄り添う看護」を志す。石森・濱𦚰とともに株式会社Make Careを創業。現在は訪問看護ステーションくるみの代表として現場に立ちつつ、メディアにも積極的に登場し、地域精神医療の啓蒙とアップデートに挑む。

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